2024年(令和5年度)全日本卓球選手権大会(一般・ジュニアの部)が1月22日から28日まで東京体育館で開催される。
大会5日目は男子シングルスの4回戦〜6回戦が行われ、ベスト8が出そろった。
※写真は高木和卓(ファースト)
男子シングルスは第1シードの戸上隼輔(明治大)、第2シードの張本智和(智和企画)をはじめ、ベスト8に残った8名中7名がスーパーシードという順当な勝ち上がりを見せている。
3連覇を狙う戸上は、初戦となる4回戦で攻撃的なカット主戦型の木塚陽斗(明豊高)の意外性のある攻守に苦戦を強いられたが、威力のあるドライブできっちり勝ちきって波に乗ると、五十嵐史弥(滋賀県スポーツ協会)、松平健太(ファースト)を持ち前の攻撃卓球で破りベスト8入りを決めた。
平成29年度(2018年)に14歳で史上最年少優勝を果たして以来、賜杯から遠ざかっている張本は、ともに男子ダブルスを制した木造勇人(関西卓球アカデミー)、昨年のジュニア王者・萩原啓至(愛工大名電高)、平成24年度(2013年)チャンピオンの丹羽孝希(スヴェンソン)と3人のサウスポーを、鋭いバックハンドを軸とした攻撃で危なげなく連破し、快調な勝ち上がりを見せている。
6回戦でもっともハイレベルな接戦を繰り広げた篠塚大登(愛知工業大)と、悲願のジュニア王者に輝いた松島輝空(木下アカデミー)は、巧みなサービス、質の高い両ハンドの打ち合いで両者が一歩も譲らない好試合となったが、最後は思い切ってチキータレシーブをストレートに放った篠塚が勝負を決め、東京体育館に咆哮を響かせた。
2020年に決勝で張本を破って優勝している宇田幸矢(明治大)も2年連続のベスト8入りを決めた。宇田は6回戦で、村松雄斗(鹿児島県スポーツ協会)と対戦。拾いまくる村松に対して、豪腕で攻めの姿勢を貫いた宇田が、ゲームオールで熱戦に幕を下ろした。明日の準々決勝では、張本との対戦が決まっている。
パリ五輪の選考ポイントでも上位につけている田中佑汰(個人)は、6回戦で後輩の横谷晟(愛知工業大)と対戦。リスクを承知で振ってきた後輩の横谷に対して、田中は前陣での堅守とカウンターで応戦し、4対2で2年連続のベスト8入りを決めた。
健闘しているのは若手だけではない。
4回戦で青森山田高の後輩、三部航平(シチズン時計)をラリー戦の末に破った高木和卓(ファースト)は、5回戦で若手の中でも粘り強いプレーをする濵田一輝(早稲田大)を台から距離を取ってしっかり動き、4対1で退けた。6回戦では、宮川昌大(明治大)、一ノ瀬拓巳(日鉄物流ブレイザーズ)に勝ってランキング入りを果たした加山雅基(愛工大名電高)をベテランらしい多彩で我慢強いプレーで撃破しベスト8入りを決め、ベンチで待つ同級生の大矢英俊(ファースト)と固く抱擁を交わした。高木和のベスト8入りは平成25年度(2014年)以来、実に10年ぶり。
吉村真晴(TEAM MAHARU)も2度目の栄冠を目指し、調子を上げている。4回戦でジュニア男子2位の吉山和希(岡山リベッツ)を横綱相撲で退けると、5回戦で野田学園の後輩、岩井田駿斗(野田学園中)にも力の差を見せつけて完封。6回戦では吉山兄弟の兄・吉山僚一(日本大)をスケールの大きなプレーで危なげなくくだし、ベスト8に返り咲いた。
吉村の盟友で、ノーシードから勝ち上がった大島裕哉(木下グループ)は、持ち前の身体能力の高さと決定力の高いフォアハンドドライブを武器に、三木隼(野田学園高)、曽根翔(T.T彩たま)、小野寺翔平(リコー)とスーパーシード3選手にすべてストレート勝ちで虎視眈々と優勝を狙っている。明日の準々決勝で、吉村とのベテラン対決で雌雄を決する。
男子シングルス4回戦〜6回戦の記録と、1月27日に行われる準々決勝の組み合わせは以下の通り。
▼男子シングルス4回戦の結果
戸上隼輔(明治大) -8,7,2,9,-7,9 木塚陽斗(明豊高)
五十嵐史弥(滋賀県スポーツ協会) 12,9,8,13 吉村和弘(ケアリッツアンドパートナーズ)
松平健太(ファースト) -9,3,7,-2,9,8 松平賢二(協和キリン)
坂根翔大(関西卓球アカデミー) -1,-8,8,9,3,8 西康洋(日野キングフィッシャーズ)
横谷晟(愛知工業大) 9,8,10,8 星優真(専修大)
田添健汰(木下グループ) 8,11,7,7 伊藤礼博(日本大)
英田理志(HRマネージメント) -9,7,11,9,7 岡野俊介(朝日大)
田中佑汰(個人) 6,-6,5,4,-10,7 高見真己(日鉄物流ブレイザーズ)
吉山僚一(日本大) -7,13,-10,-4,5,4,8 神巧也(ファースト)
溜大河(静岡学園高) 9,7,-11,8,-3,7 三浦裕大(筑波大)
岩井田駿斗(野田学園中) 14,11,-6,8,7 渡辺裕介(協和キリン)
吉村真晴(TEAM MAHARU) 9,9,-8,1,7 吉山和希(岡山リベッツ)
上村慶哉(シチズン時計) 6,-10,5,3,3 坂本椋(大正大)
小野寺翔平(リコー) 7,3,10,7 米倉勝(中央大)
大島祐哉(木下グループ) 10,2,10,11 三木隼(野田学園高)
曽根翔(T.T彩たま) -9,6,-6,10,7,10 飯村悠太(明治大)
篠塚大登(愛知工業大) 10,5,10,-9,-10,7 松田歩真(明治大)
松山祐季(協和キリン) 7,5,-9,-8,-10,5,10 後藤世羽(専修大)
松島輝空(木下アカデミー) 7,9,-4,11,6 鈴木笙(筑波大)
松下大星(クローバー歯科カスピッズ) -13,6,-6,-7,3,10,5 高取侑史(リコー)
濱田一輝(早稲田大) 6,12,2,5 吉田俊暢(関西卓球アカデミー)
高木和卓(ファースト) 10,11,-6,10,8 三部航平(シチズン時計)
加山雅基(愛工大名電高) 6,11,-10,-10,6,10 宮川昌大(明治大)
一ノ瀬拓巳(日鉄物流ブレイザーズ) -7,3,6,8,-9,7 及川瑞基(木下グループ)
宇田幸矢(明治大) 5,6,3,7 泊航太(日本体育大)
阿部悠人(専修大) -9,7,10,-10,5,5 馬渡元樹(信号器材)
村松雄斗(鹿児島県スポーツ協会) -9,6,-7,-9,11,9,5 笠原弘光(Handy)
江藤慧(クローバー歯科カスピッズ) 12,9,7,-9,7 加山裕(日本大)
中村光人(愛知工業大 7,9,7,4 吉田雅己(木下グループ)
丹羽孝希(スヴェンソンホールディングス) 10,8,7,5 金光宏暢(個人)
萩原啓至(愛工大名電高) 10,9,6,-10,9 佐藤卓斗(出雲北陵中・高)
張本智和(智和企画) -10,11,9,2,6 木造勇人(関西卓球アカデミー)
▼男子シングルス5回戦
戸上隼輔(明治大) 10,6,3,-7,7 五十嵐史弥(滋賀県スポーツ協会)
松平健太(ファースト) 4,11,8,-8,7 坂根翔大(関西卓球アカデミー)
横谷晟(愛知工業大) 5,7,11,12 田添健汰(木下グループ)
田中佑汰(個人) 5,5,7,7 英田理志(HRマネージメント)
吉山僚一(日本大) 4,6,8,-6,5 溜大河(静岡学園高)
吉村真晴(TEAM MAHARU) 8,7,6,11 岩井田駿斗(野田学園中)
小野寺翔平(リコー) -6,6,9,1,10 上村慶哉(シチズン時計)
大島祐哉(木下グループ) 7,6,8,7 曽根翔(T.T彩たま)
篠塚大登(愛知工業大) -6,6,9,8,7 松山祐季(協和キリン)
松島輝空(木下アカデミー) 10,-7,-8,10,8,10 松下大星(クローバー歯科カスピッズ)
高木和卓(ファースト) 2,-7,3,3,8 濵田一輝(早稲田大)
加山雅基(愛工大名電高) -7,9,10,7,-9,4 一ノ瀬拓巳(日鉄物流ブレイザーズ)
宇田幸矢(明治大) -8,11,-9,5,9,4 阿部悠人(専修大)
村松雄斗(鹿児島県スポーツ協会) -9,16,2,8,6 江藤慧(クローバー歯科カスピッズ)
丹羽孝希(スヴェンソンホールディングス) -9,4,-8,4,7,5 中村光人(愛知工業大)
張本智和(智和企画) 5,3,7,3 萩原啓至(愛工大名電高)
▼男子シングルス6回戦の結果
戸上隼輔(明治大) -8,9,7,6,9 松平健太(ファースト)
田中佑汰(個人) -12,9,8,5,-6,11 横谷晟(愛知工業大)
吉村真晴(TEAM MAHARU) 10,-5,5,6,7 吉山僚一(日本大)
大島祐哉(木下グループ) 8,5,5,1 小野寺翔平(リコー)
篠塚大登(愛知工業大) 11,-9,-9,8,8,-8,9 松島輝空(木下アカデミー)
高木和卓(ファースト) -8,5,7,-11,7,10 加山雅基(愛工大名電高)
宇田幸矢(明治大) 8,-9,7,-4,7,-8,8 村松雄斗(鹿児島県スポーツ協会)
張本智和(智和企画) 4,5,6,-5,6 丹羽孝希(スヴェンソンホールディングス)
■男子シングルス準々決勝の組み合わせ(1月27日 09:00試合開始予定)
戸上隼輔(明治大) - 田中佑汰(個人)
吉村真晴(TEAM MAHARU) - 大島祐哉(木下グループ)
篠塚大登(愛知工業大) - 高木和卓(ファースト)
宇田幸矢(明治大) - 張本智和(智和企画)
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詳しい試合の結果は日本卓球協会大会公式サイトでご確認ください。
全日本卓球:https://www.japantabletennis.com/AJ/result2023/