高校生たちの祭典、第92回全国高校総体卓球競技大会（通称インターハイ）が8月8〜13日に北海道札幌市の北ガスアリーナ札幌46（札幌市中央体育館）で開催される。昨年は新型コロナウイルスへの感染対策を踏まえ男女別日程で開催されたが、今年は従来通り、男女同時開催で高校日本一をかけた熱戦が繰り広げられる。
大会5日目の本日8月12日は女子学校対抗決勝が行われ、四天王寺（大阪）が明徳義塾（高知）をストレートで下し、この種目で10連覇を達成した。
【優勝】四天王寺（大阪）
【2位】明徳義塾（高知）
▼女子学校対抗決勝の結果
四天王寺（大阪） 3-0 明徳義塾（高知）
○兼吉 7,7,8 上田
○青木 10,9,8 中本
○藤田／伊藤 3,8,2 水野／渡邉
藤田 - 渡邉
原 - 水野
女子学校対抗決勝は、四天王寺が圧巻の強さで明徳義塾を下し、10連覇の偉業を達成した。
四天王寺が1番に起用したのは、今大会、並み居る強敵をシャットアウトし、エース級の活躍を続けている兼吉。決勝でも、まるで相手の予想を見越して勝手に回転量が変化するかのような兼吉のカットがさえ渡り、明徳義塾エースの上田紫乃をストレートで下して、四天王寺に先制点をもたらす。
続く2番のルーキー青木咲智も、球威のある両ハンドで明徳義塾主将の中本杏月の前陣速攻を打ち崩し、四天王寺があっという間に王手をかける。
四天王寺の牙城をなんとか揺るがしたい明徳義塾は、これまで組んできた上田／水野瑞希に変え、水野と渡邉心葉をペアリングしてきたが、四天王寺は動じなかった。ここまでチームを支えてきた藤田知子／伊藤詩菜の両ハンドの連係が決勝の舞台でいっそうさえ、明徳義塾ペアにストレートで勝利。四天王寺が1ゲームも落とさず優勝を決め、2013年から続く連覇を10に伸ばした。
それにしても、10年間頂点に君臨し続けるというのは想像が及ばない偉業だ。「いろいろな方のおかげで届いた10連覇」と村田充史監督が言うように、今回優勝を決めた選手たちはもちろんのこと、歴代の選手たちや監督、コーチ、スタッフの日頃の、そして不断の努力に、ただただ敬意を表するばかりだ。
■四天王寺・村田充史監督のコメント
「今大会もそうでしたけど、予選から厳しかったので、無事10連覇を達成できてほっとしています。去年の夏が終わってから大嶋（雅盛）総監督をはじめ四天王寺高校、ミキハウス等いろいろな方にすごくお世話になってきたので、その感謝の気持ちを込めて戦おうということをずっと言い続けてきました。
（今大会で大変だったのは）予選（対リベルテ）が厳しかったですが、本大会に入ってからは準決勝の愛み大瑞穂さんが1番強いと思っていたのでそこに向けて準備しました。決勝の明徳義塾さんは3年連続になりますが、やっぱり伝統校の強さがあるので油断しないよう気を引き締めて戦いました。
（10連覇はとてつもない記録ですが）そうですね、10年ですよね。まあこの子たちだけじゃなく、いろいろな方にお手伝いいただいて達成できた10年です。もちろん僕一人の力でもありません。10年連続四天王寺が優勝できたということはうれしく思います」
明徳義塾は、一昨年、昨年に続き、準優勝で今夏を終えた。四天王寺には力及ばなかったが、飛び抜けたエースがいない中、総力戦で決勝まで勝ち上がったのはさすがの一言で、夏にビルドアップしてくる明徳義塾の手腕のすごさをあらためて示した形だが、単複で奮闘した水野は2年生で、今大会、キーマッチで勝った渡邉はまだ1年生と次代の才能も芽吹いている。来年の明徳義塾がどんなプレーを見せてくれるのか、今から楽しみだ。
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詳しい記録は下記大会公式ページまで
https://kirokukensaku.net/0IH23/discipline_060_20230812.html
（取材＝卓球レポート）
