昨日、李尚洙(韓国)とのゲームオールの激闘を制してベスト4に勝ち進んだ水谷は世界卓球銀メダリストの樊振東(中国)と対戦。第1ゲーム、中国選手を相手に先制点がほしい水谷は序盤から互角のラリーを見せるが、6-6からストップが甘くなったところを強打されるなど、勝負どころで台上技術が乱れ、7-11でゲームを先制された。第2ゲームは序盤から樊振東がリード。水谷のドライブに対してカウンタードライブを決めるなど、ラリーで主導権を握った樊振東を崩すことができず、ゲームを連取された。
2ゲームを連取される苦しい展開となった水谷だが、樊振東にくらいつくプレーを見せる。8-10とゲームポイントを奪われながらも、サービスから連続得点。フォア前へのストップに対してフォアストレートへ打ち抜くなど、10-10とした。しかし、ここから得点を奪うことができず、最後は樊振東のチキータレシーブに対してバックハンドで対応したが、オープンになったフォアサイドをバックハンド強打で打ち抜かれた。
3ゲームを連取してプレーに余裕が見える樊振東は、第4ゲーム5連続得点とスタートダッシュに成功。水谷は台上のストップに対してリスクを背負って攻めるがこれが得点につながらない。勝負あったかに思えたがここから水谷が反撃。水谷はバック対バックで樊振東に打ち勝つ場面が見られるなど、バックハンドを力強く振り抜くプレーで9-9と追いつく。最後は樊振東のサービスからの展開で2連続得点。11-9と逆転でこのゲームを奪う。
第5ゲームも水谷が思い切りの良いバックハンドを軸に樊振東をリードする。しかし、樊振東が逆横回転サービスへと切り替え始めて流れが変わる。水谷はレシーブミスがでるなど、5-3から4連続失点。ラリー戦ではバック対バックで打ち勝つ場面もあったが、終盤は厳しく攻めるがゆえに、ミスも出始めて8-11で敗戦。第3ゲームの終盤以降、樊振東を相手に互角のプレーを見せた水谷。敗れはしたものの日本開催のワールドツアーで中国選手を相手に十分に戦えることを証明した。
■水谷隼のコメント
「3回目の対戦でしたが、今回の対戦が一番手応えがあった試合でした。ただ、チャンスがあっただけに逃してしまったという形だと思います。
序盤は相手が特に厳しいプレーをしてきたわけではないのですが、サービス・レシーブで後手に回ってしまうケースが多くてゲームを連取されてしまいました。
第4、第5ゲームはサービスから3球目、レシーブから4球目で積極的にプレーできたときは得点につながっていたので、そこはこれからも継続していきたいと思います。また、樊振東選手のチキータに対して自分がカウンターで点数を取れたことは自信になりました。
第5ゲームは5-3のリードしたところから相手が初めて逆横回転サービスを使ってきてそこから失点が続いてしまいました。そのあたりのサービスの変更など、戦術転換が樊振東選手のうまさだと感じました。
今大会を通してまだまだ強くなれるという手応えを得たので、もっと上を目指して戦っていきたいです」
<男子シングルス準決勝>
樊振東(中国) 7,6,10,-9,8 水谷(日本)
今大会の模様は卓球レポート8月号(7月20日発売)に掲載
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