日本はグループリーグ3試合目で前回クアラルンプール大会で準決勝を争ったイングランドと対戦。1−3でイングランドに敗れ、世界卓球2014東京でのギリシャ戦以来となる予選リーグ黒星を喫した。
<男子団体第1ステージ>
日本 1−3 イングランド
◯水谷 3−2 ドリンコール
張本 0−3 ピッチフォード◯
丹羽 0−3 ウォーカー◯
水谷 2−3 ピッチフォード◯
日本は昨日まで怪我で休養していた水谷をエース扱いでトップに起用し、勝負をかける。対するはドリンコール。1ゲーム目は水谷が凡ミスのない素晴らしい立ち上がりを見せて先制する。ところが、第2ゲームから人が変わったように簡単なミスが出るようになり、第2、第3ゲームを落としてしまう。5日前の怪我からまともに練習できていないという水谷。そのブランクが心配されたが、第4ゲーム3−2の場面で大きいラリー戦に打ち勝つとそこから息を吹き返す。本来の自分が体に戻ってきたかのようにミスが出なくなり、クロスへの速いバックハンドドライブも決まるようになって第4、第5ゲームを連取し、先制点を挙げる。
水谷が終盤に息を吹き替えして先制
続く、2番の張本は完敗だった。相手のピッチフォードは2月に行われたワールドチームカップでも負けているが、そのとき以上に為す術がなかった。長いリーチで台上がうまく、速いボールにめっぽう強いピッチフォードは、張本にとって「かみ合わせ」が非常に悪い相手だ。張本のチキータや高速バックハンドに対して、大抵の相手はタイミングの早さに驚いてクロスに合わせてくるのだが、ピッチフォードは怯まずにストレートへカウンターで打ち返してくる。加えて、台上のトリッキーなフリックで先手を取ることがうまく、遅いボールに対してもしっかり狙い打てる。この試合は、張本にまったく自分のプレーをさせなかったピッチフォードをほめるしかないだろう。一方、午前の試合でサムソノフに大逆転勝ちした後、夜の試合でピッチフォードに完敗した張本は、1日のうちに天国と地獄を味わった。勝負の女神が課したあまりの落差に気持ちを切り替えるのは難しいと思うが、この試練をなんとか乗り越えて明日からの試合に臨んでほしい。
台上のうまさとストレート攻撃で張本を完封したピッチフォード
完敗に呆然と握手する張本(右)。次こそリベンジだ!
完敗に呆然と握手する張本(右)。次こそリベンジだ!
3番の丹羽も、ウォーカーに屈した。ウォーカーはピッチフォードと同じように台からあまり離れずにプレーするタイプの選手だ。張本に匹敵する速さの丹羽に対して台から下がらず、カウンターを中心に対応し、ストレートで勝利。イングランドが王手をかける。
値千金の勝利を上げたウォーカー
丹羽は得意のチキータや速攻を狙い打たれてしまった
あとがなくなった日本は、4番の水谷対ピッチフォードのエース対決に巻き返しを賭ける。1ゲーム目はピッチフォードが張本戦そのままの前陣両ハンドストレート攻撃で水谷を圧倒。2ゲーム目はピッチフォードのコース取りやタイミングに慣れた水谷が取り返すが、3ゲーム目はシーソーゲームの末に9本で落とす。あとがなくなった第4ゲームは、勝ちを意識したのかピッチフォードのプレーがややおとしくなり、水谷が取ってタイに戻す。こうなると水谷のペースかと思われたが、第5ゲームの終盤にピッチフォードが再び思い切りのいいストレート攻撃を繰り出し、11対8で水谷を振り切って日本を下した。
あとがなくなった日本は、4番の水谷対ピッチフォードのエース対決に巻き返しを賭ける。1ゲーム目はピッチフォードが張本戦そのままの前陣両ハンドストレート攻撃で水谷を圧倒。2ゲーム目はピッチフォードのコース取りやタイミングに慣れた水谷が取り返すが、3ゲーム目はシーソーゲームの末に9本で落とす。あとがなくなった第4ゲームは、勝ちを意識したのかピッチフォードのプレーがややおとしくなり、水谷が取ってタイに戻す。こうなると水谷のペースかと思われたが、第5ゲームの終盤にピッチフォードが再び思い切りのいいストレート攻撃を繰り出し、11対8で水谷を振り切って日本を下した。
イングランドはすでに中華台北に勝っているため、この敗戦によって日本のグループリーグ1位通過は厳しくなったが、上位進出の芽は少しも消えていない。ドローによっては、決勝トーナメントでイングランドにリベンジするチャンスが来ることも十分に考えられる。明日からのチーム一丸となった巻き返しに期待したい。
日本の前にピッチフォードが立ちはだかった
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(写真=佐藤孝弘 文=猪瀬健治)