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全日本ホープス・カブ・バンビ ~中村が2階級制覇、松島が4連覇達成~

 平成29年度全日本選手権大会(ホープス・カブ・バンビの部)が7月28~30日までグリーンアリーナ神戸(兵庫)で開催された。


【ホープス】男子は中村が2階級制覇、女子は小塩が初の栄冠


中村がカブに続いてホープスでも栄冠をつかんだ

カット主戦型の小塩は全試合ストレート勝ちで初優勝

 小学5・6年生のカテゴリーとなるホープス男子は、中村煌和(畳和卓球・大分)がカブに続いて2階級制覇を達成した。第4シードの中村はサウスポーから繰り出すキレのあるフォアハンドドライブを軸に勝ち上がると、決勝では5月の東アジアホープス日本代表選考会で唯一敗れた浅見勇志(松山TTS・埼玉)と対戦。中村は第1ゲームから試合の主導権を握る。浅見の回転量の多いドライブ攻撃に対して前陣で連打を続けてラリーを優位に進めると、サービスからの展開で浅見のレシーブを崩すなど、試合のペースを握り2ゲームを連取した。迎えた第3ゲームはジュースにもつれたが、浅見を振り切って勝利。小学生最後の全国大会を有終の美で飾った。
 2位の浅見はこの大会で初の決勝進出。決勝では惜しくも中村に敗れたが、回転量の多い強烈なフォアハンドドライブを軸に強敵を破り、勝ち進んだ。ベスト4には桐野蓮大(誠卓球CL.・鹿児島)と坂本倫太朗(石原卓球クラブ・兵庫)が入賞した。

 ホープス女子はカット主戦型の小塩遥菜(石田卓球クラブ・福岡)が初の栄冠を手にした。小学3年生から卓球を始めたという小塩は昨年の同大会でベスト8、直近の東アジアホープス大会ではシングルス、団体の2冠を達成するなど、徐々に力を付けている。今大会では、回転量の多いフォアカットと、後陣に下げられても拾い続ける粘り強さで勝ち進んだ。決勝は自身と同じ、カット主戦型の大久保ひかり(文京台クラブ・北海道)と対戦。小塩は回転量の多いカットとナックル性のカットを織り交ぜて大久保を揺さぶると、相手の甘い返球は強打で決めるなど、攻守にキレのあるプレーを見せて3対0で勝利。大会を通じて失ったゲーム数は0と、圧巻のプレーで栄冠に花を添えた。
 2位の大久保は昨年決勝トーナメント1回戦で敗れたが、今大会では大きくジャンプアップ。守備範囲の広いカットを武器に、同世代の強豪を破って決勝へと駒を進めた。このほか、ベスト4には上田紫乃(TSIジュニア・東京)と司千莉(曹クラブ・兵庫)が入賞した。
 


【カブ】男子は松島が4連覇、女子は面手が全国初タイトルを獲得


圧巻のプレーで松島が連覇を継続

面手は全国大会でうれしい初優勝

 小学3・4年生のカテゴリーとなるカブの部の男子は、松島輝空(田阪卓研・京都)が4連覇を達成した。松島は第1シードとして順当に勝ち進むと、準決勝では木村友哉(瀬戸内卓球スポーツ少年団・岡山)に1ゲームを奪われながらも勝利を収めた。決勝は昨年と同様、吉山和希(TC中原・埼玉)と対戦。松島は序盤、バック対バックの打ち合いを制してゲームの流れをつかむと、中盤以降は強烈なフォアハンドドライブも決まり出してストレート勝ち。松島はサービス、レシーブをはじめプレー全体のレベルが昨年から大きく上がり、他選手を圧倒。張本智和(JOCエリートアカデミー)に続く6連覇達成に向けてまた一歩前進した。

 2位の吉山は決勝で松島に敗れたものの2年連続の決勝進出。精度の増したバックハンドを軸にした攻撃で橋本悠嵩(卓伸クラブ・愛知)、渡部民人(偉関TTL・東京)らを破ってファイナルへと駒を進めた。ベスト4には松島から唯一ゲームを奪った木村と、昨年バンビ2位の渡部が入賞した。


 女子は面手凛(T.Cマルカワ・岡山)が初優勝を飾った。面手は準決勝で青木咲智(石田卓球クラブ・福岡)との接戦を制すと、決勝では張本美和(仙台ジュニアクラブ・宮城)を破って、初の全国タイトルを手にした。決勝の張本戦は、張本にバックハンドドライブを打たせたところをカウンターで狙い打つなど、落ち着いた試合運びでゲームを優位に進めた。3月の全国ホープス選抜でも岡山県選抜の一員として初優勝に貢献した面手。その実力を今大会でも十分に発揮して頂点へと上り詰めた。
 2位の張本は昨年のバンビの部に続き、決勝で涙をのんだ。準決勝では昨年敗れた小塩悠菜(三里クラブ・岐阜)を、コースを突いた攻撃で左右に揺さぶり破ったが、決勝では惜敗。両ハンドドライブの威力、精度は同世代でもトップクラスなだけに来年以降の戦いに期待したい。このほか、ベスト4には第1シードの姚梓旋(卓伸クラブ・愛知)を破った青木と、昨年バンビの部を制した3年生の小塩が入賞した。



【バンビ】男子は岩井田が2年連続優勝、女子は井上が接戦を制す


岩井田がラリー戦で強さを見せて連覇

井上は決勝でリードを許しながらも逆転勝ち

 小学2年生以下のカテゴリーとなるバンビの部の男子では、昨年決勝でハイレベルな戦いの末に頂点をつかんだ岩井田駿斗(誠卓球CL.・鹿児島)が連覇を達成した。この1年で「フォアハンドドライブの強い球が打てるようになった」という岩井田はフットワークを生かしたフォアハンドドライブで決勝へと勝ち上がった。決勝では中野琥珀(岸田クラブ・神奈川)の打球点の早い攻撃に対して台から下げられる場面もあったが、後陣から中野のミスを誘うなど、粘り強いプレーも光った。
 2位の中野は前陣での両ハンドドライブが光る好選手。決勝は敗れたもののコースを突いた攻撃で岩井田から1ゲームを奪うなど、健闘を見せた。ベスト4には、郡司景斗(スマイルTC・宮崎)、月原弘暉(常磐HSクラブ・愛媛)が入賞した。
 
 女子は井上真夕(ALL STAR・兵庫)が初優勝。井上はバック面の表ラバーで変化をつけるプレーと思い切りの良いフォアハンドドライブを武器にトーナメントを勝ち進んだ。決勝は佐藤希未(マイダス・埼玉)にゲームカウント1対2とリードされたが、競った場面でもでも強打を打ち切るなど、積極的な攻撃で逆転勝ち。クラブの先輩にあたる「木原美悠選手(現JOCエリートアカデミー)のようになりたい」と話す井上。来年以降どのようなプレーを見せてくれるのか注目したい。
 2位の佐藤は昨年のベスト8からランクアップ。精度の高いバックハンドを軸に勝ち進むと、決勝でも優勝に王手をかけたが、あと一歩及ばず惜しくも敗れた。このほか、ベスト4には鹿目海右(卓桜会栃木卓球センター・栃木)と安藤海凜(明野ジュニア・大分)が入った。

なお、大会の記録は日本卓球協会のホームページに掲載されています。
日本卓球協会:http://www.jtta.or.jp

今大会の模様は卓球レポート9月号(8/20発売)に掲載されます。

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