石川が踏ん張り、日本がコリアにストレート勝ち!
耐えた石川、歓喜のジャンプ!
伊藤の強さは頼もしい限り
カットと攻撃で石川を苦しめたキム・ソンイ
決勝点を上げた平野。スイングのキレが完全に戻った
<女子団体準決勝>
日本 3-0 コリア
○伊藤 2、8、9 田志希
○石川 4、-6、8、-11、14 キム・ソンイ
○平野 4、5、-9、6 梁夏銀
石川 ー 田志希
伊藤 ー キム・ソンイ
昨日、衝撃の南北統一チーム「コリア」の結成を発表した韓国と北朝鮮。注目のメンバーは、韓国の田志希をエース使いにして、北朝鮮のキム・ソンイを2点、3番に韓国の梁夏銀を置くオーダーを組んできた。日本はもちろん、伊藤、石川、平野のベストメンバーで対抗する。
1番は伊藤の強さが際立つ展開になった。ラブオールから3球目バックハンドドライブでサウスポーの田志希のフォア側を抜き去ると、得意のサービスからの速攻が冴え、2ゲームを先行する。伊藤の前陣の速いプレーに、田志希はいいように振り回されて思うように攻撃できない。終始、伊藤がペースを渡さず、最後はラブオールのときと同様、田志希のフォア側をバックハンドドライブで抜き去り、日本に先制点をもたらした。昨日のウクライナ戦で苦戦した後、「もう少しリスクを負ったプレーをしていきたい」と伊藤は語っていたが、有言実行の両ハンド速攻だった。
続く2番の石川対キム・ソンイは死闘になった。
リオ五輪でキム・ソンイに敗れて以来、昨日のビレンコ戦で示したようにカット打ちの技を磨いてきた石川。第1ゲームは威力が増したフォアハンドドライブで石川がキム・ソンイを圧倒する。キム・ソンイのカットのバックスングが間に合わないほど、石川のボールは鋭い。カットだけでは勝てないキム・ソンイは、第2ゲームから攻撃の割合を増やしてくる。これで、落ち着いてカット打ちができなくなった石川は、磨いたカット打ちのアドバンテージが消され、試合はフルゲームにもつれ込む。
最終ゲームは石川が序盤に5−2とリードするが、ここから3連続スマッシュミスに加え、アンラッキーなエッジボールやネットも重なり、ジュースまでもつれ込んでもしまう。ジュースでも絶対に取れないようなエッジボールに見舞われるが、「心が何度も折れかけたけど最後は自分を信じることができた」と石川が語るように、最後まで集中力を途切れさせずにキム・ソンイの攻撃とカットに対応し、16−14で勝利。大舞台でリオ五輪の雪辱を果たすと同時に、日本に大きな大きな2点目をもたらした。
決勝進出にリーチをかけた日本、3番の平野対梁夏銀は、平野が主導権を握る。得意の巻き込み式逆横回転サービスが効き、持ち味の畳み掛けるような両ハンドドライブが面白いように決まる。第3ゲームこそ相手のバックハンドの緩急に合わなくなって落としたが、ゲームカウント3対1で梁夏銀を圧倒し、決勝進出を決めた。
これで日本は1点も落とさずに決勝まで勝ち上がったことになる。伊藤、石川、平野の動きや集中力は隙がなく、ここまでは通過点だったといえるだろう。明日はいよいよ中国との決勝戦。悲願を果たす準備は整った。
明日はいよいよ中国戦。このメンバーなら激闘必至だ!
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(写真=佐藤孝弘 文=猪瀬健治)