世界卓球2016クアラルンプール(2月28日~3月6日)大会2日目は10時(日本時間11時)からの試合に日本男子が登場。初戦でチェコをストレートで破った日本男子はシンガポールと対戦した。1番の丹羽が敗れる波乱があるなど、各試合ともに緊張感のある激闘の連続が続いたが、勝負どころを締めて3対1で勝利を収めた。
<男子団体第1ステージ>
日本 3-0 シンガポール
丹羽 -4,2,-8,2,-8 パン
○大島 7, -12,-10,8,4 ヤン・ズィ
○吉村 -9,12,4,-6,9 チュウ・ツェユ
○丹羽 -8,8,7,-7,3 ヤン・ズィ
大島 ー パン
大会初日のベラルーシ戦で快勝した日本男子。2日目の予選リーグ第2試合ではシンガポールと対戦した。
1番は丹羽対パンの一戦。パンは世界ランキング334位のサウスポー。2013年のアジア選手権大会で対戦した際は丹羽が3対0で勝利を収めていたが、第1ゲームからリードをしたのはパン。丹羽のサービスをレシーブからバックハンドで強打するなど、常に先手を奪い、11-4で先制。
続く、第2ゲームは丹羽がパンのフォアサイドを打ち抜くなど、両コーナーを的確に突いたプレーで11-2でゲームを奪取した。
第3ゲームも丹羽がリードをする展開が続いたが、7-4と丹羽がリードしたところでシンガポールベンチがタイムアウト。ここから、流れが大きく変わり、パンに5連続得点を許すなど、8-11でゲームを奪われた。
追いつめられた丹羽、第4ゲームは自身のサービスからチャンスをつくり出して、ゲームスコアを2対2に戻した。
両者譲らぬ展開で迎えた最終ゲームは丹羽が中盤までリードする展開が続いたが、終盤はパンの思い切りの良い攻撃にリズムを崩され、まさかの敗戦を喫した。
厳しいスタートとなった日本は2番で大島が登場。ヤン・ズィと対戦した大島は序盤から気迫のこもったプレーでゲームの主導権を握り、第1ゲームを先取した。
続く、第2ゲームも流れに乗りたいところだったが、左利きのヤン・ズィのサービスに苦しみ、ゲームの行方はジュースに持ち越された。12-12となったところで日本ベンチがタイムアウトをとったが、その後のプレーでヤン・ズィにゲームポイントを握られると、最後は大島がヤン・ズィのサービスをレシーブミス。ゲームカウントは1対1になった。
迎えた第3ゲームは互いのサービスからの展開で得点を重ね、第2ゲームに続いてジュースにもつれた。このゲームを奪ってリードをしたい大島だったが、10-10の場面でサービスミス。これでヤン・ズィに流れが傾き、10-12でこのゲームを奪われた。
後がなくなった大島だが、第4ゲームから、ヤン・ズィのサービスに対応し始める。レシーブから積極的なフォアハンドで得点を重ねるなど、11-8で最終ゲームへと望みをつないだ。
第4ゲームを奪い勢いに乗った大島は第5ゲームは持ち味の強靭なフットワークを生かしたフォアハンドドライブで得点を挙げるなど、11-4で勝利。苦しみながらも、勝利を収め、ゲームスコアを1対1に戻した。
3番は今大会初出場の吉村とチュウ・ツェユが対戦。序盤から少し固さが見られる吉村。チェウ・ツェユのワイドへの攻撃に苦しみ、第1ゲームを落とした。
続く第2ゲームはミドルをうまく突いたチュウ・ツェユの攻撃に苦戦しながらも粘り強く戦った吉村。ジュースに突入後は相手にゲームポイントを握られながらも、14-12でゲームをタイに戻した。
第3ゲーム、吉村は相手のコースを突いた攻撃にも対応し始め、11-4でゲームを奪取。勝利に王手をかけた。
一気に勝負を決めたい吉村だったが、第4ゲームは中盤でサービスミスをするなど精彩を欠き、1、2番に続いて試合はフルゲームへと突入した。
チームの勝敗を大きく左右する最終ゲーム、吉村はサービスからの展開で着実にリードをすると、最後はチュウ・ツェユの粘りにあいながらも11-9で勝利を収めた。
2勝目に王手をかけた日本は4番で丹羽がヤン・ズィと対戦。先ほどに続いて左利きとの対戦となった丹羽は、ラリー戦でヤン・ズィに打ち負けて第1ゲームを奪われた。
続く第2ゲームも中盤までリードされる展開が続いたが、粘りのあるプレーで逆転した丹羽。第3ゲームもヤン・ズィの強烈なフォアハンドをカウンターするなど、相手の攻勢をうまく利用したプレーで2ゲームを連取した。
続く第4ゲームで勝負を決したい丹羽だったが、ラリー戦でミスが目立ち、ゲームスコアは2対2に。日本の2勝目がかかった最終ゲームは丹羽が序盤からスタートダッシュ。試合全体を通して苦しみ続けたが3対2で勝利を収め、日本男子は2勝目を挙げた。
日本男子はこのあと、19時30分からポーランドと対戦する。
■倉嶋監督のコメント
そんなに簡単にはいかないとは思っていましたが、ここまで競るとは思っていませんでした。昨日簡単に勝ちすぎて、まだ、みんなのスイッチが入っていないという感じもありました。各選手ともに出足が悪く、ポロポロとミスもあったので、そのあたりの部分をしっかりと抑えていかないと足下をすくわれかねないと思います。
丹羽選手については、まだ向かっていく気持ちが薄く、アグレッシブにいけていない部分もあると思います。まだリズムに乗り切れていないかなという感じです。
水谷選手を出す予定でしたが、シンガポールのエースのガオ・ニン選手が昨日けがをして出場しないということだったので、それであれば丹羽、大島、吉村の3人でいこうと思いました。オーダー的に拍子抜けしてしまい、気持ちの持っていき方が難しい部分もあったと思いますが、この試合で学ぶことがあったと思うので、次の試合からは本来のプレーができるようにしたいですね。
■丹羽選手のコメント
今日も昨日と同じでエースのガオ・ニン選手が出ないということで、午前中にオーダーが変わり、想定していない選手とあたりました。その選手のサーブレシーブが最後までわからなくて、自分のリズムで戦えなかったのが(1試合目で敗れた)敗因だと思います。
(4番では)これまで団体戦で一度負けてもう一度試合に臨むという経験がなかったため、気持ちとしては開き直ることができませんでした。相手は左利きの選手で展開も1試合目と同じだったので、負けるかなと思ったのですが、最後は勝つことができました。正直、今の試合はなんで勝てたのかもよくわかっていなくて、自分のプレーができず、足が動かず、連打できていなかったので、次の試合からいいプレーができるように調整したいです。
■大島選手のコメント
ヤン・ズィ選手はベテランでサービスだったり小技のある選手だなと思って試合に入りましたが、サービスに対してのレシーブができず苦しい展開になったという感じでした。4ゲーム目からは相手のサービスがハーフロングで出ているのが多いということで、チキータでいくと対応できないと思ったので、フォアハンドのレシーブに切り替えてプレーでしました。それが戦術的によかったので、今後につながる部分と思います。3ゲーム目を落としたときはあとがなく、苦しい状況でしたが、ここで負けると吉村選手に0対2で回すことになってしまうので、なんとか1対1にして回したいと思ってプレーしました。
■吉村選手のコメント
世界卓球で緊張しないということはないとあらためて感じました。1対1で回ってきましたが、前回ドルトムント大会で出場したときも1対1でまわってきて負けて、同じ形で回ってきたのが(自分にとっての)使命だと思って、いろいろと考えすぎてしまいました。4年前の敗戦から自分がどのように成長しているのかなということを考えていたら、負けたくないというメンタル的にナーバスなところが出てきて、非常に苦しい試合になりました。しかし、最後の最後で勝つためには(何をすればよいか)という考えに切り替えられたのが勝因につながったと思います。
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今大会の模様は卓球レポート4月号(3月20日発売)に掲載
公益財団法人日本卓球協会:http://www.jtta.or.jp
世界卓球2016クアラルンプール/公式サイト(英語):http://www.perfectwttc2016.com.my/
国際卓球連盟(ITTF)世界卓球2016クアラルンプール(英語):
http://www.ittf.com/competitions/competitions2.asp?Competition_ID=2587&category=WTTC