第73回全日本実業団卓球選手権大会が、7月27〜7月30日まで、岐阜県岐阜市の岐阜メモリアルセンターで開催。同大会は、全国の企業や市役所の卓球部の日本一を決める大会だ。
大会最終日は男子団体の準決勝から決勝までが行われ、日鉄物流ブレイザーズ(和歌山)が初優勝を果たした。
【優勝 日鉄物流ブレイザーズ】
▼男子団体準決勝の結果
シチズン時計 3-0 クローバー歯科カスピッズ
○上村 4,9,7 松下
○三部 -7,2,-6,5,6 江藤
○上村/酒井 -8,8,10 松下/宮本
酒井 - 宮本
浅津 - 菅沼
日鉄物流ブレイザーズ 3-2 ファースト
○藤村 5,7,-8,10 松平
定松 -2,4,6,-10,-7 町○
○髙見/藤村 5,12 松平/神
松下 -6,-7,-8 神○
○髙見 12,9,9 高木和
▼男子団体決勝の結果
日鉄物流ブレイザーズ 3-2 シチズン時計
定松 -10,-6,-9 浅津○
○髙見 4,-6,-10,7,4 酒井
○髙見/藤村 9,-10,5 酒井/上村
松下 10,-5,-4,-12 上村○
○藤村 8,-11,-7,5,6 三部
男子は日鉄物流ブレイザーズが相次ぐ激戦を乗り越えて、創部以来初となる悲願の優勝を果たした。
準決勝のファースト戦では藤村友也が相手エースの松平健太を変化サービスからの3球目で下し、先制。そこからお互いが点を取り合う展開でラストまでもつれたが、「(ファーストの)オーダーはある程度読めていた」という日鉄物流ブレイザーズの杉井孝至監督が5番に、高木和卓に分の良い髙見真己を据えるオーダーがピタリとはまり、優勝候補の呼び声高かったファーストを退けると、決勝ではシチズン時計と対戦。
すると今度は藤村友也をラストに置くという、ファースト戦とは真逆のオーダーを組んできた。試合はまたしても5番までもつれたが、ラストで藤村が三部航平とのゲームオールにもつれた接戦を、最後はフォア側に大きく飛びついた後、利き手とは逆の右手にラケットを持ち替えてスマッシュを決めるスーパープレーを決めて、勝利。大黒柱の藤村をおしげもなくラストに据える、まさに「杉井マジック」とでも言うべき的確かつ変幻の采配で接戦の連続をくぐり抜け、栄冠を勝ち取った。
■日鉄物流ブレイザーズ・杉井孝至監督のコメント
「創部が今年で50周年で、先輩たちがつないできた歴史の中で、なんとかこうして初優勝できたというのは本当に感無量です。今までの方々が築いてくれたものが選手たちも頑張ってやっと開花したのかなと思います。
準決勝、決勝もそうなんですけど、その前に岡谷市役所さんとの対戦で以前負けたこともありますので、試合前に選手たちに厳しめに圧をかけて、しめ縄を締め直しました。それで臨んで、岡谷市役所さんを倒せたのがまず良かったですね。
次の準決勝(ファースト戦)はプロ集団で素晴らしい選手ばかりなので、『当たってぶち破っていくしかない。自分の持っているものを全て出し切ろう』ということで、全員がその気持ちで一丸となれたことが優勝につながったのかなと思います。
決勝のシチズン時計さんにも、ここ2回くらい負けているので、その悔しさであきらめずに最後の一戦だから頑張ろうと話しながら、一人一人が大車輪の活躍をしてくれました。そうしてワンチームになれたことが勝因だと思います」
【2位 シチズン時計】
【3位 ファースト】
【3位 クローバー歯科カスピッズ】
2位はシチズン時計。準決勝で昨年王者のクローバー歯科カスピッズをストレートで下した勢いを見ると、このまま優勝まで突っ走るかと思われたが、決勝の日鉄物流ブレイザーズ戦ではダブルスを競り負けたのが尾を引き、2018年以来の優勝はならなかった。
3位のファーストは、充実の戦力で悲願の初優勝を目指したが、準決勝の日鉄物流ブレイザーズ戦で頼みのエース・松平健太が単複で落とし、またしても優勝に届かず。
昨年に続く連覇を目指したクローバー歯科カスピッズは、シチズン時計との準決勝トップでエースの松下大星が上村慶哉によもやのストレート負けを喫し、流れを失ってしまった。
詳しい記録はこちらから
日本卓球協会内大会サイト:https://jtta.or.jp/tour/11827
(取材=卓球レポート)