■女子団体グループリーグ 日本対中華台北
トップの石垣は、安定感のあるプレーで試合の主導権を握り続けました。対戦相手の黄怡華は元々カットに対しての回転の見極めが苦手で、ツッツキをしたら攻撃をされる、カットを打つとミスにつながるという悪循環に陥り、石垣のプレーに対応することができませんでした。石垣としては昨日に続いて何をしても得点のできる状態が続き、快勝しました。
2番の石川は自身の持ち味である打球点の早いバックハンドドライブを両コーナーに打ち分けて、チャンスを作り出す形で得点を重ねました。試合は競り合いになる場面が多かったのですが、石川は前腕だけを使った打球点の高いフォアハンドドライブを要所で決めて、石垣に引き続き、よい流れをつくりました。
一昨年まではフォアハンドドライブの打球点の遅さという弱点がありましたが、現在は前腕だけで打球点を前にしてボールをとらえることができるようにあり、石川の大きな武器となっています。
3番の平野は陳思羽に対してしっかりと対策を立て、逆転勝利でチームの勝利を決めました。
第1ゲームはエンジンがかかりきらず、先取されましたが、第2ゲーム以降はスムーズなプレーで、動きも軽快でした。フォアハンド強打で攻める場面も多く見られ、相手をプレーでも気持ちの面でも上回っていたと思います。フットワークを使い、とてもリズムよくプレーをしていたことが、勝利につながったと思います。
チームとしてさまざまな情報を集めることや戦略を練るなど前もって準備ができたことが4戦全勝という結果の大きな要因でしょう。どの試合で誰が出場するということも決まっていると村上監督が語っていましたが、選手にとってはどこで出場するのかがはっきりしていることで試合までに自身のコンディションのピークを持っていきやすくなります。
万全の準備を期すために直前までオーダーを伝えないという方法もあります。しかし、これだけさまざまな情報が発達している現代においては、事前の対策ができないことはもったいないと思います。今回の日本女子代表のように準備を前もって対策することは大切です。
明日は格下となるオーストラリアとの対戦ですが、リズムを崩さないように、より気を引き締めて試合に臨むことが大切です。
渋谷浩
平成11年度全日本チャンピオン
1997年世界選手権大会男子ダブルス銅メダリスト
今大会の模様は卓球レポート6月号(5月20日発売)・7月号(6月20日)に掲載
公益財団法人日本卓球協会:http://www.jtta.or.jp
JA全農2014年世界卓球団体選手権東京大会/公式サイト:http://www.2014wtttc.com
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