第43回全国高等学校選抜大会が3月26~28日、郡山総合体育館(福島県)で開催された。選抜大会は新学期を間近に控えた1・2年生による学校対抗の団体戦と過去に選抜大会やインターハイ、全日本選手権大会などへの出場経験がない選手による男女シングルスが行われる大会だ。夏のインターハイに次ぐ大きな全国大会ということもあり、白熱した試合がが3日間に渡って繰り広げられた。
【男子学校対抗】 愛工大名電高が無失点で2年連続の優勝!!
昨年に続き、第1シードの愛工大名電と第2シードの野田学園が決勝に勝ち上がった。昨年のインターハイでは準決勝で当たり、野田学園が3対0で愛工大名電を下しており、愛工大名電としてはリベンジを図りたいところだ。
2台進行で行われた決勝は、全日本ジュニア3位の野田学園・伊丹が1番で登場し、愛工大名電の高見と対戦。高見はバック対バックから先に回り込むなどアグレッシブなプレーで伊丹を破り貴重な勝ち星を挙げると、2番は高校生チャンプの木造が遠藤の思い切りのいいカウンタープレーに1ゲームを奪われながらも、質の高い台上プレーなどで差を付け愛工大名電が優勝に王手をかけた。ダブルスでも高校生王者ペアの松山/木造がストレートで伊丹/沼村を破り、愛工大名電が予選リーグから無失点で2年連続の優勝を決めた。
今枝監督は「決勝はうまく行きすぎました。準決勝の遊学館戦もがっぷり四つだと思っていたので。野田学園にはインターハイで負けていましたが、それはあまり気にしていませんでした。
全日本のジュニアで優勝(木造)、ベスト8に2人(高見、松山)という実績が出たした状況なので、私は選手の邪魔をしないようにということだけを考えてオーダーを組みました。後半ではチームの柱として松山を信頼して任せました。
決勝は、1番で高見を使いました。高見はインターハイで同じ1年生の沼村に負けて1番悔しい思いをしたと思うので、この数カ月間は高見を成長させることを自分の1番の目的としてやってきたので、その成果が出てよかったと思っています。
大西は何をするか分からないところがあるので起用しました。彼が入ってきてからチームが勝つようになったので、大西には『お前が活躍して優勝するんだよ』ということを言い聞かしてきました。準決勝では何連敗もしている五十嵐君に、終始向かって行く気持ちで試合をしてくれました。
夏(インターハイ)も守りに入らず、今回あらためて素晴らしい選手たちに恵まれていると感じたので、さらに成長してほしいと思いますし、優勝を狙いつつ、世界に目を向けてチャレンジしてほしいと本気で思っています」とコメントした。
2位の野田学園は、決勝までオール3ー0で勝ち上がったが、決勝では昨年のインターハイで勝っている愛工大名電にリベンジを許した。
3位の希望が丘は、準々決勝で関西を破り2年連続のベスト4。遊学館は出雲、三上、五十嵐という強力な新戦力を加えて7年ぶりに表彰台に復帰した。
【女子学校対抗】 四天王寺が2年連続、14回目の優勝!
女子学校対抗では四天王寺が昨年に続き2年連続14回目の優勝を果たした。
決勝はトップで三條が熊中に敗れるスタートとなったが、ワールドツアークウェートオープンで足首を負傷した橋本が2番で苦しみながらも三村を破り1対1に。お互いに取りたいダブルスは橋本/梅村のカット主戦型と左異質攻守型の変則ペアがコースをうまく突いた攻撃で1対2から逆転勝ちを収め、四天王寺が優勝に王手。4番は堅実な攻守で梅村が小脇をストレートで下し、四天王寺の優勝を決めた。
四天王寺の村田監督は次のようにコメントした。「橋本の故障と体調不良、三條、木村の卓球の不調があって本当にしんどかったです。それを橋本と梅村がよくカバーしてくれました。今回は1番反省の多い大会です。結果は勝ちですが、内容的には課題がありました。夏に向けて頑張ります」
2位の明徳義塾はサウスポーのエース熊中を軸に小脇、井、三村と粒ぞろいのメンバーで、準決勝で横浜隼人との接戦を制して決勝進出を決めた。
3位には準々決勝で昨年2位の山陽女子を破った横浜隼人と、正智深谷を破った富田が入った。
【男子シングルス・女子シングルス】
男子シングルスは佐々木盛将(浪速)が、打球点の早いバックハンドで主導権を握り、初優勝。
女子シングルスは北村ゆめの(文星女子)が、バックハンドサービスからの落ち着いた攻守で0対2から逆転勝ちを収めて初優勝を飾った。
詳しい記録は全国高体連卓球専門部ホームページに掲載されています。
全国高体連卓球専門部:http://www.koutairen-tt.net/
今大会の模様は卓球レポート5月号(4月20日発売)に掲載されます。