世界卓球2016クアラルンプール(2月28日~3月6日)大会最終日は男女決勝トーナメント決勝が行われる。16時30分(日本時間17時30分)からは女子決勝の日本対中国が行われ、中国が3対0で勝利。3大会連続20回目の優勝を果たした。敗れた日本は迫る場面もあったが勝利にはいたらず。2014年東京大会に続く2位となった。
<女子決勝トーナメント決勝>
中国 3−0 日本
○劉詩雯 5,6,8 福原
○李暁霞 -6,-7,9,3,5 石川
○丁寧 -8,7,8,1 伊藤
李暁霞 ー 福原
劉詩雯 ー 石川
2014年大会に続く日本対中国の決勝。中国は3大会連続20回目の優勝を狙う。中国に対して日本は福原、石川を2点起用。3番に伊藤を起用した。
会場には試合開始前から中国の応援団がコートを囲むように観客席に陣取った。応援団の多くは今大会でスポンサーを努める中国の企業、「完美」が組んだバスツアーで会場に来た。中国の応援団は試合前からヒートアップし、試合開始前から「加油(日本語でがんばれの意)」の大合唱で中国チームに声援を送った。
そんな中で行われた1番の福原対劉詩雯は劉詩雯の6連続得点で幕を開けた。福原は劣勢から反撃するも序盤のビハインドを巻き返せず。5-11で先制された。
第2ゲームも会場の歓声が止まない中、劉詩雯が序盤からエンジン全開。ラリーを制すと、拳を高く突き上げるなど会場の声援に応えるように得点を積み重ねる。福原はこの状況を打破したいが、ミドルに厳しいボールを集める劉詩雯にリードを奪うことができずに2ゲームを連取された。
第3ゲーム、福原は劉詩雯の打球点の早い攻撃に対して、必死で食らいつく。福原のフォア側を突いた攻撃に対しては体勢を崩しながらもフォアハンド強打で得点と意地を見せた。しかし、最後は劉詩雯の長いサービスからのラリー戦を制すことができず敗戦を喫した。
苦しい立ち上がりとなった日本は2番で石川が登場。李暁霞と対戦した。序盤、石川は李暁霞のフォア前とバック深くにボールを集めてゲームをリード。李暁霞の得意なラリー戦に持ち込ませず第1ゲームを先取した。
続く第2ゲームも石川がゲームの主導権を握る。中盤までは一進一退の展開となったが、厳しいストップからチャンスをつくり出すと強打を確実に決めた石川が2ゲームを連取。中盤、ストップに対する強打にミスもあったが、すぐに修正して得点を重ねた。
第3ゲーム、ここまで得意のラリー戦を封じ込まれている李暁霞は上回転系のサービスからラリーを展開し、少しずつ流れをつかみ始めたが、それでも石川がラリーで粘り強く戦い8-7とリード。ここで中国はタイムアウト。しかし、石川はリードを許さず。打球点の早い攻撃をバック側に集めた攻撃で9-8とする。9-9で迎えた石川のサービス。李暁霞のレシーブがエッジインして9-10となる。不運な失点でゲームポイントをつかまれた石川は、続くラリーでバック側のボールに回り込んでフォアハンドドライブを仕掛けるも李暁霞が石川の空いたフォア側にブロックして得点。第3ゲームを奪われた。
これで息を吹き返した李暁霞は第4ゲームもラリーで主導権を握り石川をリード。対応したい石川だが、相手のサービスの展開で得点を奪われる形が続き、3-11で落とした。
迎えた最終ゲームは中盤まで互いに譲らない攻防を続けたが、5-5から石川がバック側のボールに対してバックハンドをミス。5-6からのラリーで打ち負けると天を仰ぎ、悔しさを見せた。その後はレシーブにミスがでるなど、6連続得点を奪われて5-11で敗戦。第1、第2ゲームで李暁霞の強打に対応した石川だったが、第3ゲーム以降、息を吹き返した李暁霞の猛追を防ぐことができず、惜しくも敗れた。
3番は伊藤対丁寧の対戦。伊藤は2-2から連続得点を挙げるなど丁寧をリードした。丁寧のフォア側を突いて体勢を崩す形が最後まで効果的に決まり、11-8で第1ゲームを手にした。9-8の場面では日本がタイムアウトをとり、その後のサービスで丁寧のレシーブミスを誘った。
第2ゲームもリードをしたい伊藤だったが、中盤でフォアハンド強打にミスが出てリードを許した。丁寧は第1ゲームに比べ、緩急をつけたドライブを打ち分けて伊藤を崩し、このゲームを取り返した。
第3ゲームは伊藤が4-1とリードを広げるも、回転量の多い丁寧のドライブに苦しんで逆転される。伊藤は左右への揺さぶりで丁寧を追い込むもブロックにミスが出て8-11でゲームを落とす。
中国が勝利に王手をかけると、場内の中国に声援を送る大応援団がさらにヒートアップ。丁寧に向けた「加油」コールが鳴り響いた。
迎えた第4ゲーム。丁寧は声援を力にスタートダッシュをかける。7連続得点で伊藤をリードした。対する伊藤は状況を変えることができず。伊藤の強打がオーバーミスをして勝利を決めると丁寧はガッツポーズで観客の大歓声に応え、3大会連続20回目の優勝を喜んだ。表彰式で中国の国歌、義勇軍行進曲が流れると、会場の中国の大応援団も大合唱。中国が異国の地マレーシアでの大声援に応えて栄冠を手にした。
日本は2014年に続いて決勝で中国と対戦するも及ばず。しかし、朝鮮民主主義人民共和国との死闘を制すなど2大会連続で決勝に進んだことは収穫だといえる。8月のリオオリンピックに向けて日本女子のさらなる進化に注目したい。
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今大会の模様は卓球レポート4月号(3月20日発売)に掲載
公益財団法人日本卓球協会:http://www.jtta.or.jp
世界卓球2016クアラルンプール/公式サイト(英語):http://www.perfectwttc2016.com.my/
国際卓球連盟(ITTF)世界卓球2016クアラルンプール(英語):
http://www.ittf.com/competitions/competitions2.asp?Competition_ID=2587&category=WTTC