前半で、相手のツブ高のツッツキの変化を読み切れずに、何本か連続でミスしてしまいました。それ以降は、相手のツッツキのボールに対して腕が縮こまって振れなくなってしまって、粘ってからスマッシュを打つという力攻めになってしまい、相手の術中にはまってしまいました。相手が前にいるうちにミドルに強打を打つなど、そういう工夫ができていませんでした。相手の強いところを避けよう、避けようというプレーになって、単調になってしまいましたね。相手の強みの部分を早い段階でつぶしてしまえば、もっと展開は変わったと思います。
オーソドックスな左利きの攻撃型である石川に対して、ツブ高のカット型は何を考えるか。左利き選手に対しては、ツブ高のカットの切れで点を取ろうとは考えません。ツブ高は、安定感と、それにプラスして、コースを突いたカットで相手を振り回すのに使います。ツブ高で振り回して、フォア側に来たボールに対して変化をつけて勝負する。これが、世界レベルにおける鉄則です。それを頭に入れておいた方がよいと思います。
ところが、相手のフォアカットに対して、石川は序盤にすっぽ抜けのようなオーバーミスを連発してしまいました。フォアのカットは変化をつけてくるので、それを見極めて先につぶしてしまえば、展開は変わっていたと思います。
それから、石川がフォア側に打ったボールに対して、相手は苦しまぎれにロングでつないできましたが、石川がそのボールをまったく狙っていけなかったことが残念です。バック側にブロックして、またカットのラリーに戻るという展開になっていたので、例えば、苦し紛れに返してくるロングをカウンターで狙い打っておけば、相手は「ロングで返したら狙われる」と思うので、相手の手を1つ封じることができます。そのように、相手の裏をかいていけなかったことで、相手の作戦にはまって悪循環になってしまいました。
渋谷浩平成11年度全日本チャンピオン
1997年世界選手権大会男子ダブルス銅メダリスト
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