男子優勝:東京アート
東京アートが2連覇を達成
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男子決勝は、前後期リーグ覇者の協和発酵キリンと、昨年ファイナル4を制した東京アートが2年続けて対戦した。
トップは後期リーグ最高殊勲選手の坂本と、監督兼選手の遊澤。立ち上がりから、両ハンドで攻める坂本と前陣ブロックからカウンターを狙う遊澤のプレーが互角の展開。見応えのあるラリー戦はゲームオールにもつれたが、坂本が10-9からレシーブで回り込みドライブを決めて、大事な先取点を挙げた。
続く2番は張一博vs木方。両者は昨年の決勝でも2番で対戦しており、そのときは木方が3−1で勝っている。第1ゲームは前回同様に木方が中陣から粘って先行する。しかし、第2・3ゲームは張が台上フリックから先手を取って逆転。第4ゲームは木方がフォアハンドで動いて先にドライブをかけて2−2に追い付いた。最終ゲームは中盤まで競り合うが、4-4から張が一気に引き離して、東京アートが1−1のタイに戻した。
ダブルスは、倉嶋・田勢vs遊澤・韓の対戦。倉嶋・田勢は圧倒的に分が悪い東京アートペアに対して、立ち上がりから猛然と左右の連打で攻め込む。遊澤・韓は攻撃を受けきれず、倉嶋・田勢が先制する。第2ゲームは東京アートペアが協和発酵キリンペアの攻撃をうまくかわして1−1に戻した。流れを左右する第3ゲームは中盤まで6-6と互角の展開。ここで倉嶋・田勢が強気の攻撃でリードを奪い、2−1とリードした。すると第4ゲームは田勢のスマッシュが効果的に決まって、協和発酵キリンペアが快勝。内閣総理大臣杯に王手をかけた。
4番、ここで決めたい協和発酵キリンはベテランの倉嶋を投入。一方、後がなくなった東京アートはエースの韓。試合は序盤から韓が先手を取って倉嶋をコートから下げ、2−0と引き離す。韓は威力満点のフォアハンドドライブとタイミングの早い裏面バックハンドで倉嶋を圧倒して3−0で快勝。星を五分に戻した。
いよいよラスト勝負。協和発酵キリンはルーキーの下山を5番に持ってきた。一方の東京アートは主将の大森をここに回した。この緊張の場面で力を発揮したのは大森だ。大森は1回戦と準決勝で連敗していたが、立ち上がりから気迫十分のプレーを見せた。過去2戦2敗と分が悪い下山に対し、鋭い攻撃でバックサイドを突く。下山はいきなりの猛攻に対処できず、大森が第1ゲームを先制する。第2ゲームは互いに先手を取り合って6-6となるが、大森が気迫のフォアハンドで引き離し、優勝に逆王手をかけた。第3ゲームに入っても大森の勢いは止まらず、7-4と点差を広げる。このまま大森がしっかり動いて下山に反撃の機会を与えずストレート勝ち。見事に大一番で主将の責任を果たして、東京アートが2年連続での栄冠を手にした。
坂本が強気のドライブで先取点 |
張が木方に粘り勝ち
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ダブルスは協和発酵キリンペアが制す
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攻める韓がタイに戻した
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キャプテン大森が会心のプレー |
ルーキー下山、ペースつかめず・・・
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気迫のプレーで勝利をもぎ取った
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準決勝は、グランプリ大阪vs東京アート
この試合は東京アートの勢いがグランプリ大阪を完全に上回った。トップで大森が吉田に敗れたものの、2番の韓がセン健を一蹴。続くダブルスと4番も東京アートがストレート勝ちして、3−1で東京アートが快勝した。
1回戦は東京アートと日産自動車が対戦した。
前半1−1で迎えた3番ダブルスの勝敗が流れを決めた。前中陣で巧みに攻守を展開する遊澤・韓に対し、森田・村守は切れ味鋭い左右の強打で応戦してゲームオールに。しかし、最後は東京アートペアが11-9で振り切った。
グランプリ大阪は吉田が先取点も・・・ |
日産自動車は東京アートに打ち負けた
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女子優勝:日本生命
日本生命が見事に連覇
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女子決勝は、前後期リーグ優勝の日本生命と全日本団体王者の日立化成が対戦した。
1番は日本生命の重本と日立化成の馮暁雲。ゲームは馮暁雲が堅実なバックプッシュと的確なカウンタースマッシュで重本のバックドライブを封じて、3−1で先取点を挙げた。
続く2番は、李佳と王輝のエース対決。試合前のラケット検査で王のラバーが平坦でなく、スペアラケットもクリアできなかったため、急遽ラバーを張り直すというアクシデントが発生した。これでリズムを乱したのは、なぜか李佳。王のソツのないカットを無理に打ちに行って第1ゲームを失うと、第2ゲームも0-5とされる苦しい展開。しかし、ここから李佳が緩いループドライブを混ぜて流れをつかむと、ジュースの競り合いをものにして1−1に追い付く。これで攻めのリズムが戻った李佳が3−1で王に逆転勝ちを収めた。
ダブルスは、ニッセイの金沢・藤井が日立化成の藤沼・島田のブロックに苦しめられたが、勝負所で集中力を発揮して3−1で勝利。日本生命が2−1と王手をかけた。
4番、藤井と藤沼の対戦は四天王寺高校の同級生対決。この試合は攻守にミスがない藤沼が、藤井の両ハンドドライブをかわしてペースを握って2−0とする。第3ゲームは藤井が攻めて取り返すが、第4ゲームは藤沼が序盤から猛攻を仕掛けて圧倒。日立化成が逆王手をかけた。
勝負の5番、日本生命はベテランの金沢が控える。一方の日立化成は元気娘の河村に託す。この試合は序盤から金沢が主導権を握った。厳しいコース取りのサイドスピンショートから打点の高いフォアハンドドライブを決めて、河村を防戦に追い込む。このまま金沢が一気に押し切って勝負を決めた。
これで日本生命が2年連続で内閣総理大臣杯を手にした。
馮暁雲のブロックが冴えた |
李佳がエース対決で王輝を圧倒
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ダブルスはニッセイペアが競り勝つ
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藤沼が同級生対決を制して追い付くが・・・ |
金沢がラストに立ちはだかった
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日本生命が栄冠を手にした
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準決勝は、日立化成vs中国電力。
日立化成はエースの王と馮暁雲が前半に登場。中国電力は福岡と越崎の両エースを1・2番に配し、前半勝負をかけて来た。1番で王が福岡を完封すると、2番で馮暁雲が越崎に逆転勝ちを収め、日立化成が中国電力にストレート勝ちを収めた。
1回戦は、サンリツと中国電力が対戦。
試合は流れが目まぐるしく入れ替わる展開。トップで侯琳が越崎を下して先制。2番の坂本vs福岡は、坂本が1−2から逆転して、サンリツが2−0と王手。しかし、ダブルスで福岡・土井が競り勝つと、4番で河村が山崎知春との大接戦をものにして、2−2に追い付く。ラストは土井がシュート気味のドライブで山崎彩恵のブロックを打ち崩して、中国電力が大逆転勝ちを収めた。
中国電力は土井が2点取りの活躍 |
サンリツは2−0とリードしたが・・・
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本大会の記録は、日本リーグのホームページに掲載されています。
日本リーグ 公式HP:http://www.jttl.gr.jp
なお、今大会の模様は 2月号(1/20発売予定)に掲載予定。
現地取材班:兼吉秀洋(卓球レポート編集部)