日本は韓国に敗れ、6大会ぶりにメダルを逃す
鄭榮植が水谷を下し、韓国の勝利を決めた
日本から2点取りの鄭榮植。強かった
張本は今大会で大きな経験を積んだことだろう
2番で水谷が李尚洙を下し、振り出しに戻したが…
3番で貴重な勝利を上げた張禹珍
松平は得意の台上プレーが生かせなかった
<男子団体準々決勝>
韓国 3−1 日本
○鄭榮植 15、-6、-9、3、9 張本
李尚洙 -9、11、-3、12、-7 水谷○
○張禹珍 9、-9、9、7 松平
○鄭榮植 5、8、7 水谷
李尚洙 ー 張本
トップは張本対鄭榮植。前陣でプレーし、バックハンドが得意という共通項を持つ両者の試合は、予想通り前陣での激しい打ち合いになった。第1ゲームは張本がフリックやストレートへのバックハンドドライブを決めて優位に進め、10−6とゲームポイントを握る。しかし、張本得意の速攻戦になってもミスが出ない鄭榮植に10−9まで追い上げられたところで、日本がたまらずタイムアウト。悪い流れを断ち切ろうとするも、相手に渡った流れは戻らず、結局ジュースで落としてしまう。続く、第2、第3ゲームは張本が取るが、第4ゲームは鄭榮植に返され、勝負は第5ゲームへ。お互いの持ち味が出た好ラリーが続出したが、9−10から張本がチキータレシーブをミスし、韓国が先制点を上げた。
張本としては第1ゲームをすんなり取っていれば圧倒できる可能性があっただけに、悔やまれる第1ゲームの逆転になってしまった。一方、張本の速さに互角以上の対応を見せた鄭榮植は、ここにきてまた一段と力をつけている印象だ。
2番は水谷対李尚洙というチームの大黒柱同士の対戦になった。
試合はお互いがゲームを取り合い、1番に続いて最終ゲームへ。ここまでの展開で、縦回転系のサービスを李尚洙にストップされ、それをツッツキしたところをバックハンドドライブされる展開が多かった水谷だが、第5ゲームでは逆横回転サービスを多めに出して李尚洙のストップを乱し、逃げ切った。
大事な大事な3番、韓国は攻撃力が高く、やや乱暴なプレーが特徴の張禹珍。対する日本は丹羽ではなく、張禹珍に分がある松平を持ってきた。
両者固さが残る感じでスタートした試合は、より積極的だった張禹珍が先制。第2ゲームは松平が取り返すが、第3、第4ゲームを張禹珍が連取し、韓国が王手をかける。松平は各ゲームとも出足は素晴らしいスタートダッシュを見せたが、終盤に台上からのプレーが消極的になり、序盤のリードを生かせなかったのが悔やまれる。
あとがなくなった日本はエースの水谷に望みをたくすが、相手の鄭榮植がよすぎた。水谷がどんなに打ち込んでも鄭榮植に前でさばかれ、かなりリスキーなショットを打たなければ点にならないという辛い展開が続く。加えて、「レシーブがうまくできなかった」と敗戦後、水谷が語ったようにストップがうまく止まらず、鄭榮植にサービスからいいように攻め込まれてしまった。水谷は逆転の糸口がつかめないまま、鄭榮植によもやのストレート負け。これで日本は韓国に敗れ、2008年広州大会から続いていたメダル獲得がついえた。
日本を下した韓国は、ドイツとブラジルの勝者と決勝進出をかけて明日対戦する。
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(写真=佐藤孝弘 文=猪瀬健治)