第45回全国高等学校選抜大会が3月25~28日、福井県営体育館(福井県)で開催された。選抜大会は新学期を間近に控えた1・2年生による学校対抗の団体戦と過去に選抜大会やインターハイ、全日本選手権大会などへの出場経験がない選手による男女シングルスが行われる大会だ。学校対抗では愛工大名電、四天王寺がそれぞれ4連覇を飾った
【男子学校対抗】愛工大名電が4連覇達成!
4連覇を狙う愛工大名電(愛知)は、予選リーグで東山(京都)にあわや敗戦寸前まで追い込まれるなど、厳しい戦いが続いたが、「選手が『一人一役』をまっとうしてくれた」と今枝監督が語るように、選手全員がカバーし合うチームプレーで苦しみながらも4連覇を果たした。
野田学園(山口)との決勝は、トップでエースの田中が付け入る隙のないプレーで松下を退け、先制点を上げる。2番の橋本はスムーズな両ハンド攻守で相手エースの戸上に善戦するもゲームオールで敗れ、1対1のタイに。
勝負の流れを大きく左右する3番のダブルスは、田中が前陣で質の高いカウンターでチャンスをつくり、サウスポーの加山が豪打で決める連携で田中/加山が戸上/宮川を下し、王手をかける。2台進行になった4番、5番は、5番の加山が遠藤のサービスに対応できずに敗れ、4番の田原対宮川が実質のラストに。
実績では宮川が一枚上だが、そんなことはおかまいなしに田原が思い切ったプレーを連発する。終始、積極性を失わなかった田原が宮川を3対1で下し、愛工大名電が4連覇を決めた。
■愛工大名電・今枝監督インタビュー
「言葉にならない、嘘みたい。(木造、高見がいた)去年や一昨年は優勝しなければと思っていました。しかし、今年は予選リーグで東山に負けてもおかしくなかった状況から優勝ですから、今まで味わったことのない不思議な気持ちです。清々しいというか、まるで初優勝した気分です。
選手たちは誰かが負けたら誰かがカバーする『一人一役』でよくやってくれました。本当にありがとうと言いたいです」
苦しみながら勝ち上がってきた愛工大名電とは対照的に、決勝まで全試合ストレートで勝ち上がった野田学園。大エースの戸上を中心に両ハンドの豪打を武器にする選手をそろえたオーダーで優勝を狙ったが、愛工大名電にあと一歩及ばなかった。戸上と並ぶエース格の宮川が肩の故障空けで、万全なチーム状態とはいえなかったが、夏のインターハイまでにはしっかり調整し、雪辱を狙ってくるだろう。
3位には、準々決勝で鶴岡東(岩手)を3対2で振り切った希望が丘(福岡)と、同じく準々決勝で明徳義塾(高知)を3対2で下した遊学館(石川)が入った。
【女子学校対抗】四天王寺が4年連続の頂点に!
女子学校対抗は四天王寺(大阪)が制し、男子の愛工大名電同様に4連覇達成。予選リーグから苦しい試合が続いたが、「トーナメントが進むにつれて調子が上がっていった」と村田監督が振り返るように、尻上がりにプレーのキレを増した選手たちは度重なる接戦を切り抜け、栄冠をつかんだ。
遊学館(石川)との決勝は、トップで大川が安定したカットで千葉を退けると、2番では今大会単複に大車輪の活躍を見せている宮﨑が、平川との激しい打ち合いをゲームオールで制して王手をかける。
3番のダブルスも宮﨑/宮野が2対0とリードし、勝負がついたかと思われたが、ここからプレーが少しおとなしくなり、千葉/出雲に逆転を許す。
4番と5番は2台進行になったが、5番の塩見が闘志あふれる速攻で東山を3対1で下し、優勝を決めた。
■四天王寺・村田監督インタビュー
「予選リーグから危なかったので、よく勝ったなというのが正直な感想です。選手たちはトーナメントが上がるにつれて調子が上がっていったと思います。
今大会のチームは今まで団体戦の経験が少ない選手たちが中心でした。塩見と大川は昨年のインターハイで団体戦を経験していますが、宮﨑は1回しか団体戦の出場がなく、鈴木にいたっては初めてです。その中でも宮﨑は大車輪の活躍でよく頑張ってくれました」
初優勝を狙った遊学館は、四天王寺に夢を阻まれた。決勝は、1、2番のどちらかを取っていれば勝つチャンスが十分あっただけに悔やまれる敗戦になった。敗れはしたが、絶対エースの出雲を中心に好選手がそろっており、インターハイでの悲願達成に期待したい。
【男子シングルス・女子シングルス(2部)】
男子シングルスは、長身から繰り出す豪快なフォアハンドドライブで笠垣杏介(福知山成美)が優勝。2位には表ソフトラバーからの快速バックハンドが光る鈴木慎司(岡崎城西)が入った。
詳しい記録は全国高体連卓球専門部ホームページに掲載されています。
全国高体連卓球専門部:http://www.koutairen-tt.net/