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元日本代表が世界卓球を語る「梅村礼の眼」④

世界卓球2016クアラルンプールでは、全日本チャンピオンの座に2度輝き、日本代表としても活躍した梅村礼がその鋭い目で見た世界卓球を語る。ここでは日本男子の2戦目となるシンガポール戦について話を聞いた。


ayazo.jpg シンガポール戦は昨日の試合の中でエースのガオ・ニン選手が負傷していたこともあり、日本もエースの水谷選手を温存するオーダーとなりました。1番の丹羽選手が2点を取るという計算で世界卓球の団体戦の経験が浅い大島、吉村の両選手を使ったと思いますが、1番の丹羽選手は、昨日のベラルーシ戦で簡単に勝ちすぎてしまったために、昨日の試合があまり生きていなかったように感じました。丹羽選手は自分の攻撃が入ればポイント、入らなければ失点というようなプレースタイルなので、少し淡白な試合展開になってしまったと思います。
 チームとしては1番でいい流れをつくって、今大会初出場の吉村選手や大島選手らの調子を上げていくという意図もあるオーダーだったと思うので、1番での勝利は欲しかったと思います。この部分については倉嶋監督としても想定外だったと思います。団体戦は自分自身の試合はもちろん大事ですが、2番手、3番手が乗ってくるような試合運びをしていく必要もあると感じました。

 2番の大島選手は厳しい流れでしたが、自分のやるべきことはやっていたと思います。ラリー戦で固くなってしまう部分も見受けられましたが、勝利を収めました。試合を見ていて感じたのは、大島選手に限ったことではないですが、全体的にサービスミスやレシーブの甘さが目立っていることです。甘いレシーブから攻められたりという部分が見られたので、調整していくことが必要です。

 3番の吉村選手は今大会の初戦ということもあり、固さは見られました。大島選手と同様にサービスミスやレシーブのわずかな甘さがあり、波に乗り切れていない部分もあるかなと感じました。しかし、4ゲーム目ではサービスから3球目で良い展開をつくっていたりしたので、やはり、このあとの調整というのが必要になってくると思います。

 4番の丹羽選手とヤン・ズィ選手の一戦は両者ともにサービスが出たところを、しっかりと(ドライブで)かけて、そのボールに対してカウンターを狙うという形の試合展開でした。そのカウンターが入るかどうか、そしてカウンターを止めることができるかどうかというところが勝負の分かれ目になったと思います。

 次戦のポーランド戦は、対戦相手に若手選手が多く、シンガポール以上に思い切りの良いプレーをしてくると思います。勝利のためにはそうなったときに受けに回らずに個人戦のように自分のプレーや役割を徹底しないとダメだと思います。1人が受け身になると、全体が受け身に回ってしまうという傾向もあるので、個人が自分の仕事をしっかりするという意識で試合に臨んだほうがいいと思います。また、ベンチの盛り上げも勝敗を左右する一つの要因です。戦況が悪いときにベンチが沈むのではなく、選手を勇気立たせるようなベンチワークが大切です。


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今大会の模様は卓球レポート4月号(3月20日発売)に掲載

公益財団法人日本卓球協会:http://www.jtta.or.jp
世界卓球2016クアラルンプール/公式サイト(英語):http://www.perfectwttc2016.com.my/
国際卓球連盟(ITTF)世界卓球2016クアラルンプール(英語):
http://www.ittf.com/competitions/competitions2.asp?Competition_ID=2587&category=WTTC

 

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