女子学校対抗準々決勝が行われ、ベスト4進出校が決定した。4連覇を狙う四天王寺が4強進出を果たしたほか、希望が丘(福岡)、明徳義塾(高知)、山陽女子(岡山)がそれぞれ死闘の末に、準決勝への切符を手にした。
四天王寺 3-0 札幌大谷
○木村 -11,8,6,5 伊藤
○橋本 9,4,5 松浦
○梅村/塩見真希 4,5,5 松浦/斉藤
塩見真希 ー 斉藤
梅村 ー 高山
四天王寺は札幌大谷(北海道)と対戦。両校は昨年、一昨年に続き、3年連続でインターハイ準々決勝での対戦になった。王者を相手に金星を狙う札幌大谷は1番の伊藤がリスクを背負った打球点の早い攻撃で四天王寺の木村を揺さぶり、1ゲームを先取したが、2ゲーム目以降は、速いラリーに対応し始めた木村に主導権を握られ、敗戦。2番では松浦が橋本と対戦し、迫る場面もあったが、鉄壁のカットを崩すには至らず。ダブルスでも梅村/塩見真希のコースを突いた的確な攻めに苦しみ、敗戦を喫した。
四天王寺は4年連続21回目の優勝に向けて各選手がきっちりと役割を果たし、4強進出。ここまでの試合を振り返ると、選手、ベンチともに浮き足立つことなく戦い、王者らしい姿が際立つ。準決勝ではどのような試合を見せるのか、その戦いぶりに注目が集まる。
希望が丘 3-2 正智深谷
岩越 -12,-10,12,7,-8 弓立○
○早田 5,3,7 田尻
○早田/永道 -7,3,-16,6,6 弓立/麻
柴田 6,-9,-8,-4 丸○
○永道 -13,8,7,-7,9 藤井
昨年、ともにベスト4に進出した希望が丘と正智深谷(埼玉)による対戦は、長時間に及ぶ熱戦の末に希望が丘が勝利を収めた。この試合では希望が丘に新たに加わった早田、永道の2人の1年生がキーマンになった。2番で早田がカット主戦型の田尻を破ると、3番のダブルスでは早田/永道が弓立/麻に逆転勝ち。正智深谷ペアの厳しいコース取りに苦しめられたが、ラリー戦で巻き返し、勝利を手にした。4番を落としたものの5番を任された永道はゲームオール9本で藤井に勝利。最終ゲームはリードしたところから迫られたが、堂々たるプレーでチームを準決勝へ導いた。
正智深谷は昨年の主力である平、田口、牛嶋らが卒業した中でのベスト8入りは立派といえるだろう。平監督は試合後「準々決勝では全員が全力を出し切り、諦めずに自分たちのやってきたことを発揮する正智深谷らしい戦いが最後の最後にできたと思います」と選手たちを労った。
明徳義塾 3-1 愛み大瑞穂
小脇 -11,6,-7,-10 秋山○
○三村 -10,7,3,7 松本
○熊中/小脇 8,5,-9,8 秋山/野村
○熊中 -10,4,4,-4,9 野村
井 ー 石田
昨年、準々決勝で悔し涙をのんだ明徳義塾は愛み大瑞穂(愛知)と対戦。1番で小脇が秋山に敗れたものの、2番の三村が松本に逆転勝ちを収めると、ダブルスでは熊中/小脇が3対1で勝利。準決勝進出に王手をかけると、最後は4番で出場したキャプテンの熊中が野村をゲームオール9本で破り、チームの準決勝進出を決めた。明徳義塾は春の選抜で決勝に進出しており、今大会でも総合力の高さが光っている。昨年の悔しさを知る選手たちがこのあと、どこまで勝ち進むことができるのか、注目したい。
敗れた愛み大瑞穂は準決勝のトップで勝利した秋山や、4番で熊中と最後まで接戦を繰り広げた野村ら、1・2年生が大舞台で力を発揮した。コート内で躍動する選手を支えるベンチワークもよく、チームの一体感の良さを感じさせた。今大会で貴重な経験を積んだ選手たちが来年、どんなプレーを見せてくれるのか。今後にも期待が集まるチームだ。
山陽女子 3-2 横浜隼人
木村 -9,-7,-6 笹尾○
○皆川 8,9,-8,12 林
枝松/木村 9,4,4,3 笹尾/光根○
○枝松 11,-8,-4,9,10 杉本
○真鍋 7,-8,0,-6,9 三浦
激戦が予想された山陽女子対横浜隼人(神奈川)の一戦は山陽女子が劇的な逆転勝利を収めた。山陽女子はトップで木村が笹尾とのエース対決に敗れる苦しいスタート。勢いづく横浜隼人に対していまいち波に乗れず、要のダブルスも落として1対2と追い込まれた。しかし、ここから底力を発揮。2台進行で行われた5番で1年生の真鍋が三浦をゲームオール9本で破ると、最後は4番の主将・枝松が1対2と劣勢に追い込まれたところから逆転勝利。中盤までは固さが見られた枝松だが、追い込まれたところから「絶対に負けられない」という気迫が乗り移ったかのような強気のプレーで形成を逆転し、チームの4強入りを決めた。
横浜隼人はエースの笹尾を軸に、後半までに2対1とリードする展開だったが、逆転負けでを喫した。4番で枝松と対戦した杉本は春の高校選抜で勝利しており、この試合でも2対1とリードしたが、第4ゲームの中盤から息を吹き返した枝松の前に敗戦を喫した。ベスト4進出とはならなかったが、各選手が一球一球に魂を込める姿は見るものの心を打った。悲願のベスト4進出に向けた横浜隼人の今後の戦いにも期待したい。
●男女学校対抗の勝ち上がりは下記の通りとなっています
男女学校対抗勝ち上がり(PDF)
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平成28年度全国高等学校総合体育大会:http://www.koukousoutai.com/2016soutai/
全国高等学校体育連盟卓球専門部:http://www.koutairen-tt.net/
今大会の模様は卓球レポート10月号(9/20発売)に掲載予定です。