女子シングルス決勝は平野美宇(JOCエリートアカデミー/大原学園)が 3連覇中の石川佳純(全農)を4対2で破り、史上最年少優勝を達成した。
<女子シングルス決勝>
平野(JOCエリートアカデミー/大原学園) 11-6,12-10,8-11,11-9,9-11,11-6 石川(全農)
16歳の平野美宇が全日本の歴史を塗り替え、女子シングルス史上最年少優勝を果たした。
平野は第1ゲームから女王・石川に猛攻を仕掛ける。出足からの4連続得点で石川をリードすると、厳しいツッツキから石川のドライブが甘くなったところを早い打球点で捉えるバックハンドドライブが次々に決まり、11-6でゲームを先制。
続く第2ゲームも平野はキレのあるツッツキに加えて石川のサービスが長くなったら確実に強打で狙うなど、隙のないプレーを見せる。一方の石川も平野の強打に対して距離をとって対応し、ジュースにまでもつれる接戦となる。しかし、平野が10-10で自身のサービスから3球目強打を決めて11-10とすると、最後は厳しいツッツキから得点を挙げて12-10でこのゲームを奪った。
一方の石川は第3ゲームで反撃。平野の猛攻に対して、ブロックでしのぐなど、攻勢をかける平野に対して距離をとったラリーで得点を重ねる。終盤平野に迫られた場面では、平野のバックサイドに緩いボールを送ってミスを誘って得点。このゲームを11-8で取り返した。
第4ゲームは石川がそれまで苦しんでいた平野のサービスに慣れ始めて8-6とリードをする。しかし、平野が劣勢の場面で、石川の台から出たサービスを見逃さずに強打するなど、逆転。ゲーム序盤から見られる攻撃的な姿勢を崩さずに得点を重ねて逆転。10-8とゲームポイントを握る。続くラリーでは石川が女王の意地を見せるように高速ラリーを制したが、最後は平野が得点し、11-9でゲームを奪った。
初優勝に王手をかけた平野は第5ゲームを序盤で大きくリード。石川のフォアサイドを打ち抜くドライブ、相手のサービスに対しては甘いボールを逃さずにフリックで強打と女王を圧倒するプレーを見せた。しかし、そう簡単には試合は終わらない。石川が2-8とリードしたところから驚異の追い上げを見せて7連続ポイント。結局このゲームを11-9で石川が奪った。
優勝の影がちらついたか平野は第5ゲーム消極的なプレーが見えたが、第6ゲームは再びスタートから攻めの姿勢を見せる。4-0と大きくリードを広げると、その後も石川にリードを許さず。10-6で迎えた最後のラリーを制すと高らかに両手を挙げて喜びを爆発させた。
平野は佐藤利香さんが持つ17歳1カ月の最年少優勝記録を塗り替える16歳9カ月での優勝を果たし、全日本の歴史に名を刻んだ。
■石川佳純のコメント
「正直、何が起こったか分からないというような感じで試合が終わってしいまいました。でも本当に今日の平野選手のプレーは素晴らしくてやっぱり自分が受け身になってしまったところがあると思います。出足からなるべくせめていこうと思ったんですが、サービスが浮いてしまってスマッシュされたこと、要所でチャンスボールを攻めきれなかったこと、流れに乗っていたところで、自分のペースにもっていけなかったというのが反省です。久しぶりに全日本で負けたので、プレッシャーからは少し解放されたかなと思います。来年は挑戦者としてまた頑張ります」
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