男子シングルス、2度目の決勝で念願の初優勝を果たした戸上隼輔(野田学園)と、地元愛知の声援を味方に強豪を連破して初優勝を決めた野村萌(愛み大瑞穂)に、試合後に話を聞いた。
●男子シングルス優勝 戸上隼輔選手インタビュー
まだあまり実感はないんですけど、決勝で勝てたというのは自信になりますし、今後大きな大会でも優勝できるようにモチベーションが上がった試合でした。
決勝の相手はいつもやり慣れているので、できるだけ弱気にならずに、自分から先手を取れるように考えてプレーしました。試合前から、接戦になることは心の片隅には置いていたので、そのおかげで競った場面でも自分のプレーができたんじゃないかと思います。
団体、ダブルスで負けて、本当に苦しい大会だと痛感していて、シングルスが始まる前日は緊張して眠れなかったので、こうしてシングルスで優勝できたことで、取り返すことはできませんが、よかったと思います。
昨日からずっといろいろな方からメッセージをいただいていて、その方たちのためにも優勝したいなと思っていました。去年も決勝まで勝ち残りはしましたが、精神的にまだ準備ができていなくて、憧れの選手の1人でもある木造さんに勝てたらいいなというな気持ちで試合に臨んでいて、絶対に優勝するという気持ちが足りませんでした。今年は絶対に優勝するという気持ちで臨んだので、優勝できたのかと思います。今年は相手が格上だと思って気楽にプレーできたのがよかったです。
今日の初戦の準々決勝はすごく緊張して、不安もありましたが、やはり最後まで振り切れたのが勝因かと思います。去年、手塚選手が全中で優勝していて、本当にすごいなと思ってました。その選手と対戦したいと思っていたので、対戦できて、勝ててよかったです。
(野田学園の選手としては初のタイトルですが)野田学園の看板を背負っているということで、みんなからも応援されてOBの方にもよろこんでいただけたら光栄です。
この1年で技術的にだいぶ向上したかなというのは感じていて、サービス・レシーブの練習をかなりしてきたので、その成果が出たんじゃないかと思います。特に、ストップ対ストップですぐに自分はラリーに持ち込もうとして、甘いところを突かれてしまうというのが去年あったので、それを克服するために1年間、台上を練習してきました。
今後は、国体もあるし、全日本ジュニアもあります。海外の大会でも優勝したいと思っています。海外で活躍したいという気持ちもありますし、格上の選手に1試合でも多く勝ちたいというのはあります。
●女子シングルス優勝 野村萌選手インタビュー
今大会には団体で日本一になるということを目標にやってきましたが、準決勝で四天王寺に敗れて日本一になれずに、その悔しい気持ちをみんなでシングルスにぶつけようと気持ちを切り替えてシングルスに臨みました。「絶対に日本一になってやる」と思ってやってきたので、すごいうれしいんですけど、実感がわかなくて、本当に優勝にしたのかなというのが率直な気持ちです。
地元開催なので、応援が大きい分、それをプレッシャーに変えてしまう選手も中にはいたと思うんですけど、自分はそれを力に変えて、背中を押してもらったので、本当に応援と支えてくれた人たちのおかげでここまで来れました。
決勝は戦術もありましたが、私は「絶対勝ってやろう」と気負ってしまうと自分のプレーができないタイプなので、ここまで来れたことはすごいことだと思ったので、とりあえず悔いなくやりきること、目の前のボールを1球1球頑張って打つことを心がけてプレーしました。卓球はあんまり緊張しない方で、インタビューの方が全然緊張します(笑)
準々決勝は1対2で出雲さんに負けていましたが、あきらめないで、応援してくださっている方々のことも忘れずにプレーできたからこそ、出雲さんに勝てたんだと思います。次の相馬さんも応援に背中を押していただいて、一番いいプレーができたのは決勝の塩見さんとの試合だったと思います。
(去年の国体で相馬さんに負けているが)自分はそんなにカット打ちは苦手な方ではありませんが、国体では自分からドライブをかけて相手の変化に負けてしまったので、ドライブもツッツキも回転をかけずに、ナックルのツッツキとミートで試合を組み立てていきました。
インターハイは上の方にいくと、ラリー戦になると思ったので、サービスとラリーの強化をしっかりしようと思って、時間があればサービス練習をしたり、ラリーでも粘り強くできるように頑張ってやってきました。
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(取材/文=猪瀬健治、佐藤孝弘)