2月11日、原宿オリンピアアネックスビルで「パラ卓球 SPECIAL LIVE」が行われた。同イベントは障害者スポーツ「パラ卓球」の魅力を発信することを目的にして、日本肢体不自由者卓球協会とNPO法人「二枚目の名刺」が協働して開催された。
イベントにはリオデジャネイロパラリンピック日本代表の吉田信一選手と岩渕幸洋選手がゲストとして参加した。来場者がコートを囲む中で行われたエキシビションでは、吉田選手がフォア,ミドル、バックを的確に狙うコントロールの良さを見せると、岩渕選手が力強い両ハンドドライブを披露するなど、来場した人たちを湧かせるプレーを見せた。
また、両選手と来場者がラリーを通して触れ合う時間も設けられた。岩渕選手のスマッシュを返すことができた来場者にサインボールをプレゼントする企画なども行われ、会場は大いに盛り上がった。このほか、吉田選手、岩渕選手によるトークショーも開催され、両選手がパラリンピックでのエピソードを話したほか、来場者からの質問に答えた。
吉田選手はイベントについて「正直、始まる前は『どのくらい来てくれるのかな』という不安もありましたが、たくさんの方が足を運んでくれてうれしいです。若者の街・原宿という場所での開催すると聞いたときはびっくりしました。若い人たちがちょっとでも注目してくれれば2020年の東京オリンピックに向けて明るくなるのかなと思います」と話した。
今回のイベントで特徴的だったのが、パラ卓球のプレー中の写真やアーティストの飛島達也さんがゲストの両選手を描いた絵画が飾られたことだ。それぞれの写真や絵画にはキャプションが付けられて展示された。写真や絵画を展示した理由について、イベントを主催した日本肢体不自由者卓球協会の立石イオタ良二さんは「今までのイベントは来場者の多くが卓球関係者でしたが、アートのような卓球とは違った視点を入れることで、より多くの人が卓球に触れやすくなり、関わりやすくなると思っていました。そこで、今回はさまざまな角度からパラ卓球に触れやすいイベントにしたいという思いで写真や絵画を飾りました」と話した。
原宿駅近くの人通りの多い場所で開催され、道行く人が足を止めて会場に入っていく姿が目立った今回のイベント。若い人を中心にさまざまな年代の方がパラ卓球のプレーを目にし、写真や絵画を鑑賞している姿を見て、非常に有意義なイベントだったと感じた。こうした活動を通してさらに卓球の認知が広がっていくことを願いたい。