男子団体決勝は、中間東(福岡)と明豊(大分)で争われ、中間東が3対1で明豊を下し、全中初優勝を成し遂げた。
●中間東(福岡)3-1明豊(大分)
◯浅見 9,-11,-7,11,7 田原
◯原田 3,6,5 髙橋拓希
磯村/松井 7,8,-11,-6,-9 髙橋拓巳/坂本◯
◯齋藤 9,-6,9,-5,8 門脇
道廣 - 木塚
覚醒した浅見、田原を下す!
田原は浅見の思い切りのよさに押されてしまった
カットだけでなく、攻撃も見事な原田
髙橋は必死につないだが、原田に通じず
髙橋は必死につないだが、原田に通じず
九州ダービーになった決勝。九州大会では中間東(福岡)が明豊(大分)を3対1で下しているが、今大会の明豊は強豪を飲み込んで来た勢いがあり、過去のデータは当てにならない。
しかし、試合が始まると、中間東のトップ・浅見が明豊の絶対エース・田原に対し、素晴らしいプレーを見せる。浅見はチキータやロングサービスからの鋭い攻めで田原に立ち向かい、試合はゲームオールへ。エースとして負けられない田原も必死に対抗するが、強敵との連戦による疲れからか足が重そうでもうワンステップが足りず、攻撃にミスが出る。結果は浅見が終始強気のプレーを崩さずに田原を下し、中間東に貴重な先制点をもたらした。
2番は、原田が髙橋拓希を圧倒する。原田のカットに対し、フォアハンドで抜けない髙橋はツッツキやバックハンドドライブを駆使して必死に粘るが、その粘りのボールをことごとく原田に打ち返され、万事休す。中間東が早くも王手をかけた。
髙橋(左)と坂本が一矢報いるも遅かった
伸びのあるドライブで決勝点を上げた齋藤
優勝を決め、観客席に応える中間東
2台進行になった3番と4番は、どちらもゲームオールまで競り合う展開になった。
3番のダブルスは中間東の磯村/松井が髙橋拓巳/坂本に対し、2ゲームを連取し、3ゲーム目もマッチポイントを握る。しかし、ここから数々のミラクルを演じてきた髙橋/坂本が驚異の粘りを見せて試合はゲームオールにもつれ込む。
一方、4番の齋藤と門脇も激しい打撃戦でお互いがゲームを取り合い、こちらもゲームオールへ。
どちらの台も、「ここからまたも明豊がメイクミラクルか」と思わせるシーソーゲームの展開になったが、4番の齋藤が伸びやかな両ハンドで門脇の固いブロックを打ち抜き、中間東の勝利を決めた。ほんの一瞬遅れで髙橋/坂本が大逆転勝利で明豊に1点をもたらしたのは、これまで強豪を連破してきた意地だろう。
初優勝を遂げた中間東は、野田学園(山口)や愛工大名電(愛知)と当たらなかった幸運もあるが、それを差し引いても大エース・原田の存在感や決勝での浅見の覚醒など、優勝に十二分に値する戦いぶりだった。
一方、平成16年以来の優勝はならなかった明豊だが、彼らが今大会で見せてくれた奮闘は、今後しばらくの間、全中史で語り継がれていくことだろう。
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第49回全国中学校卓球大会/広島大会:http://zenchu-hiroshima-takkyu.jp/
(写真/文=猪瀬健治)