<女子シングルス決勝>
劉詩雯(中国) -17,7,6,-8,10,7 丁寧(中国)
順当にトーナメントを勝ち抜いた劉詩雯と丁寧。昨年の世界卓球2015蘇州の決勝で対戦した2人がジャパンオープンの決勝で再び顔を合わせることになった。
世界卓球ではゲームオールにまでもつれた2人の戦い。この試合でも第1ゲームから白熱した戦いが繰り広げられる。前陣について速いラリーに持ち込む劉詩雯に対して、丁寧は距離をとった位置から力のあるドライブで対応する展開が続く。互いに一歩も譲らずジュースに突入後も意地がぶつかりあい、17-17までポイントが刻まれる。その後のラリーで丁寧が強打を決めて18-17とすると、最後はバックロングへのサービスで劉詩雯のレシーブミスを誘い、19-17で丁寧が第1ゲームを先取した。
競り合いを制して勢いに乗る丁寧は第2ゲームを6-2とリードする。しかし、劉詩雯がここから息を吹き返す。高速ラリーから丁寧のバック側を攻め立ててじわじわと点差を詰めると、消極的なプレーが続く丁寧に対して、攻勢を仕掛ける。先手を奪う展開が続き、11-7でゲームを取り返した。
第3ゲームも劉詩雯がラリー戦で丁寧を押し込む展開が続く。フォア、ミドル、バックを的確に突く攻撃で丁寧を崩す劉詩雯。終始ゲームを支配して、11-6で2ゲームを連取した
続く第4ゲームは2-0と劉詩雯がリードして迎えたラリーで丁寧の大きく浮いたブロックが台の角にあたってエッジインするなど、劉詩雯にとってはアンラッキーな失点が続いた。それでも第3ゲームまでと同様に丁寧を左右に振って得点するなど、7-6とリードをして終盤を迎えた。このまま点差を離したい劉詩雯だったが、サービスが甘くなったところを狙い打たれるなど、勝負どころで丁寧が厳しいプレーを見せて逆転。11-8でゲームを奪い、ゲームカウントを2対2とした。
第5ゲームも緊迫した展開が続き、中盤まで両者が互角の戦いを見せる。息の詰まる展開の中、10-8と先にゲームポイントを奪った劉詩雯だが、丁寧も意地を見せて10-10と追いつく。試合の勝敗を左右する分水嶺となったこの場面で劉詩雯は大きなラリー戦で丁寧に打ち勝ち、11-10とゲームポイントを再び握る。次のラリーでもフォアハンドを振り抜いて得点を決め、12-10で大事な第5ゲームを奪った。
第6ゲーム序盤、勝利を意識して固さが見られる劉詩雯に対して丁寧が4-1とリードを広げる。だが、前陣でのラリーに絶対の自信を持つ劉詩雯がリードを許した場面から巻き返し、逆転。勝負どころではフォアハンドの強打を振り抜いて得点し、11-7で勝利を収めた。世界卓球では敗戦を喫した劉詩雯だが、この試合では強い気持ちで丁寧に立ち向かい、見事女王の座についた。 敗れた丁寧は勝負どころでの決定力の高さが光るなど、王者ならではのプレーを見せたが、優勝とはならなかった。
今大会の模様は卓球レポート8月号(7月20日発売)に掲載
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