■男子団体グループリーグ 日本対フランス
トップの丹羽は順調な滑り出しでフロールから2ゲームを連取しましたが、第3ゲームの出足でリードされたことで、色々なことを考えすぎて、リズムを崩してしまいました。そうした精神的な部分が大きく影響して、第3、4ゲームは攻撃をしても置きにいくようなボールが目立ちました。そのボールを強打される形が続き、結果的にフロールを勢いづかせてしまいましたが、最後は開き直ったことで難しい状況を打破しました。
2番の水谷は日本にいないタイプとの対戦だったため、非常にやりづらさを感じていました。特にバック側のボールを回り込んでフォアハンド強打するプレーには、水谷も相当気を使ったと思います。懐かしい話になりますが、フランスのガシアンがつまりながらも強いボールを打っていたことを思い出させるような攻撃でした。
とても脅威になる攻撃でしたが、水谷はフォアハンドの強打を打たせないためにも、フォアに短く、バックに深く返球し、バックハンドを使わせる戦術で押し切りました。
フォア側にボールを集めることも1つの手段だったとは思いますが、スタンスも非常に特殊でフォア側にスペースが空かず、早い打球点で攻撃されました。ゲーム全体を通して、非常に特殊なプレーをする相手に苦戦はしましたが、最後はエースとして、勝ちきってくれました。
3番の松平対ゴズィはゲームオールにこそなりましたが、安心して見ていられる試合でした、特に戦術が緻密で、台上のボールをストップしてからの展開が際立っていました。2対0で回ってきたということもあり、精神的にも余裕を持って臨めたと思います。松平の場合は相手選手とのタイミングが合うかどうかが自身のプレーに大きく影響します。昨日までの2人の対戦相手は比較的早い打球点で攻撃を仕掛けてくるタイプだったのですが、今日のような打球タイミングの遅い相手に対して、松平の本来の持ち味を発揮することができました。
各選手ともゲームオールにもつれる接戦となりましたが、これまで培ってきた努力や会場の熱い声援が選手を後押しして、厳しい戦いを制することができたと思います。
渋谷浩
平成11年度全日本チャンピオン
1997年世界選手権大会男子ダブルス銅メダリスト
今大会の模様は卓球レポート6月号(5月20日発売)・7月号(6月20日)に掲載
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JA全農2014年世界卓球団体選手権東京大会/公式サイト:http://www.2014wtttc.com
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