11月10~12日、平成29年度全日本選手権大会(カデットの部)が、熊本県立総合体育館(熊本)で開催された。14歳以下シングルス男子は篠塚大登(愛工大附属中)、女子は菅澤柚花里(ミキハウスJSC)、13歳以下シングルス男子は吉山僚一(TC中原)、女子は大藤沙月(ミキハウスJSC)がそれぞれ優勝を果たした。
【14歳以下男子シングルス】接戦を切り抜けて篠塚が優勝
篠塚はスムーズな両ハンドとタッチの良さが光っていた
根性カットで今大会の台風の目になった原田
混戦が予想された14歳以下男子シングルスは、篠塚が準決勝、決勝とゲームオールの接戦を切り抜けて優勝をつかんだ。ボールタッチの良さや、試合中の落ち着いた所作など、若い頃の水谷を想起させる選手だ。
2位に入ったのは、カット主戦型の原田(石田卓球クラブ)。気迫で拾いまくるカットで強豪を次々に倒して勝ち上がり、篠塚にもあと一歩まで迫った。
3位には、動きのよさが光る濵田(愛工大附属中)と、パワフルなプレーが魅力の田原(明豊中)が入った。
安定感抜群の両ハンド攻守で頂点に立った菅澤
切れのあるフォアハンドが魅力の中森
14歳以下女子シングルスを制した菅澤は、安定性が際立っていた。中国の丁寧を彷彿させるしゃがみ込みサービスからのミスの少ない両ハンド攻守で優勝へと駆け上がった。
2位の中森(ミキハウスJSC)は切れ味鋭いフォアハンドドライブで同僚の菅澤に挑んだが、安定性で一歩及ばなかった。
3位には、速いラリーに強さを見せた伊藤(ヴィスポことひら)と、思い切りのいい強打が光る伊東(いわき卓球)が入った。
安定性の高い両ハンドプレーで優勝した吉山
コート狭しと動き回ったペンホルダーの前出
13歳以下男子シングルスを制したのは、吉山。安定性の高い大人びたプレーで競り合いを確実に物にし、頂点に立った。特筆すべきはチキータで、その精度は今大会に参加した選手の中でも郡を抜いていた。
2位の前出(松生TTC)は、動きの良さが光る好選手。思い切りのいいスマッシュと裏面打法で決勝まで勝ち上がった。
3位には、巧みなボールさばきを見せた鈴木(愛工大附属中)と、豪快なスイングが魅力の徳田(野田学園中)が入った。
決勝で見事なカット打ちを披露した大藤
小塩は厳しいツッツキとカットで決勝進出
13歳以下女子シングルス決勝は、大藤と小塩(石田卓球クラブ)という注目選手同士のカードになった。大藤が、小塩のカットをどう攻略するかが注目されたが、「カット打ちは好きです」と話す大藤が見事なカット打ちを披露。威力のあるフォアハンドドライブで小塩の変化幅の大きいカットを打ち抜き、優勝を果たした。
惜しくも優勝はならなかったが、小塩のツッツキとカットには目を見張る威力がある。このまま順調に伸びていってほしい選手だ。
3位には、粘り強いカットで勝ち上がった大久保(文京台クラブ)と、パワフルな両ハンドドライブを見せた吉井(就実中)が入った。
男子ダブルスは濵田・篠塚の実力者同士ペアが初優勝を果たした。篠塚は14歳以下シングルスと合わせて2冠。濵田のフリックと篠塚のチキータで台上から先手を取り、ペースを握った。
2位に入った谷垣・鈴木(愛工大附属中)は、流れるような両ハンドのコンビネーションを見せた。
女子ダブルスは、14歳以下女子シングルス優勝の菅澤と、13歳以下女子シングルス優勝の大藤が組んだペアが前評判通りの力を見せて優勝。威力がある上にミスが少ない二人の両ハンド攻撃は、他ペアを寄せ付けなかった。
2位には、ラリー戦に強さを見せた中森・萩井(ミキハウスJSC)が入った。