2023年8月22~25日、高知県の高知県立県民体育館にて第54回全国中学校卓球大会が開催される。
最終日となる8月25日は男子団体の準決勝と決勝が行われ、愛工大名電(愛知)が二年ぶりとなる優勝を果たした。
優勝 愛工大名電(愛知)
▼男子団体準決勝結果
愛工大名電(愛知) 3-2 中間東(福岡)
佐々木 -9,11,-13,8,-6 浅見○
持田 9,-9,-9,11,-6 玉城○
○月原/浅里 9,6,5 吉田(翔)/石田
○郡司 10,5,8 吉田(侑)
○原井 4,7,10 飯田
野田学園(山口) 3-1 明徳義塾(高知)
永峰 5,9,6 長谷川○
○岩井田 5,1,-8,5 栁本
○日野/松山 12,8,10 福永/中川
○中野 8,3,6 伊藤
南 - 青井
▼男子団体決勝結果
愛工大名電(愛知) 3-2 野田学園(山口)
佐々木 -8,5,5 岩井田○
○持田 -8,8,8,9 南
○月原/浅里 -11,12,9,-9,8 日野/松山
原井 9,11,-15,-7,-15 中野○
○郡司 7,2,8 永峰
男子団体は、愛工大名電が制し、二年ぶりの優勝を果たした。
男子シングルスのベスト8に3人が勝ち残る層の厚さを見れば愛工大名電の優勝は順当のように思われるが、優勝までの道のりは険しかった。
昨年2位の中間東との準決勝では、1番の佐々木、2番の持田と主力が相次いで敗れて追い込まれたが、月原/浅里が踏ん張ると、郡司も続いて勝敗はラストへ。ラストは「ムードメーカーでみんなに力を与える存在」と真田浩二監督が頼りにする原井が、気迫あふれるプレーで中間東の1年生・飯田を下し、決勝進出を決めた。
野田学園との決勝も、前半はエースの持田、相手エースの岩井田が取り合って1対1と競り合う展開。勝敗の決め手になると見られたダブルスは各ゲームとも競り合いながらゲームオールまでもつれたが、最後まで強気でラケットを振り抜いた月原/浅里が野田学園ペアを下し、優勝を大きくたぐり寄せる勝ち点を挙げた。
続く、4番は原井が中野に大接戦の末に競り負けるが、ラストは郡司が2年生とは思えない落ち着いたプレーで永峰を圧倒し、昨年準々決勝で野田学園に敗れた借りを返すと同時に、王座を取り戻した。
■愛工大名電 真田浩二監督のコメント
優勝できてうれしいです。高知に来る前の17日に愛知フェスティバルという試合があったのですが、そこで選手たちに「こういうふうに戦えばいいんだ」と自信が芽生えたと思います。もう一つ、うちは朝のランニングを行うんですが、東海ブロック予選の前あたりから2人の選手がすごい勢いで前向きな顔つきで参加してくれるようになりました。本当は全員そうならいいんですが(笑)、でも、その2人に感化されてみんなも「自分がやるんだ」という気持ちになっていったので、それがチームが一致団結できた理由になったと思います。
準決勝の中間東戦は、1番2番がなかなかパフォーマンスが上がらず、正直0対2になるとは思っていませんでしたが、3番からよく頑張ってくれました。
決勝の野田学園戦は3番のダブルス(月原/浅里)がよく頑張ってくれました。私にいろいろ言われて1年生(浅里)が悩んだりしていたんですが、今回は試合前の気持ちのつくり方も自分たちで話し合うなどして頑張ってくれました。
今年のチームは、原井がみんなに勇気を与えるムードメーカーです。どんなに苦しくてもポジティブな声かけをしてくれるので、選手はもちろん私たちも含めていろんな人が彼から力をもらっています。なので、「決勝も4番で持って行け!」って送り出したんですけど、持って行きはぐりましたね(笑)。もちろん原井だけでなく、保護者の方にもいろいろなところで支えてくださっているので本当に助かっています。
この結果もうれしいですが、もっと上のレベルで戦えるような選手育成がまだまだだと強く感じているので課題は山積みですね。また頑張りたいと思います。
2位 野田学園(山口)
昨年に続く連覇を目指した野田学園だったが、ダブルスを競り負けたのが尾を引き、愛工大名電に惜しくも競り負けた。
連覇はならなかったが、今年の野田学園は、圧倒的な強さを見せた岩井田、決勝4番で競り勝った中野、決勝2番で相手エースの持田にあと一歩まで迫った南、ラストを任された永峰は全員2年生で若いチームだ。来年は必ずや雪辱を期してくるだろう。
3位 中間東(福岡)
昨年2位の中間東は準決勝で愛工大名電に競り負け、3位に終わった。
昨年越えは果たせなかったが、愛工大名電戦では1番で浅見が佐々木に、2番で玉城が持田をそれぞれ接戦の末に下したプレーは素晴らしく、両選手のフットワークの速さや凡ミスの少なさには、日頃のトレーニングの厳しさや正確さが表れていたように思う。
野田学園同様、中間東の主力として活躍した選手は2年生、1年生と若いため、来年も間違いなく優勝争いに食い込んでくるチームだ。
3位 明徳義塾(高知)
もう一方の3位は明徳義塾。カット主戦型の伊藤、シェーク異質型の長谷川、本格派の左腕・栁本らをそろえたオーダーは大会随一のバリエーションで、昨年に続いて表彰台を守った。また、地元の大声援と一体になった選手たちの躍動感は目を見張るものがあり、大会を熱く盛り上げた。
明徳義塾も、野田学園や中間東と同じく、主将の伊藤をのぞいて全員が1、2年生と若いチームのため、来夏の選手たちのさらなる成長に注目したい。
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試合の詳細な記録は下記サイトをご覧ください。
第54回全国中学校卓球大会:https://tabletennis.zenchuu.jp/eventresult/
(取材=卓球レポート)