女子団体準々決勝、日本対ウクライナは、日本がグループリーグ同様、ウクライナにストレートで快勝し、銅メダル以上が確定させた。
苦しい試合を耐えた伊藤
バックハンドの感覚が素晴らしいペソツカは伊藤に肉薄
ゲームオールジュースを伊藤が制して貴重な先制点!
緩急自在の完璧なカット打ちを見せた石川
<女子団体準々決勝>
日本 3-0 ウクライナ
○伊藤 3-2 ペソツカ
○石川 3-0 ビレンコ
○平野 3-0 ガポノバ
石川 - ペソツカ
伊藤 − ビレンコ
グループリーグではウクライナに完勝した日本だが、ウクライナはメダルがかかる準々決勝で主力のビレンコとペソツカを投入し、ベストなオーダーを組んできた。メダルへの試練はいきなりトップでやってきた。
トップで伊藤と対したペソツカは、バックハンドの感覚が非常によい選手で、緩急の使い分けもうまい。手首でこねくり回すようなバックハンドドライブは回転が分かりにくそうで、たびたび伊藤のネットミスやオーバーミスを誘う。加えて、両ハンドでスマッシュも打てるため、伊藤と激しい殴り合いになった。
試合は一進一退で進み、最終ゲームは伊藤が8−10とペソツカに2度のマッチポイントを握られる。勝負あったかと思われたが、ここから伊藤がサービスからの得意の表ソフトバックハンド猛ループで2本連続オーバーミスを誘うと、弱気にならずにしっかり攻め抜き、逆転で日本に貴重な先制点をもたらした。
「以前の私なら負けていた」と伊藤が語るように、劣勢でも落ち着いて持ち味を発揮できるようになった精神面の成長が勝因だろう。
伊藤の勝利で力が抜けた日本は、2番で石川がカットのビレンコと対戦。この試合の石川のカット打ちは完璧だった。スイングスピードが増したため、決めにいったボールはもちろん、つなぎにいったボールでもビレンコがカットを押さえ切れずにオーバーミスするシーンが目立つ。強攻に頼らず、回転をかけないゆっくりとしたドライブで緩急をつけていたのも心憎かった。昨夜のシンガポール戦ラストで勝ったビレンコだが、石川の前になす術がなかった。
石川の完勝でメダルに王手をかけた日本の3番は平野、対するはカットのガポノバ。この試合の平野のカット打ちも石川に輪をかけてすごかった。独特のえぐるようなクセのあるカットでミスを誘おうとするガポノバだが、平野はおかまいなしにフォアハンドドライブを叩き込む。カットではらちがあかないガポノバはバックハンドスマッシュで奇襲を仕掛けるが、無理矢理打っているので精度が低い。平野が圧巻のカット打ちでガポノバを一蹴。グループリーグ同様、日本がストレートでウクライナを下し、準決勝に進出した。
日本は明日、決勝進出をかけて、突如出現したコリアと戦う。
メダルを確定した日本。明日はコリア戦だ!
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(写真=佐藤孝弘 文=猪瀬健治)