パリオリンピック卓球競技5種目(混合ダブルス、男女シングルス、男女団体)が、パリ南アリーナ4(パリ・フランス)にて7月27日〜8月10日に開催される。
競技3日目の7月29日は男女シングルス1~2回戦と混合ダブルス準決勝が行われた。ここでは混合ダブルス準決勝の結果をお伝えする。
写真提供=ITTF(国際卓球連盟)
決勝は王楚欽/孫穎莎vsリ・ジョンシク/キム・クムヨンに
▼混合ダブルス準決勝
王楚欽/孫穎莎(CHN) -6,7,-9,5,7,9 林鐘勳/申裕斌(KOR)
リ・ジョンシク/キム・クムヨン(PRK) 3,-10,-3,9,9,-9,6 黄鎮廷/杜凱琹(HKG)
混合ダブルスは準決勝2試合が行われ、決勝を争うペアが決まった。
準決勝は他のコートを休止して1台のみで実施され、第1試合の黄鎮廷/杜凱琹(HKG) 対リ・ジョンシク/キム・クムヨン(PRK)は現地時間16時(日本時間23時)からスタートした。
ここまで台風の目として勝ち進んできた北朝鮮ペア、この試合も連係プレーがさえる。キム・クムヨンがバックの変化で揺さぶってリ・ジョンシクがフォアハンドで仕留めるパターンで幸先良く第1ゲームを先取。第2ゲームも序盤は北朝鮮ペアがリードするが、ずるずると行きたくない黄鎮廷/杜凱琹がラリー戦に引きずり込んでジュースに追いつく。ここでリ・ジョンシクがまさかの2本連続空振りミスで、香港ペアがタイに戻した。
大きな展開に活路を見いだした香港ペアは、杜凱琹がロングサービスを2本続ける大胆な戦術で優勢に立つと、黄鎮廷が伸び上がるような動きの良さを見せる。そのまま一気に押し込んで香港ペアが1ゲームをリードした。
第4ゲームは勢い付いた黄鎮廷が裏面強打を決めて0対3としたところで、北朝鮮ペアがたまらずタイムアウト。一息入れて戦い方を整理した北朝鮮ペアがきっちり攻め込んで4対5として、今度は香港ペアがタイムを入れる。ここから両者互角の攻め合いで9対9と譲らない。なんとか取りたい北朝鮮ペアはリ・ジョンシクが回り込んでストレートに決めて、ゲームカウントを2対2に戻した。
すると第5ゲームは長いラリー戦の応酬で5対5となるが、リ・ジョンシクのフォアドライブとキム・クムヨンの前に止めるブロックが決まって10対5と引き離す。香港ペアも必死の粘りで10対9に持ち込むが、ここでリ・ジョンシクがライジングでブロックを決め、北朝鮮ペアがメダル確定に王手をかけた。第6ゲームはここで決めたい北朝鮮ペアが動き回って9対6とするが、黄鎮廷がエネルギーを振り絞って奮闘して9対9に追いつくと、杜凱琹がチャンスを作って黄鎮廷が強打を決めて、香港ペアがゲームオールに追いついた。
決勝行きが決まる最終ゲーム。立ち上がりから激しい打ち合いとなるが、要所で香港ペアにフォアのミスが続いて4対0。北朝鮮ペアはミスがなくなり7対0と引き離す。混合ダブルス名手の意地がある黄鎮廷/杜凱琹が懸命のラリーで8対5とするが、戦い方をぶらさない北朝鮮ペアはキム・クムヨンが前陣で揺さぶり、リ・ジョンシクが力強いフォアドライブを打ち込んで香港ペアの粘りを振り切った。
結局リ・ジョンシク/キム・クムヨンが11対6で黄鎮廷/杜凱琹に勝利を収めて決勝進出を決め、銀メダル以上を確定させた。
熱戦の興奮冷めやらぬ中で始まった第2試合。王楚欽/孫穎莎(CHN)と林鐘勳/申裕斌(KOR)の一戦も素晴らしい打撃戦となった。
第1試合の大きいラリー戦から一転、この試合は素早いテンポの打ち合いとなる。第1ゲームは中国ペアが目の覚めるような速さで5対1とするが、申裕斌が台上で揺さぶって5対5と追いつく。ここで林鐘勳がラリーで両ハンドを決めて5対8と抜き去って、韓国ペアが先行する。出鼻をくじかれた中国ペアだが、孫穎莎のライジングと王楚欽のパワーの連係が素晴らしく、7対3として1ゲームを奪い返した。
第3ゲームは両者互角の展開。孫穎莎と申裕斌が前陣でチャンスを作り、王楚欽と林鐘勳が力で攻め込む打撃戦で9対9と譲らない。この緊迫の場面、王楚欽がレシーブチキータをまさかの2本連続ミスし、韓国ペアがまたもゲームをリードした。悪い形で失った中国ペア。第4ゲームは立ち上がりから気合いを入れて6対1と引き離し、ゲームカウントを五分に戻した。
どちらに転ぶかわからない展開の第5ゲーム。立ち上がりは申裕斌の巧みな配球と林鐘勳のパワーで1対4とするが、中国ペアが必死の防戦で5対5と持ち直す。王楚欽がパワーチキータを2本決めて7対5とするが、韓国ペアがしのいで7対6となり、中国ペアがたまらずタイムアウト。ここで孫穎莎が懸命にフォアカウンターを決めると、気迫がみなぎって中国ペアが引き離し、ゲームカウント3対2と王手をかけた。
ここで決めてしまいたい中国ペア。第6ゲームは台上から厳しく攻めて4対1と引き離しにかかるが、韓国ペアが意地で盛り返して4対4。両ペアが力を尽くしたすさまじい打ち合いに会場のボルテージが最高潮となり9対9ともつれ込む。ここで孫穎莎がハーフロングの送球でチャンスを作って王楚欽が仕留めると、最後は孫穎莎がサービスエースで激闘を締めくくった。
決勝進出を争うにふさわしい大激戦は王楚欽/孫穎莎が4対2で林鐘勳/申裕斌を振り切り、中国勢悲願の混合ダブルス金メダルへの挑戦権を手にした。
▼混合ダブルス 【7月30日の試合予定】
3位決定戦
林鐘勳/申裕斌(KOR) - 黄鎮廷/杜凱琹(HKG) ※13時30分(日本時間20時30分)~
決勝
王楚欽/孫穎莎(CHN) - リ・ジョンシク/キム・クムヨン(PRK) ※14時30分(日本時間21時30分)~
詳しい大会の記録はこちら
公益財団法人日本卓球協会:https://jtta.or.jp/tour/24750
World Table Tennis:https://worldtabletennis.com/eventInfo?selectedTab=Results&eventId=2603
(まとめ=卓球レポート)