令和5年10月26~28日、いしかわ総合スポーツセンター(石川県金沢市)で第89回全日本大学総合卓球選手権大会(個人の部)が開催された。
大会最終日は男女シングルス5回戦〜決勝が行われ、男子は岡野俊介(朝日大)が優勝した。
【男子シングルス】岡野俊介(朝日大)が初優勝
▼男子シングルス5回戦
三浦裕大(筑波大) 11,10,9,-2,-5,10 横谷晟(愛知工業大)
泊航太(日本体育大) 8,9,4,-8,7 山本歩(明治大)
鈴木颯(愛知工業大) 8,11,6,10 手塚崚馬(明治大)
岡野俊介(朝日大) -7,8,-5,11,6,-8,8 小林広夢(日本大)
谷垣佑真(愛知工業大) 7,10,-9,-10,7,9 伊藤礼博(日本大)
宮川昌大(明治大) 9,3,6,10 野田颯太(専修大)
加山裕(日本大) 9,-5,5,-8,10,4 中村光人(愛知工業大)
阿部悠人(専修大) 6,8,6,12 奥山堅也(大正大)
▼男子シングルス準々決勝
三浦裕大(筑波大) -5,7,-3,6,7,-6,7 泊航太(日本体育大)
岡野俊介(朝日大) -10,4,8,-7,9,8 鈴木颯(愛知工業大)
宮川昌大(明治大) 9,-5,-6,8,7,11 谷垣佑真(愛知工業大)
阿部悠人(専修大) -12,10,8,-10,7,9 加山裕(日本大)
▼男子シングルス準決勝
岡野俊介(朝日大) 10,4,-7,8,-3,10 三浦裕大(筑波大)
宮川昌大(明治大) 8,8,8,8 阿部悠人(専修大)
▼男子シングルス決勝
岡野俊介(朝日大) 6,10,-10,1,10 宮川昌大(明治大)
第1シードの横谷(愛知工業大)、第2シードの松田(明治大)らが崩れる中、決勝に勝ち進んだのは愛工大名電高の同門、小林(日本大)、鈴木(愛知工業大)らを破った岡野(朝日大)と、最後の全日学に臨み、初優勝を狙う宮川との対戦となった。
決勝は、巧みなサービスとレシーブで先手を取った岡野が主導権を握る展開に、ラリー戦に強い宮川が1本でも多く返そうと応戦。しかし、フォアフリックのレシーブをはじめ、多彩なレシーブ技術で宮川に先手を取らせなかった岡野が高い集中力で流れを渡さずに4対1で勝利。初の全国タイトルとなる大学生日本一に輝いた。また、個人のタイトルのみならず、朝日大にも初の栄冠をもたらし、ベンチの米塚監督とも固く抱擁を交わした。
惜しくも優勝を逃した宮川だが、準々決勝では優勝候補の一角である谷垣(愛知工業大)を質の高い両ハンドドライブで上回り撃破。優勝ペースかと思われたが、決勝では自分のペースをつかめなかった。
■岡野俊介選手のコメント
自分が一番びっくりしていて、苦しい試合がたくさんあった中で優勝したので嬉しいです。実感はまだないです。
(最終日は)初戦の相手から名電の先輩(小林広夢/日本大)だったので、1試合ずつ勝つつもりで試合に臨んでいたので、優勝できるとは思っていなくてびっくりしています。
(小林選手との初戦は)今までの自分だったら負けていましたが、大学に入ってエースでやらせてもらっている中で自覚が出てきて、勝利につながったと思います。
決勝は、自分はバックハンドが得意で、そこで優位に立てたのは大きかったと思います。思ったより冷静に、自分の展開のプレーにできたと思います。
大学に入って自分がやらないと、という気持ちが大きくなりました。名電の時はみんなが強かったので団体戦も優勝できていましたが、朝日に入って自分が勝たないとチームの勝ちにつながらないことが多くなったのは自分の意識につながったと思います。
優勝を意識したのは、今日の1試合目の小林さんとの試合で、相手にリードされていて苦しかったですが、勝ちにつなげることができたのは自信につながったと思います
今まではフォア前のレシーブが苦手だったんですが、大学に入って米塚監督の奥さん(米塚曉コーチ)にフォアの台上、ストップ、ツッツキフリック、流しのレシーブを教えてもらって、それがうまく決まってチキータでいけないところもストップ、フリックできて、自分の点数を取るレパートリーが増えたのが良かったです。レシーブはみんなチキータかストップという感じなので、そこが良かったと思います。
3位には三浦(筑波大)と阿部(専修大)が入った。三浦は5回戦で第1シードの横谷と対戦。左腕から繰り出す両ハンドの速攻で優勝候補の横谷を退けベスト8入りを決めると、準々決勝では泊(日本体育大)との接戦を制しベスト4入り。阿部は5回戦で第2シードの松田を破った地元遊学館高卒業生の奥山(大正大)をストレートで退けると、準々決勝で加山の堅守を撃破。最後の全日学でベスト4入りを果たした。
ベスト8は以下の通り。
日本学生卓球連盟:http://www.jsttf-takkyu.com/
北信越学生卓球連盟:https://hokugakutt2.wixsite.com/website
(取材=佐藤孝弘)