男子シングルス決勝は水谷隼(beacon.LAb)が 吉村和弘(愛知工業大)を4対1で破り、4連覇を達成。歴代最多となる9度目の栄冠に輝いた。
<男子シングルス決勝>
水谷(beacon.LAB) 9-11,11-7,11-8,13-11,11-6 吉村(愛知工業大)
絶対王者がついに歴代最多となる9度目の王座を手にした。
水谷は第1ゲーム、準決勝で大接戦を制して勢いに乗る吉村にリードをされる展開が続く。ラリー戦で吉村の鋭いバックハンドドライブが決まるなど、吉村が持ち味を発揮する形が目立ち、11-9で先制点を挙げた。
先制を許した水谷だが、第2ゲームは多彩なサービスから吉村の得意とするチキータを封じてラリーを優位に進める。得意とするチキータレシーブで先手を取りたい吉村に対して水谷は絶妙な長さのサービスで、ラリーの主導権を握らせず、11-7でゲームを取り返した。
これで試合のペースをつかんだ水谷は第3ゲームも台上プレーで吉村をリード。吉村のフォア前を徹底して攻めて相手の攻撃を封じ、試合を優位に進めた。さらに、ラリー戦では強烈な両ハンドドライブの吉村に対しても打ち負けない球際の強さを見せた。ラリーで一度優位に立つと、打球点の高いドライブを打ち込むなど、相手に反撃の隙を見せない厳しいプレーで得点を重ねて11-7でゲームを連取した。
続く第4ゲームの序盤は吉村が台に近いところで打球点の高いプレーを見せる。持ち味のキレのあるチキータで得点する場面も見られるなど、3-7でリードを広げた。しかし、水谷は台上の厳しいストップの展開を制すと、長短とコースを打ち分けるサービスで吉村のレシーブミスを誘った。ラリー戦では吉村が打ち勝つ場面もあるが、台上技術でうまさを見せる水谷が接戦を制して10-9と先にゲームポイントを握った。ここから吉村も粘りを見せるが、吉村にチキータをさせたところから、バックハンドのカウンターを決めるなど、巧みなプレーで得点を挙げた水谷が13-11で接戦を制した。
9度目の優勝に王手をかけた王者は第5ゲームも揺るぎないプレーで試合を支配する。ストップの応酬で相手のミスを誘うなど、最後まで隙を見せない厳しいプレーの連続で吉村の攻撃を防ぎ、11-6で勝利。1ゲームを奪われたものの第2ゲーム以降は相手の得意なプレーを引き出させず、王者の貫禄を見せつけるようなプレーで4年連続9度目の栄冠に輝いた。
■吉村和弘のコメント
「決勝まできたことは本当にすごいことだと思うんですけど決勝でいざ負けるとなるとすごく悔しいですね。1ゲーム目は相手は様子を見てくると思っていたので2ゲーム目以降が勝負だと思っていたんですけど、圧倒されて自分らしいプレーが出来なくてチャンスがない試合でした。水谷選手は本当にすごい選手だなと思いました。水谷選手は自分のフォア前を徹底的に攻めてきてそこに対応ができませんでした。4ゲーム目はリードしてたのでそこで2-2になれば相手にもプレッシャーを与えられたと思います。レシーブから積極的にチキータをしていってあまりラリーにしないようにしていきたかったんですけど自分のミスと相手の戦術でうまくいきませんでした。今年1年いいスタートがきれたと思いますが、これから自分に大きなプレッシャーがかかると思うので、まずは世界ランクをもっとあげて世界で通用するような選手になりたいです」
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