男子優勝:東京アート(4年連続4回目)
東京アートが4連覇を達成
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男子決勝は、第1回から4年続けて東京アートと協和発酵キリンが対戦した。前後期リーグ優勝の東京アートが勝てば4連覇、協和発酵キリンは初の栄冠を目指す。両チームは前日の1回戦で対戦しており、そのときは東京アートが3−0で快勝している。
トップは東京アートのベテラン韓と協和発酵キリンの下山が対戦。序盤は厳しい主導権争いでラリーがかみ合わず5-5と互角の展開。そこから一進一退で9-9となる。ここで韓がサービスから下山のフォアサイドに揺さぶって先行する。流れをつかんだ韓は両ハンドドライブを決めて第2ゲームも連取した。
第3ゲームも立ち上がりから韓が台上で厳しく攻めて4-1として、協和ベンチがタイムアウト。しかし、韓はまったく緩めず一気に攻め込んで、幸先良く先取点を挙げた。
続く2番は大矢vs木方。両者は後期リーグ、そして直前の1回戦で対戦し、これで3カード続けての顔合わせとなった。後期リーグは木方が粘り倒したが、1回戦では大矢が打ち抜いて完勝している。試合は両者が持ち味を発揮して、攻める大矢、しのぐ木方の展開となる。ともに譲らずジュースにもつれるが、大矢が強気を貫いて12-10で先行した。第2ゲームは大矢が7-4とリードするが、木方が動いてフォアハンドドライブで攻め込んで、またもジュースにもつれ込んだ。ここで今度は木方が広角に攻めて奪い返し、1−1に追い付いた。
流れを決める第3ゲーム。これまで単調なコースに攻めていた大矢だが、木方を前後左右に動かして7-1と引き離し、一歩リードを奪った。第4ゲームは中盤まで競り合うが、大矢が気合いを入れて8-5とリードすると、最後は両ハンドドライブがうなりを上げて木方を振り切った。
これで東京アートが早くも4連覇に王手をかけた。
ダブルスは、韓・張vs田勢・木方。両者の対戦は東京アートペアが2連勝中。しかし、前期リーグではストレートで協和発酵キリンペアが勝っており、勝てば流れを変える1勝になる。
立ち上がり、どこからでも攻められる韓・張に対して、田勢・木方はフォアハンドで動いてラリーで応戦して8-8となり、互角の打ち合いでジュースにもつれた。このまま13-13まで進むが、ラッキーなエッジが出て東京アートペアが1ゲームを先取する。第2ゲームは田勢・木方が見事なコンビネーションで4-7とリードするが、韓・張がしっかり受け止めて8-8に追い付く。ここでも見事な打ち合いが展開されるが、9-10から田勢がバッククロスにビシッと打ち抜いて、1−1に追い付いた。
第3ゲームは立ち上がりから韓・張が攻め込んで7-2とリードを奪う。田勢・木方も粘りを見せて10-9と追いすがるが、韓が鋭い台上でミスを誘って、いよいよ栄冠まであと1ゲームとした。
1ゲームをリードして力みが取れた韓・張は、しっかり動いて連続攻撃で優勢を保って4-1とすると、追い込まれた協和発酵キリンがタイムを入れる。しかし、東京アートペアは一気に引き離して、このまま勝負を決めた。
これで東京アートが協和発酵キリンを4年連続で下して、見事に内閣総理大臣杯をを手にした。
韓陽がトップで下山を圧倒
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大矢が後期リーグのリベンジ |
木方、無念の2連敗・・・
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社会人最強ペアがキッチリ締めた
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準決勝は、協和発酵キリンvs明治大学
1回戦で東京アートに完敗した協和発酵キリンに対して、明治大学はシチズンに3−1で快勝。両者の勢いの違いが試合を終盤までもつれさせた。
トップは明治大学のエース・水谷が全日本チャンピオンの貫録で横山を完封して先取点を挙げた。しかし、2番は昨年の社会人王者・下山が甲斐に逆転勝ちして協和発酵キリンが1−1に追い付いた。
流れを決めるダブルスは、協和発酵キリンの田勢・木方が2対0とリード。しかし、明治大学の水谷・軽部が捨て身の攻撃で2ゲームを取り返すと、最終ゲームも2-6とリードする。しかし、ここで田勢が台上フリックで勝機を作ると、一気に抜き去って逆転勝利。
4番は軽部が木方をラリーで打ち抜いて、明治大学がラストに持ち込んだが、5番で田勢が根田を完封して、協和発酵キリンが明治大学を振り切った。
1回戦は東京アートvs協和発酵キリン、シチズンvs明治大学で争われた。
勝てば決勝に直行できる総合1位と2位の対戦は、東京アートが協和発酵キリンをシャットアウト。
準決勝行きをかけた総合3位と4位の一戦は、明治大学が水谷の2点取りの活躍でシチズンに3−1で勝利を収めた。
協和発酵キリンは明治大学を振り切った
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明治大学は水谷の活躍で準決勝進出 |
シチズンは田中が一矢報いたが・・・
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女子優勝:日本生命(2年ぶり3回目)
日本生命が内閣総理大臣杯を奪回
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女子決勝は、後期リーグ優勝で総合1位の日本生命と前期リーグ優勝で前回王者の日立化成が対戦した。両チームは前日の1回戦で対戦しており、日立化成が3−2で日本生命を振り切っている。
試合は、日本生命・李佳vs日立化成・楊飛飛という助っ人対決で幕を開けた。立ち上がりは楊飛飛が変則的な両ハンドドライブで攻め込んで先行するが、第2ゲームに入ると李佳が両ハンドでクロスに決めてリズムをつかんで2−1と逆転する。第4ゲームは一進一退となり9-9と競り合うが、李佳が落ち着いてサービスからの3球目攻撃を決めて、貴重な先取点を挙げた。
これで勢いに乗りたい日本生命は若宮が登場。一方の日立化成はカットの野中に託す。両者は後期リーグで対戦し、若宮が3−1で快勝している。
立ち上がりは若宮の攻めが雑になって、野中がジュースで競り勝った。しかし、第2ゲームは若宮が前回の戦い方を思い出して、前後に早い揺さぶりで圧倒して1−1に追い付いた。
大事な第3ゲーム、若宮は野中のバックサイドにループを集めて7-3とリード。しかし、野中は地味に左右を付いてミスを誘って8-9と逆転すると、若宮にスマッシュミスが続いて、野中が先に王手をかけた。攻守の距離感をつかんだ野中は、第4ゲームも3-7と引き離す。ピンチに追い込まれた若宮はツッツキからのドライブで追い付くと、一進一退となりジュースにもつれ込む。ここで野中が粘り切れず、勝負は最終ゲームに持ち込まれた。
こうなると若宮にペースが行きそうだが、それを承知している野中が反撃に転じて1-4と先行。しかし、若宮は頼みのツッツキからのループ作戦で8-8に追い付いた。次のラリーで野中がラッキーなエッジ。ここで再び動きを取り戻した野中が最後までカットでしのぎきって、星を五分に戻した。
続くダブルス。嫌な流れの日本生命は全日本王者の藤井・若宮。日立化成は1回戦からペアを変えて、左利き同士の藤沼・福平を投入した。
試合はニッセイペアが日立化成ペアをバックサイドに詰めて圧倒し、一気に2−0と追い込んだ。このまま押し切るかに思われたが、第3ゲームに入ると日立化成がラリーにせず、早めの仕掛けで互角の展開に持ち込む。7-7から藤井・若宮に雑なミスが続いて、藤沼・福平がなんとか1ゲームをもぎ取った。第4ゲームは藤井・若宮が気持ちを入れ直して攻勢に出て6-2として、日立化成ベンチがタイム。ここで踏ん張って7-6まで追い付くと、今度は日本生命がタイムを取る。しかし、悪い流れは止まらずに7-8と追い抜かれると、ニッセイに硬さが見えてミスが続いて、2−2にもつれ込んだ。
いよいよ最終ゲーム。このままあっさり逆転されてしまう訳にはいかない藤井・若宮は、気合いを入れて再びバック攻めを繰り出して5-1とすると、このまま流れを止めずに9-1として、勝負を決めた。
王座奪回に王手をかけた日本生命の4番はキャプテン藤井。2連覇を勝ち取りたい日立化成は、社会人王者の藤沼が登場。四天王高校の同級生である両選手、プライドをかけた戦いは立ち上がりから火花を散らす対戦となった。
試合は序盤から一進一退で5-5となるが、藤沼が先手を取って5-10とリードする。藤井も丁寧に粘ってジュースに追い付くが、2本打ちミスして藤沼が先行する。第2ゲームは藤沼が速さで攻め込むが、藤井が懸命にしのいで9-9。ここで藤井が強気のレシーブで攻め込んで1−1に追い付いた。すると第3ゲームは藤井がラリーでクロスに決めて8-3と引き離して、栄冠に王手をかけた。
土壇場に追い込まれた藤沼だが、ひるまず前陣で強打を連発する。3-3から一気に4-8とスパートして、2−2に持ち込んだ。
両者とも是が非でも勝ちたい最終ゲーム。2-2から藤井が両ハンド連打で4-2として日立化成がタイムアウト。しかし、ここで藤井がサービスエースを決めて5-2でチェンジエンドすると、いい流れを維持して5本連取して勝負を決めた。
昨年は苦汁をなめた日本生命が2年ぶりに内閣総理大臣杯を奪い返した。
李佳が助っ人対決で快勝 |
野中が若宮を粘り倒した
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ニッセイペアがダブルス制して王手
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藤井が気迫の強打で攻め込んだ |
藤沼は2−2に追いついたが・・・
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気持ちで上回り、最後まで粘り切った
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準決勝は、日本生命vsサンリツ
1回戦で日立化成に惜敗した日本生命だが、トップの田代が大仕事で流れを取り戻した。サンリツのエース侯琳の速攻を前陣で死守し、要所でシャープなフォアハンドを決めて3−0でシャットアウト。見事に大金星を収めた。続く2番は李佳が小野を完封。ダブルスは全日本王者vs社会人王者の対戦となり、サンリツの阿部・小野が日本生命の藤井・若宮に土を付けた。
これで4番の福原につないだサンリツだったが、若宮が流れを食い止めた。若宮は福原の速攻をブロックすると、焦る福原が我慢できずにミスが出る。最終ゲームも若宮が粘ってジュースで競り勝って、日本生命がサンリツを退けた。
1回戦は日本生命vs日立化成、サンリツvs中国電力で争われた。
勝てば決勝となる総合1位と2位の対戦は、日立化成が日本生命を3−2で振り切って、決勝に駒を進めた。
準決勝行きをかけた総合3位と4位の一戦は、サンリツが中国電力を3−0の完封勝利を収めた。
日立化成は初戦でニッセイを下したが・・・
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福原、1回戦で越崎を攻略も・・・ |
中国電力は新コンビも実らず
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今大会の模様は・・・ ~卓球レポート2月号に掲載~
本大会の記録は、日本リーグのホームページに掲載されています。
日本リーグ 公式HP:http://www.jttl.gr.jp
なお、今大会の模様は 2月号(1/20発売予定)に掲載予定。
現地取材班:小畑賢二(卓球レポートビデオ制作室)、兼吉秀洋(卓球レポート編集部)