大会2日目は男女団体の第3ステージ(決勝トーナメント)準々決勝~準決勝が行われ、準決勝で中華台北を破った日本と、アジアジュニア選手権大会に続き、中国を破る快挙を達成した韓国が決勝進出を決めた。
調子を上げてきた木造、前陣カウンターが火を吹いた
15歳の林昀儒はセンスを感じさせるも未完成
今日も松山の決勝点で締めくくった
<男子団体決勝トーナメント準決勝>
日本 3-0 中華台北
○張本 11,-10,9,12 黄建都
○木造 9,11,4 林昀儒
○松山 7,10,-6,4 馮翊新
張本 - 林昀儒
木造 - 黄建都
予選通過に苦しんだ日本だが、決勝トーナメントに入ってから、準々決勝の朝鮮民主主義人民共和国、準決勝の中華台北とアジア勢に続いてストレート勝ちを決め、調子を上げてきている。
トップの張本は分のいい黄建都と対戦。体格がよく、懐の深い黄建都に張本の攻撃が1発で決まらずに苦しむ場面もあったが、勝負どころで声をあげてガッツあふれるプレーを見せた張本が競り合いを制して日本に先制点をもたらした。
2番の木造は、センスのいいサウスポーの15歳、林昀儒と対戦。木造も過去に勝っている相手ということで、固さは見られず、得意の前陣バックハンドカウンターを決めるなど、相手の鋭い攻撃にも高い対応力を見せた。
ここまで日本の連勝を支えてきた松山は3番で、持ち前のラリー戦に強さを発揮して、3番手の馮翊新を危なげなく退けた。
■田㔟邦史男子ジュニア監督
みんな初出場ですが、だんだんこの場にも慣れてきて雰囲気もつかんできたんじゃないかと思います。オーダーは決めていました。智和が黄建都にクロアチアオープンで勝っているというのが1つと、木造が林昀儒にアジアジュニア選手権大会で団体とシングルスで2回対戦して2回とも勝っている。そのデータを元に決めました。これまで中華台北は林昀儒がすべてエースで出てきていたので、智和をエースにして、後半のことは考えずに木造を林昀儒に当てに行こうと思いました。
日本は絶対に負けたくない、絶対に決勝まで行きたいという気持ちでやっている中で、中華台北はベスト4にはいって安心しているような感じを受けたので、その差はあったと思います。あとは智和がこの準決勝の舞台でジュースや11-9という苦しい試合を勝ちきってくれたのでいいスタートを切れたのかと思います。
木造はだんだんよくなってきたのもチーム的にはよかったと思います。智和が世界ランキングでは上ですけど、インターハイチャンピオンで全日本ジュニアチャンピオンの木造がよくなってこないとチームもまとまってこないのかなという風に思うので、準々決勝で勝てたことが彼自身にとってよかったのではないかと思います。チームの状態は非常にいいと思います。やっとこの場所までまずは来れたかなという感じですね。
サービスについては(フォルトを取られることが多いですが)、リスクマネジメントとして注意してきたので、それでもフォルトを取る審判もいるので、冷静に対処するように言ってきています。ですから、フォルトを取られても動揺しているような場面はないと思います。
■木造勇人選手
準決勝は自分が思っていたよりいいプレーができたので、明日につながる試合だったんじゃないかと思います。準々決勝も、どう戦っていいのか、とてもナーバスになっていましたが、3対0で勝つことができたので、準決勝もいい試合ができたと思います。
チェコ戦のあとは本当に立ち直れないくらい落ち込みましたが、スタッフの方や日本からもメッセージをくれる人も何人かいたので、それを力にして、気持ちを切り替えて今日戦いました。
決勝は実力的には相手の方が上だと思うので、自分たちは向かっていくだけです。誰が勝って、誰が負けるかわかりませんが、負けても次で勝つというチームワークが、今大会の日本にはあると思います。
■張本智和選手
昨日、ルーマニア戦で自分のせいで負けそうだったので、今日は絶対に全勝で決勝まで行くと決めていました。そうできてよかったです。今日はウォーミングアップをしっかりして、いい準備で臨めるようにしていました。黄建都には2勝1敗で、簡単には勝てない相手だったのでしたが、予想通り結構危なかったので、しっかり勝ててよかったです。体力的には問題ありません。
明日は中国が韓国ですが、どちらにしても格上なので思い切ってやりたいです。
■松山祐季選手
今までの試合があったし、相手も今までやった4選手ほどは強くなかったので、自分のプレーができれば勝てると、油断はしていませんでしたが、そういう準備はしていました。プレー環境は、選手みんな一緒なので気にならないということはありませんが、試合中は気にしていないです。
出られるかわかりませんが、相手が中国でも韓国でも、それほど日本と実力が変わるというわけではないので、当たっていきたいです。
趙勝敏は意外性のあるプレーで中国から2点取り
中国の11連覇を阻止したのは韓国だった
<男子団体決勝トーナメント準決勝>
韓国 3-2 中国
○趙勝敏 8,9,-5,8 于何一
安宰賢 -7,-11,-3 徐海東○
金大宇 -6,-7,-5 徐瑛彬○
○趙勝敏 6,-7,7,7 徐海東
○安宰賢 9,-2,10,8 于何一
今年の9月に行われたアジアジュニア選手権大会において、男子団体の決勝で中国を破る大金星を挙げた韓国。そのときの主力2人を2点起用して、再び打倒中国を目指した。
趙勝敏は2年前の上海大会から出場しているが、今大会ではしっかりとした基礎技術に加えて、何をしてくるかわからない意外性のあるプレーで中国勢をほんろうし、2得点を挙げた。ラストは大きなラリー戦に強い安宰賢が、得意の中陣ラリー戦に持ち込んで自分の土俵で競り合いを制した。
決勝で韓国と対戦することになった日本だが、いかに趙勝敏を攻略するのか、その点に注目したい。
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今大会の模様は卓球レポート2月号に掲載します。