中学3年生でジュニア女子を制した長﨑美柚(JOCエリートアカデミー)。往年の名選手・中国の王楠のようにふところの深いプレーが魅力のサウスポーだ。ここでは、長﨑のフォアハンドドライブを連続写真で紹介しよう。
無理に攻めず、相手のボールに対応することで活路を見いだす
長﨑は、決勝で対戦した塩見(四天王寺高)のフォア面表ソフトラバーとバック面裏ソフトラバーを駆使したスピードと回転の変化に悩まされ、2ゲームを立て続けに落とした。
後がなくなった長﨑が講じた策が、「相手のボールに対応する」ことだ。1、2ゲームの長﨑は、塩見の速さと変化を持ち前の攻撃力で圧倒しようと前で果敢に攻めて裏目に出た。そこで、3ゲーム目からは無理に前で攻めず、相手のボールに慣れることを優先したプレーに切り替え、逆転への突破口を見いだした。
連続写真1~8は、塩見戦の最終ゲームで見せた中陣でのフォアハンドドライブだ。フォア側に来たボールに対して、打ち損じないようにボールをしっかり引きつけてから打球している(写真4)。スイング後、左足のつま先を前に向けて体のバランスを保っている点も、フォア側に動いてフォアハンドドライブするケースで参考にしてほしいポイントだ(写真7)。
攻撃型の選手が劣勢に立たされたときに、攻撃を控えるのは簡単なことではない。「無理して攻めない方が勝ちにつながる」と信じるのは難しいし、攻撃しなくてもプレーを組み立てられるだけの技術力が必要だからだ。 長﨑の中陣フォアハンドドライブには、彼女の戦術眼のよさと、その戦術を実行するだけの技術のレパートリーの広さが表れていると言えるだろう。
詳しい情報は日本卓球協会ホームページに掲載されています。
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