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世界卓球2016クアラルンプール最終日 【男子決勝】中国が8連覇達成。日本は銀メダル

世界卓球2016クアラルンプール(2月28日~3月6日)大会最終日は男女決勝トーナメント決勝が行われた。19時30分(日本時間20時30分)からは男子決勝の日本対中国が行われ、中国が3対0で勝利を収めた。中国は2001年大阪大会から続く連覇の記録を8に伸ばした。一方の日本は敗れたものの39年ぶりの銀メダルを獲得。エース水谷を軸に若手選手が融合し、日本の歴史を再び動かし始めた。


圧倒的な力を見せた中国が8連覇を達成

厳しいプレーの連続で水谷に勝利した許昕

水谷は積極的に先に仕掛けるも許昕のカウンターに苦しんだ

隙のないプレーで勝利し、観客の声援に応える馬龍

吉村はフォアハンド決める場面もあったが、馬龍を崩せず

張継科が気迫のプレーで大島の挑戦を退ける

大島は1ゲームを先取し、張継科に迫った

<男子決勝トーナメント決勝>
 中国 3−0 日本
○許昕 6,8,8 水谷
○馬龍 3,8,6 吉村
○張継科 -9,8,6,7 大島
 馬龍 ー 水谷
 許昕 ー 吉村

準決勝のイングランド戦に勝利した日本は世界卓球の決勝の舞台で39年ぶりに中国と対戦した。倉嶋監督が「最終関門」と話した王者との一戦は準決勝と同じく水谷、吉村を2点起用し、大島を3番に配置するオーダーで臨んだ。対する中国は許昕、馬龍を2点起用。3番に張継科を置いた。

女子の決勝に続いて観客席には大応援団が中国を後押しする。ほかの大会では見たことのない異様な雰囲気で試合が始まる。

1番は水谷と許昕のサウスポー対決。水谷は国際大会で過去に9度許昕と対戦しているがいずれも敗戦している。分の悪い相手に対して、第1ゲームの序盤からリードをしていきたい水谷だが、許昕の厳しいストップに先手を奪うことができない。さらに水谷のサービスに対して台から少しでも出ると回転のかかったドライブでラリーに持ち込んで得点するなど、隙のないプレーをする許昕に離され、6-11で第1ゲームを落とした。
第2ゲーム、水谷は許昕のミドルを突くプレーや逆を突くプレーで得点のチャンスを伺うが、許昕はボディワーク、フットワークを生かしたフォアハンドドライブで強打を決める。水谷の強打をカウンタードライブされるなど、普段なら得点につながるようなプレーも許昕の厳しい攻めにあい、得点することができず。第2ゲームも落とした。
続く第3ゲームも展開は変わらず。水谷は許昕とフォアの引き合いで得点をする場面もあったが、台上の厳しいプレーとラリー戦で強さを見せた許昕が3対0で勝利。

2番は吉村対馬龍。初対戦となる2人の一戦は馬龍がゲームの主導権を握る。吉村の変化幅の大きいサービスに対して、長いサービスは強打、短いサービスはストップと、変化と長短を見極めて的確な対応をして吉村の攻撃を防ぐと、自身のサービスでは3球目攻撃を決めて着実に得点を重ねた。世界チャンピオンを相手に第1ゲームを先取したい吉村だったが、一分の隙もないプレーで11-3と馬龍が先制した。
馬龍の攻撃に対して厳しいコースを突いて、強打を防ぎたい吉村だが、第2ゲームは返球が甘くなったら打たれるというプレッシャーからかツッツキやストップにもミスが目立ち、5-10とゲームポイントを奪われる。しかし、馬龍のループドライブをカウンターで得点するなど、リスクを恐れないプレーで10-8まで迫る。3連続で得点を許した馬龍に対して中国ベンチはタイムアウト。厳しい表情の劉国梁が馬龍に指示を出してコートに送り出すと、続くラリーでは馬龍がきっちりと締めてゲームを連取。終盤に迫った吉村だったが、このゲームもつかむことができなかった。
第3ゲームは吉村が積極的な攻撃を見せるが、強烈なフォアハンドをカウンターで返すなど、馬龍が終始リード。甘いサービスを台上で強打する場面もあり、ゲームを通して流れをつかめなかった吉村。世界チャンピオンの厳しすぎる攻めの前にストレート負けを喫して対戦成績は0対2に。馬龍が勝利し、中国が優勝に王手をかけるとそれまで以上の歓声が場内に響き渡った。

3番は大島対張継科。大島は張継科と昨年2度対戦したがいずれも敗れている。第1ゲームはバック対バックの展開が続いた。大島は張継科の質の高いバックハンドに苦しみながらも食らいついた。7-8とリードを許した場面からはバックハンドで押し込んで得点してゲームポイントを奪うなど、3連続得点。10-9となるも、サービスで得点をして第1ゲームを先制した。
第2ゲームは中盤までは接戦となったが、5-5から大島のフォアハンドにミスがでるなど、張継科にリードを許した。その後、相手にゲームポイントを握られながらも徐々に追いついたが、8-10となったところで中国ベンチがタイムアウトをとると、続くラリーを締めて張継科が1ゲームを奪取。ゲームカウントを1対1とした。
第3ゲームも中盤までは一歩も譲らない状況だったが、6-6からチキータやストップにミスが目立ち、リードを許すと、大島の回り込んだフォアハンドドライブもカウンター気味のブロックでシャットアウト。張継科が5連続ポイントでこのゲームを奪い、中国が8連覇に王手をかけた。
第4ゲームもバック対バックの展開で粘り強く戦い、隙を見て張継科のフォア側にコースを変えるなど張継科に迫った大島。しかし、7-7から、威力、コースともにハイレベルなバックハンドを見せ続けた張継科の前に得点をすることができず7-11で敗戦。勝利が決まると、観衆のボルテージは最高潮に。地鳴りのような歓声が会場中に響き渡り、8連覇を達成した母国の選手を祝福した。

中国選手のサービス、レシーブ、打ち合いとどれをとっても厳しいプレーの前に敗れた日本。しかし、39年ぶりに決勝進出し、独特の緊張感の中で試合をできたことは収穫だといえる。決勝という閉ざされた扉を開けた日本ではあるが、8月のリオデジャネイロオリンピックに向けて、新たな歴史を築くための戦いがこれから始まる。

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今大会の模様は卓球レポート4月号(3月20日発売)に掲載

公益財団法人日本卓球協会:http://www.jtta.or.jp
世界卓球2016クアラルンプール/公式サイト(英語):http://www.perfectwttc2016.com.my/
国際卓球連盟(ITTF)世界卓球2016クアラルンプール(英語):
http://www.ittf.com/competitions/competitions2.asp?Competition_ID=2587&category=WTTC

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