過去の対戦では水谷が3勝0敗とリードしている両者による一戦は、第1ゲーム、サービス・レシーブで水谷が李尚洙をリード。下回転系のサービスで李尚洙のネットミスを誘うと、レシーブでは厳しいストップで李尚洙にドライブ強打させず、11-6でゲームを先制した。
第2ゲームは李尚洙がスタートダッシュに成功。水谷のバックサイドに2本連続でロングサービスを出してレシーブミスを誘うなど、4-0と李尚洙がリード。しかし、台上技術で上回る水谷は慌てない。ここからじわじわと得点を重ねて8-8と追いつくと、李尚洙のミドルを突いた攻撃で逆転。最後は10-9から李尚洙のバックロングへのサービスを読み切ってバックハンドドライブで強打。11-9でゲームを連取した。
冷静な試合運びで2ゲームを連取した水谷だが、第3ゲームは李尚洙の積極的な攻撃と自身のミスが重なり0-6とスタートから大きくリードを許す。その後も、李尚洙にリードを許す展開が続き、このゲームを4-11で落とす。
続く第4ゲームも李尚洙がゲームをリード。水谷のストップに対して踏み込んでフォアハンドドライブを打つなど攻撃的なプレーで得点を重ねる。一方の水谷隼はラリー戦で両ハンドにミスが出て点差を詰めることができず、6-11でゲームを落とした。
第5ゲームは互いにサービスの展開から取り合う形が続く。水谷はフォア前への下回転系サービスで李尚洙のミスを誘い、李尚洙は横回転系サービスから水谷がストップしたボールを両ハンドで強打するパターンが目立つ。互いに譲らない展開が続いたが、8-8から3連続得点を許して、水谷が3ゲームを連取される格好となった。
後がなくなった水谷は、第6ゲームも中盤まで李尚洙の果敢な攻撃に苦しむ。水谷も台上のボールを積極的に攻めるがミスも重なり6-7とリードを許す。ここで水谷がタイムアウトをとる。すると、タイムアウト明けから水谷が息を吹き返す。相手のバック前のサービスに対して、この試合初めてバックハンドドライブを振り抜くプレーで8-7と逆転すると、サービスから3球目攻撃を2本連続で決めるなど5連続得点。このゲームを11-7で取り返す。
迎えた最終ゲームも一進一退の攻防が続くが、水谷が力のある両ハンドで李尚洙を押し込む。観客の大声援にも後押しされ10-6とマッチポイントをつかんだ。このまま押し切るかに思われた水谷だが、ここから李尚洙が逆襲10-10に追いつかれる。しびれるような展開が続いたが、最後は逆横回転サービスから3球目でバックハンドドライブを決めて勝利。あわや敗戦というところまで追いつめられた水谷だが、終盤で世界卓球銅メダリストを上回り見事ベスト4進出を決めた。
<男子シングルス準々決勝>
水谷(日本) 6,9,-4,-6,-8,7,10 李尚洙(韓国)
今大会の模様は卓球レポート8月号(7月20日発売)に掲載
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