2023年4月23日、ITTF卓球の日に「パーキンソン病患者卓球愛好者とオリンピアンの集い」(主催=公益財団法人 日本卓球協会)がバタフライ卓球道場(東京都杉並区)にて開催された。これまで「卓球の日」は国連が定めた「開発と平和のためのスポーツの国際デー」と同日の4月6日に制定されていたが、2023年からはITTF初代会長のアイボア・モンタギュー氏の誕生日である4月23日に変更となった。
この新しい卓球の日を記念して行われた本イベントには、難病であるパーキンソン病患者でパーキンソン世界卓球選手権大会に出場経験のある選手を含む愛好者の皆さんが来場。卓球は、体の動きなどに障害があらわれるパーキンソン病に対して、運動療法の一環として症状の緩和に効果があるとして近年注目されてきた。
また、シドニー五輪で日本代表として活躍した元オリンピアンの小西杏さん、杏さんと小西海偉選手を両親に持つ紅偉選手(全日本卓球選手権大会カブの部3位)も招待選手として参加し、卓球クリニックの講師を務めた杏さんをサポートした。小西杏さんは、自身の卓球教室で選手の指導に努めるかたわら、病院や養護施設などでリハビリテーションとしての卓球の指導にも取り組んでいる。「私が指導者になろうと思った理由が、多くの方に卓球の魅力を伝え、卓球を好きになってほしいと思ったからです。私が人生をかけてやって来たからこそ伝える事のできる卓球があると思っています」と卓球への強い思いを語った。
さらに、前原正浩ITTF執行副会長をはじめ、木村興治さん、三木圭一さん、古市智子さん、森沢幸子さん、内田美恵子さん、織部幸治さん、卓球日本の黄金期を支えたレジェンドたちが姿を見せ、指導を行うとともに参加者たちとダブルスの試合で汗をかいた。
イベントを終えて、小西さんは「今回はパーキンソン病の方を対象としたイベントでしたが、この病気は運動に関わる症状が出る病気です。でも、皆さんとてもエネルギッシュでとてもカッコ良かったです。ラケットを持ってコートの前に立てばみんな同じです。一緒に卓球の素晴らしさを実感できたとても素敵な時間でした」とコメント。競技とは異なる卓球の魅力や可能性が感じられる、「卓球の日」にふさわしい1日となった。
(まとめ=卓球レポート)