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元王者が全日本を語る「渋谷浩の眼」 ②今年は男女とも混戦必至

今日から1月19日まで開催される全日本選手権大会(東京体育館)。稀に見る混戦が予想される今大会の男女シングルス、ジュニア男女シングルスの展望を平成11年度全日本選手権チャンピオンの渋谷浩が語った。

<男子シングルス>丹羽、水谷らを中心とした優勝争いも混戦必至
20140110-02.jpg男子は丹羽孝希(明治大)や水谷隼(DIOジャパン)ら世界で活躍する選手たちに加え、昨年のITTFワールドツアーで2勝を挙げた塩野真人(東京アート)など新たな選手の台頭で例年にない混戦が予想されます。
第1ブロックは前年度優勝の丹羽を軸に展開されるでしょう。丹羽はドイツ・ブンデスリーガで開幕15連勝と安定した強さを見せ、今年度も優勝候補の筆頭です。その丹羽との対戦が予想されるのは松平賢二(協和発酵キリン)と塩野です。松平賢二は5年連続でベスト8に進出しているだけに準々決勝進出の可能性も高いでしょう。一方、塩野はランク決定戦で同じカット主戦型の村松雄斗(JOCエリートアカデミー/帝京)と対戦する可能性がありますがカット主戦型との相性がよくないだけに1つの山場となるでしょう。
第2ブロックは岸川聖也(ファースト)、大矢英俊(東京アート)がベスト4をかけて争うことが予想されます。岸川は経験豊富で戦い方を熟知しているだけに自分の強みを生かしたプレーができるかが優勝するためのポイントになります。 昨年度ベスト4で世界卓球2014東京の選考会でも好成績を残した大矢も優勝する力はありますが、ベスト8決定戦であたる可能性がある吉田海偉(DIOジャパン)もまだまだ優勝の目はあるでしょう。
第3ブロックは松平健太(早稲田大)がベスト4進出の可能性が高いです。昨年は世界選手権パリ大会男子シングルスでベスト8に入るなどに丹羽、水谷に迫る存在になりました。それだけ初優勝のチャンスは十分にあります。その松平健太との相性がよい高木和卓(東京アート)にも注目です。ベスト4以上に食い込むことも予想されます。
第4ブロックは水谷が頭一つ抜けています。昨年度は一昨年のリベンジをしようという思いが強く固くなってしまった部分もありましたが、今大会はそのような力みもなくよい状態で臨むことができるのではないでしょうか。水谷に対抗する選手としては張一博(東京アート)が挙げられます。張は有延大夢(明治大)とのランク決定戦が大きなポイントとなるでしょう。
また、今大会一般の部最年少、小学6年生の宇田幸矢(Meiji.c.s.c)も注目を浴びる1人です。全日本一般の部という大舞台でも自分の力を発揮することに期待です。

<女子シングルス>福原、石川、平野、藤井の優勝争いと中学生世代の急成長
20140110-01.jpg女子は福原愛(ANA)、石川佳純(全農)、平野早矢香(ミキハウス)、藤井寛子(日本生命)が優勝争いの筆頭といえます。
第1ブロックでは昨年連覇を達成した福原が一歩リードといったところでしょうか。一昨年までは全日本のタイトルを早くとらなければいけないという焦りもあったと思いますが、今年度は昨年に続いて落ち着いた状態で試合に臨むことができるのではないでしょうか。また、加藤美優(JOCエリートアカデミー)と平野美宇(JOCエリートアカデミー)の中学生2人にも注目です。2人ともすでにランク入りできる力を持っているだけに、上位進出も予想されます。
第2ブロックは藤井、平野がベスト4進出に最も近いでしょう。2人は勝ち進むとベスト8決定戦であたります。藤井は最後の全日本ということもあり思い入れは強く、日本リーグなどでも好成績を残しており、優勝を十分に狙えるでしょう。平野は全日本選手権3連覇するなど経験値が高く、勝つために何をすべきかを知っているのでハイレベルなラリーを繰り広げる二人の戦いが実現すれば見応えのある試合となるでしょう。このブロックでは中学生の伊藤美誠(スターツSC)にも注目です。現時点でランクに入れる実力を持ち、森さくら(昇陽高)や小野思保(日立化成)など昨年度ランク入りした選手に勝利することができればベスト8進出も夢ではありません。
第3ブロックはシード選手によるし烈なベスト4争いが予想されます。昨年、準決勝で石川とゲームオールの接戦の末敗れた松澤茉里奈(淑徳大)が中心となるでしょうが、その他にも若宮三紗子や石垣優香(ともに日本生命)といった日本リーグの実力者がいるだけにシード選手による激しいベスト4争いが展開されるでしょう。
第4ブロックは石川がベスト4進出に最も近いでしょう。このブロックには加藤らと同じ中学生の浜本由惟(JOCエリートアカデミー)がいます。勝ち進むとランク決定戦で福岡春菜(中国電力)との戦いが予想され、浜本にとって大きな山場となるでしょう。


<ジュニア男子シングルス>シード選手を軸とした争い
一昨年の丹羽のように群を抜いて強い選手はいませんが、高いレベルで競い合うことが予想されます。その中でも昨年ジュニアの部2位の三部航平(青森山田高)、村松、酒井明日翔(JOCエリートアカデミー/帝京)、及川瑞基(青森山田高)、吉村和弘(野田学園高)、渡辺裕介(明徳義塾高)、松下大星(愛工大明電高)らが優勝候補ではないでしょうか。誰が優勝するのか予想が難しいですが、酒井が爆発力を発揮することができれば優勝に大きく近づくのではないでしょうか。シード選手を軸とした優勝争いに注目です。

<ジュニア女子シングルス>一般でも活躍が予想される選手によるハイレベルな戦い
ジュニア男子同様、レベルの高い試合が展開され、一般の部でも名前を挙げた加藤、平野、伊藤、浜本らが優勝争いの軸となるでしょう。一般でランク入りが期待される選手が多いこともあり、例年以上にレベルが高いです。このほかにも、森や前田美優(希望が丘高)、佐藤瞳(札幌大谷高)といった強豪校でプレーする選手たちにも優勝の可能性があり、実力者同士の対決は非常に見応えがあると思います。ジュニア世代では一般ほど駆け引きはなく、例年、技術力の高い選手が頂点に登り詰めます。若い世代の真っ向勝負は白熱した試合展開を生むでしょう。

記録・タイムテーブル等の情報は日本卓球協会ホームページに掲載されています。
日本卓球協会:http:/www.jtta.or.jp
各種目の組み合わせ(PDFが開きます)
男子シングルス
  女子シングルス
男子ダブルス  女子ダブルス
混合ダブルス
ジュニア男子    ジュニア女子

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全日本選手権大会の特集は卓球レポート3月号(2月20日発売号)に掲載します。

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