1960年代後半から1970年代にかけて活躍したジャック・セクレタン氏(フランス)が2020年11月24日に逝去された。71歳だった。
セクレタン氏は9歳で卓球を始め、14歳の時のフランス卓球選手権大会で、父親と組んだ男子ダブルスで準優勝。1966年、16歳でフランス卓球選手権大会男子シングルス初優勝を遂げると、その後、計17回にわたりフランス卓球選手権大会男子シングルス優勝を果たした。
1976年にはヨーロッパ卓球選手権大会の男子シングルスで優勝。1977年の世界卓球選手権バーミンガム大会では混合ダブルスで優勝し、フランスに初の世界タイトルをもたらした。
セクレタン氏の人柄について、長谷川信彦氏は卓球レポート1978年4月号で次のように記述している(抜粋)。
「彼のダブルスでのプレイを見ていて心を打たれるものがあった。それは、パートナーのどのようなミスでも、"自分の責任"というやさしさと思いやりと、よく話し合う"協調性"を持っていたことである。これが、ダブルスを組む場合に最も大切な、息のあったプレイをするコツであり、パートナーが持っているすべての力を引き出す要因である。その人柄のゆえ、彼もダブルスの名手と言われる一人だ」
柔軟なボディワークとロビングを駆使した高い守備力、緩急のあるドライブで活躍したセクレタン氏。故人のご冥福をお祈りします。