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渋谷浩が見たパリ大会<7>健太、馬琳を撃破

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男子シングルス2回戦で松平健太は馬琳(中国)を倒しました。素晴らしい試合だったと思います。

馬琳と戦う上で大事なことは、まず打球点を落とさないこと、それからコース配分です。コース配分で相手の逆を突くことができれば、なおいい。しかし、1番重要なのは、最後までひるまずに攻め続けられるか、ということです。

試合内容は、馬琳が前にいるときに、健太が極力強打していた。馬琳がドライブをかけたときは、バック側に伸ばし気味に詰め、時期を見て、フォア側が空いたところへ持っていくというパターンでした。

2009年横浜大会のときの健太はブロックが多かったですが、今回は、馬琳のドライブに対してもっとスピードのあるライジングの(打球点の早い)バックハンドカウンターをストレートに打つことができました。それで、途中から馬琳は回り込むことができなくなりましたし、回り込んだとしてもイチカバチかの打ち方しかできなくて、いい循環で試合が回っていきました。とはいえ、健太の打球コースが少しでも甘くなったら、馬琳にはフットワークがありますから、そこは少し心配でしたが、健太は最後までいいコースにボールを集めましたね。少しでもコースが内側に入れば馬琳に持っていかれたでしょうが、最後までコースが甘くなることはありませんでした。

サービス・レシーブに関しても、健太のサービスでかなり崩すことができましたし、馬琳のサービスにはあまり崩されませんでした。そのため馬琳は動揺したのでしょう、途中でトスが真っすぐに上がらなくなっていたり、9対9といった競った場面でサービスをミスしたりしていました。メンタル面では、第1ゲームから動揺していたのでしょう、落ち着きなく視線をさまよわせていました。

健太にとって会心のゲームといえるでしょう。

 

渋谷浩
平成11年度全日本チャンピオン
1997年世界選手権大会男子ダブルス銅メダリスト



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試合の詳細な記録は下記サイトをご覧ください。
国際卓球連盟 公式HP:http://www.ittf.com
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