2年に1度開催されるアジアナンバーワンを決めるバタフライ第26回アジア卓球選手権大会が9月3日から10日まで韓国の平昌(ピョンチャン)で開催される。今回のアジア大会は、バタフライが卓球メーカーとして初のタイトルスポンサーを務め、運営面から設備面など大会全般のサポートを行っている。卓球レポートも現地の平昌に足を運び、熱戦の模様をお伝えしていく。
競技3日目となる9月5日は女子団体決勝が行われ、中国が韓国を3対0のストレートで下し、優勝を果たした。
▼女子団体決勝の結果
中国 3-0 韓国
○孫穎莎 8,7,7 申裕斌
○陳夢 5,6,-9,6 田志希
○王芸迪 1,4,6 梁夏銀
陳夢 - 申裕斌
孫穎莎 - 田志希
女子団体決勝、中国は陳夢、孫穎莎を2点使いし、3番には準決勝の日本戦で起用した陳幸同ではなく、王芸迪を持ってきた。現在世界ランキングで中国3番手の王芸迪を日本戦で起用してこなかったのは、おそらく世界卓球2023ダーバンで王芸迪が早田ひなに敗れたためだと推察できるが、そうだとすると、今大会の準決勝、決勝の中国のオーダーには、中国の勝利への妥協のなさやしたたかさ、そして層の厚さが如実に表れている。
一方、地元開催で中国越えを狙う韓国は申裕斌と田志希を2点起用し、3番にはこれまでポイントゲッターとして活躍してきたカット主戦型の徐孝元ではなく、梁夏銀を置くオーダーで勝負を挑んできた。カット打ちの達人ぞろいの中国に対して徐孝元は不利と見て、梁夏銀の経験に託した形だ。
試合は孫穎莎対申裕斌という、両チームの次代を担うエース同士の試合で幕を開ける。
韓国としては成長目覚ましい申裕斌の爆発力に期待したかったが、やはり現世界チャンピオンの孫穎莎が一枚上だった。孫穎莎は申裕斌の鋭い両ハンドにしっかり反応すると、さらに上からかぶせる、まさに世界一のプレーで圧倒。チームを勢いづけるストレート勝利で中国に先制点をもたらした。敗れた申裕斌も非凡なコース取りや球威で孫穎莎からノータッチを奪う場面も見せたが、得点を重ねるまでには至らなかった。
2番の陳夢対田志希も地力にまさる陳夢が安定感抜群の両ハンドで田志希の鋭い攻撃を抑え込み、2ゲームを連取する。なんとか一矢報いたい田志希が第3ゲームは思い切った攻撃を決めて1ゲームを返すが、反撃もここまで。より集中してミスが出なくなった陳夢が第4ゲームをしっかり勝ちきり、中国が優勝に王手をかけた。
地元開催であっさり負けられない韓国はベテランの梁夏銀に望みを託すが、王芸迪が梁夏銀のプレーをことごとく上回る圧巻の強さで3ゲームをあっという間に連取し、あっさり中国の優勝を決めた。
中国が決勝までに落とした試合はゼロ。出場する選手全員が相手をねじ伏せるような強さで躍動し、あらためて中国がアジアの、そして世界の覇者であることを示した。
一方、中国には勝機を見いだせなかった韓国だが、地元開催で前回に続いての決勝進出は見事だった。このところの対戦では日本が優位だが、特に今大会の申裕斌のプレーを見る限り、韓国は今後も日本にとって、世界にとって手ごわいチームとして存在感を増していくだろう。
今大会のタイトルスポンサーを務めるバタフライは、会場内に販売ブースとイベントブースを開設中。
イベントブースではバタフライ・フェアで人気を博した的当てコーナーが設置されている。腕に覚えるのある観客らがチャレンジし、パーフェクトを目指してスマッシュを打ち込む姿が見られた。
卓レポX(ツイッター)でアジア卓球選手権平昌大会の熱戦を速報予定です。ぜひご覧ください!
試合の詳細な記録は下記サイトをご覧ください。
アジア卓球連合:https://asia.ittf.com/pages/39/asian%20ttc%202023_2704
国際卓球連盟(ITTF)記録ページ:https://results.ittf.com/ittf-web-results/html/TTE2773/results.html#/results
(取材=卓球レポート)