8月28日~9月6日まで、武清体育センター(武清)にて第13回全中国運動会が開催されている。大会最終日となる10日目は男女シングルスの準決勝~決勝が行われる。
■男子シングルス決勝
馬龍(北京) 8,-8,-9,7,6,9 樊振東(解放軍)
多くの卓球ファンにとっては6月に行われた世界卓球2017デュッセルドルフの男子シングルス決勝も記憶に新しいことだろう。本誌8月号でも特集した卓球史上最高レベルの試合とも評価されている試合の再戦となったこの試合。実は4年前の全中国の決勝と同じ顔合わせでもある。このときは馬龍が樊振東に逆転勝ちを収め、ここから長らくビッグタイトルに無縁だった馬龍の時代が幕を開けた。同時に、馬龍・樊振東の2強時代の幕開けだったとも言える。
試合内容はまさに世界卓球を彷彿とさせるようなバック対バックでの探り合いから始まった。一発の威力で優る樊振東と、緩急とコースを使い分ける馬龍の戦いはここでも馬龍に分がいい。王楚欽戦では火を吹いた馬龍のフォアハンドドライブだが、この試合では樊振東のカウンターを警戒してか、勝負どころでしか仕掛けない。2対2から勝負の第5ゲーム、派手な打ち合いは少ないが、地味にバック対バックからの展開で得点を重ねる馬龍が一歩リード。
第6ゲームはお互いの持ち味が生きたプレーが存分に発揮される見応えのある展開に。馬龍が激しいフォアの打ち合いを制すれば、樊振東はチキータレシーブ一発で抜き去る。馬龍はバック対バックから先に回り込んだ樊振東のフォア側にエースを決める。とどめとばかりに樊振東のチキータを回り込んでカウンター。やはり馬龍の方が得点パターンが多い。最後はその差で決まったと言っていいだろう。9-9から2点連取した馬龍が、誰も成し遂げたことのない全中国運動大会2連覇の偉業を達成した瞬間だった。
馬龍にも、王皓に負け、張継科に負け、勝てない無冠の時代が続いた。今度はその厳しさを馬龍が後輩に教えてやる番なのかもしれない。そしてそれは樊振東がさらに強くなるということを意味している。世界の頂はますます高くなっていくのだろうか。それは、卓球ファンにとっては胸躍る光景であり、頂を目指すものにとってはとてつもない災と言えるのかもしれない。
世界卓球に続いて試合巧者ぶりを見せた馬龍
■男子シングルス3位決定戦
王楚欽(北京) 棄権 許昕(上海)
今大会の詳細な情報は下記サイトをご覧ください。
中華人民共和国第13届運動会(記録ページ):http://results.tianjin2017.gov.cn:81/
今大会の模様は卓球レポート11月号(10/20発売)に掲載。