丹羽に続いてテレビコートに登場した水谷。全日本チャンピオンの座こそ譲ったものの日本のエースであることには間違いない。その水谷が福原に続き、まさかの1回戦敗退。今回の世界卓球パリ大会は本当に何が起こるかわからない。
水谷のプレーは積極性に欠けた
1回戦から波乱が続くパリ、ベルシー体育館
子どもたちの声援にも肩を落とす
水谷 6,-5,4,-8,-10,-8 シルセク(チェコ)
福原の初戦敗退に続き日本にとっては非常に残念な波乱が続いた。水谷隼が1回戦で敗れたのだ。もともとラリー志向の水谷だが、この試合では決定力に欠け、台上技術も両ハンドドライブもそつなくこなすシルセクに先手を取られる場面がしばしば見られた。1ゲーム先行しては追いつかれる展開で2-2と並んだところで迎えた第5ゲームをジュースで落とし、シルセクが王手。第6ゲームは5-8とリードされたところから8-8まで追いついたが、最後まで流れを引き寄せることができずに日本のエースが男子シングルスメダル獲得への夢を断たれた。
■水谷隼インタビュー
「知らない相手で、自分がかなりビビってしまったというか、2ゲーム目を取られてから、だんだん相手のペースになってしまったように思います。思った以上に自分がイメージしているところにボールが飛んで行かなかったので、攻めなければいけないところで攻めれなかったりだとか、短いボールを送っているのにそれが出てしまって相手に攻められて点数を失ってしまうことが多かったので、自分が思ったところにコントロールできなかったのが大きな敗因かなと思います。緊張もあったと思いますし、この歓声の中(注・地元フランス選手の試合が行われていたため、轟くような大歓声が何度も何度も鳴り響いていた)、慣れない雰囲気の中で、うまく自分のコントロールに集中することができなかったです。
調子は非常によかったと思います。(好調だから不安はなかったかといえば、)不安は常につきまとうものですし、オリンピック以来の大きな大会だったので、最初は緊張しました。リードしていて逆転されることが多かったので、そのときに何本も連続でポイントを取られてしまって、立て直すことができませんでした。逆に相手が序盤にリードしてくれた方が、一気に点数を取って逆転してそのまま行けるような流れになったのかなと思います。
(荒々しいプレーを)最初はけっこうしていたと思うんですけど、逆転されてから入らなくなって、そこから自分を見失ってしまいました。
対戦したこともないし、見たこともない選手でした。試合前に映像を見ましたが。(実際に対戦してみて)自分がちょっと単調になりすぎました。相手はバックがうまいとわかっていたのでフォア前を中心に攻めていったのですけど、それがほとんどフォア前しか行かなくて、そこがよくなかったと思います。
前回ベスト8だったんですけど、メダルを取らなかったら前回のベスト8も今回の初戦負けも変わらないと思います。ダブルスはまだメダルのチャンスがあるので、気持ちを切り替えてがんばりたいと思います」
■倉嶋監督のコメント
「力のある選手なので、映像を見て準備しましたが、相手が思い切ってきて、隼(水谷)が受け身になった部分がありました。隼のプレー自体は悪くありませんでしたが、もっと積極的にやった方が調子が上がったかもしれません。消極的で、相手のミス待ちのような状態になってしまいました。
隼はラリー戦には自信を持っているので、消極的でもラリーで取れる自信はありましたが、ラリーになる前の段階で積極的に行けたら、変わっていたように思います。
男女ともエースが敗れてしまいましたが、明日からは切り替えて戦います」
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試合の詳細な記録は下記サイトをご覧ください。
国際卓球連盟 公式HP:http://www.ittf.com