平成25年12月7~8日、平成25年度JTTLファイナル4が越谷市立総合体育館(埼玉)で開催され、前後期日本リーグの総合成績上位4チームが内閣総理大臣杯をかけて争った。
【男子】 東京アートが7連覇。10年連続で内閣総理大臣杯の偉業
男子決勝は7年連続で東京アートと協和発酵キリンの対決となった。これまでファイナル4は東京アートが6連覇を達成している。しかし、先日の後期日本リーグでは協和発酵キリンが勝利を収めて優勝を果たしている。
注目の1番は大矢対松平賢二が対戦。立ち上がり、動きが固い大矢を尻目に松平が豪快な両ハンドドライブで2ゲームを連取した。
このまま勝負が決するかと思われたが、ここから大矢が息を吹き返す。松平のドライブに対してバックハンドのカウンターをしっかりと決めて、第3・4ゲームを取り返す。
勝負が決まる最終ゲームは10対7と松平がマッチポイントを握るものの、好機で決めきれずジュースに突入。緊迫の接戦は大矢が20対18までもつれる攻防を制して東京アートが先取点を挙げた。
2番は張対下山のサウスポー対決。下山がフォアハンドを中心とした攻めで1ゲームを先取するが、第2ゲーム以降は張が下山の強打をしっかりとブロック。一気に3ゲームを連取して、早くも東京アートが優勝に王手をかけた。
ダブルスは張・高木和対松平・笠原。前日に行われた協和発酵キリンとの第1戦でダブルスを落とし、リベンジに燃える張・高木和ペアは、気合の入ったプレーを披露。高木和が「挑戦者の気持ちで臨めた」と話す通り、積極的に3球目から攻撃を仕掛けて得点を重ねた。激しいラリー戦の中、張・高木和が勝負所で得点を重ねて3対1で勝利収めた。
この結果、東京アートが3対0で協和発酵キリンを下して7年連続の優勝を飾った。後期日本リーグで協和発酵キリンに敗れ、5年連続のグランドスラム達成を阻まれたものの、砦のファイナル4でキッチリとリベンジを果たし、10年連続で内閣総理大臣杯を獲得した。
準決勝は協和発酵キリン対シチズン。
1番、軽部が小野との接戦を制して先行するが、2番で松平が御内をゲームオールジュースで振り切って1対1のタイに戻した。要のダブルスでは下山・松平のダブルスが森田・軽部ペアにフォアハンドドライブを中心とした攻めで競り勝って王手。4番は下山と久保田の主将同士の対決は、今大会に入ってフォアハンドドライブの走りがよい下山が攻撃の手を緩めることなく3対1で快勝。協和発酵キリンが7年連続での決勝進出を決めた。
1回戦は総合1位の東京アートvs総合2位の協和発酵キリン、総合3位のシチズン対総合4位の日鉄住金物流の試合が行われた。
東京アート対協和発酵キリンの1戦は、トップで張が松平をフルゲームで下すと、大矢が小野をストレートで圧倒。続くダブルスも張・高木和が2ゲームを連取するが、下山・松平に3ゲームを立て続けに取られて逆転負け。4番は塩野が下山のドライブを防ぎきれず、勝負はラストにもつれ込んだ。決勝行きがかかる5番は、高木和と笠原がゲームオールの熾烈な戦いとなるが、最後は高木和が制して東京アートが決勝進出を決めた。
シチズン対日鉄住金物流は、1番で日鉄住金物流の濱川がシチズン・久保田に快勝。しかし、2番でシチズン軽部が日鉄住金物流の森田にストレートで勝利すると、ダブルスも森田・軽部ペアが足立・濱川ペアを下してシチズンが逆転。すると4番はカットの御内が大事な場面でドライブ攻撃を織り交ぜて沼田を下し、準決勝に駒を進めた。
【女子】日本生命が2年ぶりに内閣総理大臣杯を奪取
女子決勝は前回優勝の日立化成と王座奪還を目指す日本生命が対戦。昨年と同じ顔合わせで内閣総理大臣杯が争われた。
日本生命はトップに今シーズン加入した徐潔を起用。対する日立化成も今年移籍した山梨が登場した。第1ゲームは徐潔がジュースの競り合いをものにして先取するが、第2・3ゲームは山梨のフォアハンドがさえわたって逆転。第4ゲームは互いに一歩も譲らずジュースに突入。後がない徐潔が丁寧なバックハンドで山梨の攻撃をしのいで、何とかゲームオールに持ち込んだ。最終ゲームも流れが行き来する展開で終盤までもつれたが、最後は徐潔が安定したドライブ攻撃で山梨を上回って勝利を収め、日本生命が先制。
2番は藤井優子対石川という高校の先輩・後輩対決。第1ゲームの序盤は藤井が石川のピッチの速い攻撃についていくが、終盤に入ると石川が威力のあるドライブで押し切って先行。すると第2ゲーム以降は石川が力強い両ハンドドライブを決めて完封勝利。ゲーム終盤の競り合う場面で石川の攻撃力が光り、日立化成が五分に戻した。
流れを左右するダブルスは、藤井寛子・若宮対石川・森薗という強豪同士の対決。両ペアともレシーブから積極的に攻める展開で得点を重ね、交互にゲームを取り合って1対1に。第3ゲームは藤井・若宮がラリーの中で巧みにコースを変えて揺さぶって、2対1とリードを奪う。第4ゲームは石川・森薗がフォアハンドドライブで藤井・若宮に迫ったが、勝負どころで藤井がバックハンドドライブを決めて、日本生命ペアが快勝。これで日本生命が王座奪還に王手をかけた。
4番は藤井寛子対市川が対戦。立ち上がりは市川はフォアハンドドライブを仕掛けるが、藤井の的確なブロックを打ち破れない。藤井は守りに加えて、回転量の多いバックハンドドライブで得点を重ねて一気に2ゲームを連取した。あとがなくなった市川は懸命のプレーで7対3とリードするが、藤井は落ち着いた攻守でしっかりと追い付いて、粘る市川を振り切った。結局藤井が市川をストレートで下し、日本生命が2年ぶりの優勝を決めた。
昨年、日本生命は18年ぶりの無冠の悔しさを味わったが、今季はファイナル4を含め4つのタイトル(前期リーグ、全日本実業団、全日本団体、JTTLファイナル4)を獲得。
来年の全日本選手権を最後に引退する藤井にとって、日本リーグで最後となったこの試合。そのラストを自らの手で締めくくり、再び日本生命に栄冠をもたらした。
準決勝はサンリツ対日立化成。
サンリツは1番で彭雪が山梨にストレートで勝利して幸先の良いスタートを切ったが、2番で重本が日立化成のゴールド選手・石川にストレートで敗れて1対1に。
ダブルスでは天野・中島と石川・森薗が対戦。勝敗を左右する重要な試合は石川・森薗が鋭い両ハンド攻撃で天野・中島の持ち味を封じて王手をかけた。
4番は阿部vs森薗。森薗は阿部の変化レシーブに戸惑うものの、強烈なフォアハンドドライブで得点を重ねて快勝し、チームを決勝に導いた。
1回戦は総合1位の日本生命と総合2位のサンリツ、総合3位の日立化成と総合4位の中国電力が対戦。
日本生命対サンリツの1番は、徐潔が天野にストレートで勝利。2番の藤井寛子は彭雪に1ゲームを先取されたが、そこから力強い攻撃で3ゲームを連取して3対1で強敵に勝利。ダブルスは藤井・若宮が後期に敗れた天野・中島ペアをシャットアウトして雪辱、この結果、日本生命が決勝進出を決めた。
準決勝進出をかけた日立化成対中国電力。1番で山梨が土田美佳を3対2で振り切ると、2番の石川は土井の積極的なフォアハンドドライブに苦戦しながらゲームオールジュースで競り勝った。ダブルスは石川・森薗が土井・土田に逆転勝ちを収めて、日立化成が決勝に駒を進めた。
詳細な記録は日本卓球リーグホームページに掲載されています
日本卓球リーグ:http//www.jttl.gr.jp/
今大会の模様は卓球レポート2月号に掲載予定です。
【男子】 東京アートが7連覇。10年連続で内閣総理大臣杯の偉業
東京アートが第1回から無傷の7年連続優勝を達成
男子決勝は7年連続で東京アートと協和発酵キリンの対決となった。これまでファイナル4は東京アートが6連覇を達成している。しかし、先日の後期日本リーグでは協和発酵キリンが勝利を収めて優勝を果たしている。
注目の1番は大矢対松平賢二が対戦。立ち上がり、動きが固い大矢を尻目に松平が豪快な両ハンドドライブで2ゲームを連取した。
このまま勝負が決するかと思われたが、ここから大矢が息を吹き返す。松平のドライブに対してバックハンドのカウンターをしっかりと決めて、第3・4ゲームを取り返す。
勝負が決まる最終ゲームは10対7と松平がマッチポイントを握るものの、好機で決めきれずジュースに突入。緊迫の接戦は大矢が20対18までもつれる攻防を制して東京アートが先取点を挙げた。
2番は張対下山のサウスポー対決。下山がフォアハンドを中心とした攻めで1ゲームを先取するが、第2ゲーム以降は張が下山の強打をしっかりとブロック。一気に3ゲームを連取して、早くも東京アートが優勝に王手をかけた。
ダブルスは張・高木和対松平・笠原。前日に行われた協和発酵キリンとの第1戦でダブルスを落とし、リベンジに燃える張・高木和ペアは、気合の入ったプレーを披露。高木和が「挑戦者の気持ちで臨めた」と話す通り、積極的に3球目から攻撃を仕掛けて得点を重ねた。激しいラリー戦の中、張・高木和が勝負所で得点を重ねて3対1で勝利収めた。
この結果、東京アートが3対0で協和発酵キリンを下して7年連続の優勝を飾った。後期日本リーグで協和発酵キリンに敗れ、5年連続のグランドスラム達成を阻まれたものの、砦のファイナル4でキッチリとリベンジを果たし、10年連続で内閣総理大臣杯を獲得した。
大矢は劣勢をはねのけて逆転勝ち
全勝の張は安定したバックハンドで勝利に貢献
準決勝は協和発酵キリン対シチズン。
1番、軽部が小野との接戦を制して先行するが、2番で松平が御内をゲームオールジュースで振り切って1対1のタイに戻した。要のダブルスでは下山・松平のダブルスが森田・軽部ペアにフォアハンドドライブを中心とした攻めで競り勝って王手。4番は下山と久保田の主将同士の対決は、今大会に入ってフォアハンドドライブの走りがよい下山が攻撃の手を緩めることなく3対1で快勝。協和発酵キリンが7年連続での決勝進出を決めた。
1回戦は総合1位の東京アートvs総合2位の協和発酵キリン、総合3位のシチズン対総合4位の日鉄住金物流の試合が行われた。
東京アート対協和発酵キリンの1戦は、トップで張が松平をフルゲームで下すと、大矢が小野をストレートで圧倒。続くダブルスも張・高木和が2ゲームを連取するが、下山・松平に3ゲームを立て続けに取られて逆転負け。4番は塩野が下山のドライブを防ぎきれず、勝負はラストにもつれ込んだ。決勝行きがかかる5番は、高木和と笠原がゲームオールの熾烈な戦いとなるが、最後は高木和が制して東京アートが決勝進出を決めた。
シチズン対日鉄住金物流は、1番で日鉄住金物流の濱川がシチズン・久保田に快勝。しかし、2番でシチズン軽部が日鉄住金物流の森田にストレートで勝利すると、ダブルスも森田・軽部ペアが足立・濱川ペアを下してシチズンが逆転。すると4番はカットの御内が大事な場面でドライブ攻撃を織り交ぜて沼田を下し、準決勝に駒を進めた。
協和発酵キリンは松平が攻めの姿勢で決勝進出の原動力に
シチズンのエース軽部はシングルス全勝
日鉄住金物流は濵川が豪快なフォアハンドで一矢報いた
【女子】日本生命が2年ぶりに内閣総理大臣杯を奪取
日本生命が2年ぶりに内閣総理大臣杯を獲得!
女子決勝は前回優勝の日立化成と王座奪還を目指す日本生命が対戦。昨年と同じ顔合わせで内閣総理大臣杯が争われた。
日本生命はトップに今シーズン加入した徐潔を起用。対する日立化成も今年移籍した山梨が登場した。第1ゲームは徐潔がジュースの競り合いをものにして先取するが、第2・3ゲームは山梨のフォアハンドがさえわたって逆転。第4ゲームは互いに一歩も譲らずジュースに突入。後がない徐潔が丁寧なバックハンドで山梨の攻撃をしのいで、何とかゲームオールに持ち込んだ。最終ゲームも流れが行き来する展開で終盤までもつれたが、最後は徐潔が安定したドライブ攻撃で山梨を上回って勝利を収め、日本生命が先制。
2番は藤井優子対石川という高校の先輩・後輩対決。第1ゲームの序盤は藤井が石川のピッチの速い攻撃についていくが、終盤に入ると石川が威力のあるドライブで押し切って先行。すると第2ゲーム以降は石川が力強い両ハンドドライブを決めて完封勝利。ゲーム終盤の競り合う場面で石川の攻撃力が光り、日立化成が五分に戻した。
流れを左右するダブルスは、藤井寛子・若宮対石川・森薗という強豪同士の対決。両ペアともレシーブから積極的に攻める展開で得点を重ね、交互にゲームを取り合って1対1に。第3ゲームは藤井・若宮がラリーの中で巧みにコースを変えて揺さぶって、2対1とリードを奪う。第4ゲームは石川・森薗がフォアハンドドライブで藤井・若宮に迫ったが、勝負どころで藤井がバックハンドドライブを決めて、日本生命ペアが快勝。これで日本生命が王座奪還に王手をかけた。
4番は藤井寛子対市川が対戦。立ち上がりは市川はフォアハンドドライブを仕掛けるが、藤井の的確なブロックを打ち破れない。藤井は守りに加えて、回転量の多いバックハンドドライブで得点を重ねて一気に2ゲームを連取した。あとがなくなった市川は懸命のプレーで7対3とリードするが、藤井は落ち着いた攻守でしっかりと追い付いて、粘る市川を振り切った。結局藤井が市川をストレートで下し、日本生命が2年ぶりの優勝を決めた。
昨年、日本生命は18年ぶりの無冠の悔しさを味わったが、今季はファイナル4を含め4つのタイトル(前期リーグ、全日本実業団、全日本団体、JTTLファイナル4)を獲得。
来年の全日本選手権を最後に引退する藤井にとって、日本リーグで最後となったこの試合。そのラストを自らの手で締めくくり、再び日本生命に栄冠をもたらした。
藤井・若宮が落ち着いた試合運びで接戦を制す
日本生命の大黒柱・藤井寛子が最後の日本リーグを勝利で飾った
準決勝はサンリツ対日立化成。
サンリツは1番で彭雪が山梨にストレートで勝利して幸先の良いスタートを切ったが、2番で重本が日立化成のゴールド選手・石川にストレートで敗れて1対1に。
ダブルスでは天野・中島と石川・森薗が対戦。勝敗を左右する重要な試合は石川・森薗が鋭い両ハンド攻撃で天野・中島の持ち味を封じて王手をかけた。
4番は阿部vs森薗。森薗は阿部の変化レシーブに戸惑うものの、強烈なフォアハンドドライブで得点を重ねて快勝し、チームを決勝に導いた。
1回戦は総合1位の日本生命と総合2位のサンリツ、総合3位の日立化成と総合4位の中国電力が対戦。
日本生命対サンリツの1番は、徐潔が天野にストレートで勝利。2番の藤井寛子は彭雪に1ゲームを先取されたが、そこから力強い攻撃で3ゲームを連取して3対1で強敵に勝利。ダブルスは藤井・若宮が後期に敗れた天野・中島ペアをシャットアウトして雪辱、この結果、日本生命が決勝進出を決めた。
準決勝進出をかけた日立化成対中国電力。1番で山梨が土田美佳を3対2で振り切ると、2番の石川は土井の積極的なフォアハンドドライブに苦戦しながらゲームオールジュースで競り勝った。ダブルスは石川・森薗が土井・土田に逆転勝ちを収めて、日立化成が決勝に駒を進めた。
日立化成の石川はサンリツ戦で単複2勝を挙げた
サンリツ・彭雪は日立化成から星を奪った
中国電力の土井が石川にあと一歩及ばず
詳細な記録は日本卓球リーグホームページに掲載されています
日本卓球リーグ:http//www.jttl.gr.jp/
今大会の模様は卓球レポート2月号に掲載予定です。