男子団体グループリーグ、中国対ポルトガルは中国がストレート勝ちするも、エースの樊振東が敗戦寸前に追い込まれ、会場は騒然となった。
土俵際に追い込まれた樊振東はこの表情
惜しくも大魚を逃したジェラルド。イケメンです
<男子団体第1ステージ>
中国 3-0 ポルトガル
○許昕 3-0 カルバルホ
○樊振東 3-2 ジェラルド
○林高遠 3-0 アポロニア
ポルトガルは勝ち目が薄い中国に対し、主力のフレイタスとモンテイロを下げ、カルバルホとジェラルドを出してきた。ボルトガルは戦う前から白旗を上げたような格好だが、2番に出場したジェラルドが大奮起。樊振東に対して一歩も引かない気迫で襲いかかった。ぶん回したラケットに勝手にボールが当たるかのような快心のあたりでジェラルドがゲームカウント2対1、10−8と2度のマッチポイントを握る。10−9からの大きなラリーを樊振東に奇跡的にしのがれて逆転を許し、結局大金星はならなかったが、ジェラルドの果敢なプレーは、会場に大きなインパクトを与えた。
女子団体グループリーグ、中国はシンガポールと対戦。中国が勝利するも、若手の王曼昱がベテランの馮天薇に敗れ、小さなほころびを見せた。
馮天薇が快心のプレーで王曼昱に勝利!
世界ランク1位の陳夢はトップの敗戦に動じずきっちり勝利
世界ランク1位の陳夢はトップの敗戦に動じずきっちり勝利
<女子団体第1ステージ>
中国 3-1 シンガポール
王曼昱 1-3 馮天薇○
○丁寧 3-0 リン・エ
○陳夢 3-0 チャン・ワンリン
○丁寧 3-0 馮天薇
まるで、8年前の再現を見ているようだった。8年前の世界卓球2010モスクワ大会、中国は決勝でシンガポールにまさかの敗戦を喫した。その番狂わせを演じた張本人の馮天薇が、今大会でもトップで王曼昱に勝利。最近の馮天薇は格下の選手に負けることが多く、力の衰えが指摘されていた。しかし、どんな練習を積んだのか、王曼昱戦では見違えるように切れのあるプレーを連発し、中国の次期エース候補を沈めた。高速バックハンドで振り回し、とどめのフォアハンドドライブを打つ様は、全盛期よりもボールが走っているのではないかと思わせるほど。残念ながら、丁寧、陳夢に対してあとが続かず、「モスクワの奇跡」の再現はならなかったが、仮に決勝トーナメントで日本が馮天薇を擁するシンガポールと当たった場合は、厳しい戦いを強いられるだろう。
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(写真=佐藤孝弘 文=猪瀬健治)