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2024年全日本社会人卓球選手権大会 ~男子シングルスは有延大夢(T.T彩たま)が初優勝~


 社会人の日本一を決める全日本社会人卓球選手権大会が、2024年10月25日(金)~27日(日)まで、京都府の島津アリーナ京都(京都府立体育館)で開催。
 大会3日目の最終日は、男子シングルス6回戦~決勝が行われ、有延大夢(T.T彩たま)が初優勝を果たした。

【男子シングルス優勝】
有延大夢(T.T彩たま)

接戦を乗り越え、うれしい初優勝!

みなぎる剛腕で頂点へ

タフなトーナメントを気迫で乗り切った


 
▼男子シングルス6回戦
松平賢二(協和キリン) 3-0 五十嵐史弥(滋賀県スポーツ協会)
髙見真己(日鉄物流ブレイザーズ) 3-0 三部航平(シチズン時計)
淺津碧利(シチズン時計) 3-1 皆川朝(日野キングフィッシャーズ)
有延大夢(T.T彩たま) 3-0 上村慶哉(シチズン時計) 
江藤慧(クローバー歯科カスピッズ) 3-0 定松祐輔(日鉄物流ブレイザーズ) 
高木和卓(ファースト) 3-2 松山祐季(クローバー歯科カスピッズ) 
松下大星(クローバー歯科カスピッズ) 3-1 馬渡元樹(信号器材)
阿部悠人(シチズン時計) 3-0 渡辺裕介(協和キリン)

▼男子シングルス準々決勝
髙見真己(日鉄物流ブレイザーズ) -6,6,-7,-3,8,11,2 松平賢二(協和キリン) 
有延大夢(T.T彩たま) 6,3,11,-9,8 淺津碧利(シチズン時計) 
高木和卓(ファースト) 3,3,7,-9,8 江藤慧(クローバー歯科カスピッズ) 
阿部悠人(シチズン時計) -9,9,9,13,3 松下大星(クローバー歯科カスピッズ)


▼男子シングルス準決勝
有延大夢(T.T彩たま) 8,7,-5,7,9 髙見真己(日鉄物流ブレイザーズ) 
高木和卓(ファースト) 5,-3,8,-4,-14,7,14 阿部悠人(シチズン時計)
 

▼男子シングルス決勝
有延大夢(T.T彩たま) 9,-11,-8,-11,9,7,9 高木和卓(ファースト)

 男子シングルスは、有延大夢(T.T彩たま)が制した。
 3回戦で2021年全日本王者の及川瑞基(岡山リベッツ)と当たる厳しい組み合わせになり、ゲームカウント2対2の5-9と追い込まれたが、その窮地を逆転してから波に乗った。
 自慢の豪打で決勝まで危なげなく勝ち進むと、決勝で、T.T彩たまのチームメートでもある高木和卓(ファースト)と対戦。高木和のラリー沼に引きずり込まれ、ゲームカウント1対3とあとがなくなったが、「挑戦者としてやるだけ」と腹をくくった有延が、丁寧なプレーで高木和のラリー力に対応しつつ、機を見た豪打で反撃を開始。場内が固唾(かたず)を飲むようなスリリングなラリーが続出しながらゲームオールまでもつれた試合は、球威でまさった有延が高木和を9本で振り切り、社会人ナンバーワンの称号を手にした。

■男子シングルス優勝 有延大夢選手のコメント
 3回戦の及川選手であったり、決勝の卓さん(高木和)もそうなんですけど、本当に苦しい試合が多くて、組み合わせを見た時から厳しい大会になると思っていたんですけど、それが今となっては良かったかなという気がしています。本当に苦しい試合をたくさん乗り越えて、僕自身この大会を経て成長できたと思いますし、これからの試合に向けて収穫がたくさんありました。
(決勝の高木和戦は)社会人が始まる前日に卓さんと練習していて、お互いすごく絶好調だったので、練習終わった後に「決勝で会いましょうね」みたいな話をしていました。なので、本当に決勝戦を卓さんとできことが嬉しかったですし、その中で卓さんに良いプレーをたくさんされて正直心が折れかけたんですが、もう一回挑戦者として思い切ってやるだけだなという気持ちでなんとか挽回できました。
 今大会では、ラリーに行くまでの戦術がすごく良かったと思います。サービス・レシーブを含めて、落ち着いて相手の攻撃を守備してからラリー戦に持っていくなど、そういった部分が今大会はすごく進歩したと思います。
 本当に苦しい試合をたくさん乗り越えての優勝だったので、率直にすごくうれしいし、耐え切ったという感じもあります。加えて、及川選手と3回戦で当たって、会場も注目する中、勝つことができて自信になりましたが、良い試合をしてくれた相手(及川選手)のためにも負けられないなという思いも芽生えました。そうした中で、優勝という形で終われたのはすごく良かったと思います。
 今後は、Tリーグの一戦一戦をT.T彩たまのために貢献することと、全日本で僕自身満足のいく結果を追い求めて頑張っていきたいと思っています。

【男子シングルス2位】
高木和卓(ファースト)

有延に惜敗し、惜しくも優勝に届かず

場内が沸くラリーを連発する高木和は、まさにラリーメーカーだ


 準優勝の高木和卓(ファースト)は、準決勝で阿部悠人(シチズン時計)との激闘を制して決勝進出。決勝でも主導権を握る場面が多かったが、有延のパワーの前にわずかに振り切られた。
 優勝はならなかったが、精度の高いストップやループドライブ(回転量の多いドライブ)から相手を自身の土俵であるラリー戦に引き込む戦いぶりは巧妙の一言。ひとたびラリー戦に持ち込めば、ベテランらしからぬ体のキレと動きで果敢に打ち合い、大きな存在感を放った。

 3位には、前回王者の松平賢二(協和キリン)に競り勝った髙見真己(日鉄物流ブレイザーズ) と、高木和と大会随一ともいえる好勝負を演じた阿部悠人(シチズン時計)が入った。

【男子シングルス3位】
髙見真己(日鉄物流ブレイザーズ) 

有延に屈するも、鋭いバックハンドで前回優勝の松平に勝利

【男子シングルス3位】
阿部悠人(シチズン時計)

高木和との大打撃戦に散るも、今後に期待大の選手だ

【男子シングルスベスト8】
淺津碧利(シチズン時計) 

パンチの利いた両ハンドでベスト8進出


江藤慧(クローバー歯科カスピッズ)

思い切った両ハンドで8強。高木和のしぶとさに振り切られた


松平賢二(協和キリン)

連覇を目指したが、髙見の鋭いバックハンドに惜敗


松下大星(クローバー歯科カスピッズ) 

ペンドラの雄は阿部との競り合いに敗れ、表彰台ならず



詳しい記録はこちらから
日本卓球協会大会ページ:https://jtta.or.jp/tour/24767

(取材=卓球レポート)

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