日本初のプロ卓球リーグ・Tリーグが産声を上げた両国国技館を離れて、男子の2戦目が名古屋・武田テバオーシャンアリーナにて行われた。ともに初戦となる岡山リベッツ対琉球アスティーダは0対2と追い込まれたところから、岡山リベッツが逆転勝利を収め、見事初勝利を飾った。
ミス沖縄が琉球アスティーダにエール
琉球アスティーダは丹羽、松平と中華台北の2選手を起用
岡山リベッツは李尚洙を欠き苦戦が予想された
両国国技館の熱狂から一夜明けた10月26日の夜、名古屋で行われた男子第2戦はTリーグ独自の魅力を観客に伝えるのに十分な熱戦が繰り広げられた。村松以外のメンバーをそろえた琉球アスティーダに対して、エース格の李尚洙と勢いのある若手の吉村和弘を欠いた岡山リベッツは、メンバー的には苦しい戦いが予想された。序盤は荘智淵/陳建安の世界王者ダブルスをトップで起用した琉球ペースで進んだが、第3試合で上田が荘智淵を破ったのを皮切りに森薗がガッツあふれるプレーでチームを劇的な逆転勝利に導いた。
岡山リベッツ 3対2 琉球アスティーダ
横山/森薗 -9,-7 荘智淵/陳建安○
吉田 -9,5,-9,-4 丹羽○
○上田 -5,10,2,5 荘智淵
○森薗 5,9,-4,7 松平
○森薗 8 丹羽
※ダブルスは3ゲームスマッチ、各ゲームの最終ゲームは6対6からスタート
第5試合は1ゲームマッチ
Tリーグの試合形式について詳しくはこちら
第1試合のダブルスは、琉球アスティーダが世界卓球2013パリで男子ダブルス金メダルに輝いた中華台北の荘智淵/陳建安ペアを起用。かたや、岡山リベッツは世界卓球2017デュッセルドルフで男子ダブルス銀メダルを獲得した森薗と、3日前に監督から急きょ出場を言い渡されたという横山のペア。
試合は安定感で優る中華台北ペアが勝負どころで確実に得点し、2ゲームを連取。森薗の好プレーでチャンスを見出そうとした岡山リベッツだが、総合力で優った琉球ペアが先制点をゲット。
○森薗 8 丹羽
※ダブルスは3ゲームスマッチ、各ゲームの最終ゲームは6対6からスタート
第5試合は1ゲームマッチ
Tリーグの試合形式について詳しくはこちら
琉球アスティーダの世界王者ペアが先制
試合は安定感で優る中華台北ペアが勝負どころで確実に得点し、2ゲームを連取。森薗の好プレーでチャンスを見出そうとした岡山リベッツだが、総合力で優った琉球ペアが先制点をゲット。
エースの丹羽が同級生の吉田を退け琉球が王手
2番は琉球アスティーダのエース丹羽が青森山田中・高の同級生吉田と対戦。過去、全日本選手権大会でも丹羽を破ったことのある吉田だが、丹羽の息もつかせぬ連続攻撃に屈し1対3と後塵を拝した。丹羽は観客のどよめきを誘うようなプレーも随所に見せ好調ぶりをアピール。早くも後のなくなった岡山リベッツだが、ここから「団体戦に強いチーム」という上田の言葉を見せつける結果となる。
上田が荘智淵に快勝
10分間のハーフタイムをはさみ、3番は岡山リベッツが第1試合で勝利を挙げた荘智淵と、岡山リベッツは荘智淵には分のよい上田。第1ゲームはラリーの安定感で優る荘智淵が先制するも、第2ゲームからは前陣でリスクを負って攻めた上田が、威力のある両ハンドに読みの鋭さも冴え、3ゲーム連取し荘智淵に快勝。岡山リベッツが反撃ののろしを上げた。
森薗らしいガッツあふれるプレーでラストにつないだ
森薗がビクトリーマッチを制して岡山が初勝利!
勢いを止めたくない岡山リベッツ森薗と、ここで勝負を決めたい琉球アスティーダの松平賢二と気合い十分の2人の対戦は、粘り強さと要所での決定力で優った森薗が3対1で熱戦を制し、勝負をラストに持ち込んだ。
第5試合はビクトリーマッチと呼ばれ、第3試合が終わった時点で両チームが選手を選出。岡山リベッツの白神監督は第4試合で勝った森薗をそのままの勢いでプレーさせたいと森薗を起用。かたや琉球アスティーダの丹羽は第2試合を終えてから、一度落ち着いてしまった感があり、動きや気持ちの入り具合にやや差が見られた。
試合は動きの良さと思い切ったロングサービスを多用してリードした森薗がそのまま押し切って丹羽を圧倒。岡山リベッツの初戦初勝利を決めるとともに、チームに貴重な勝ち点3をもたらした。
今回初採用となったビクトリーマッチだが、「普段は国際大会のシングルスで7ゲームマッチでどう勝つかを研究しているので難しさはあるが、こういうところでもきっちり勝ちを拾っていきたい」と試合後に語った森薗の言葉からも分かるように、1ゲームで勝負が決まるこの方式は、メンタルやベンチの勢いなど、技術・戦術以外のところで生じる差が大きく物を言う。
1ポイントの重み、選手の焦りや勝利への思いの強さを如実に感じることができるこの方式には今までの卓球にはない面白さを感じることができた。
レベルの高いプレーはもちろんのこと、選手の表情や息づかい、感情の揺れまでもが感じられるのはライブ観戦ならではの醍醐味だ。こうした機会が増えたことは、間違いなく日本における卓球の普及と競技レベルの向上につながるだろう。トップを目指す選手が真剣に観戦するもよし、ビールを片手にひいきのチームや選手に声援を送るもよし、いずれにしても会場に足を運んで「卓球の今」を感じてほしい。
第5試合はビクトリーマッチと呼ばれ、第3試合が終わった時点で両チームが選手を選出。岡山リベッツの白神監督は第4試合で勝った森薗をそのままの勢いでプレーさせたいと森薗を起用。かたや琉球アスティーダの丹羽は第2試合を終えてから、一度落ち着いてしまった感があり、動きや気持ちの入り具合にやや差が見られた。
試合は動きの良さと思い切ったロングサービスを多用してリードした森薗がそのまま押し切って丹羽を圧倒。岡山リベッツの初戦初勝利を決めるとともに、チームに貴重な勝ち点3をもたらした。
今回初採用となったビクトリーマッチだが、「普段は国際大会のシングルスで7ゲームマッチでどう勝つかを研究しているので難しさはあるが、こういうところでもきっちり勝ちを拾っていきたい」と試合後に語った森薗の言葉からも分かるように、1ゲームで勝負が決まるこの方式は、メンタルやベンチの勢いなど、技術・戦術以外のところで生じる差が大きく物を言う。
1ポイントの重み、選手の焦りや勝利への思いの強さを如実に感じることができるこの方式には今までの卓球にはない面白さを感じることができた。
レベルの高いプレーはもちろんのこと、選手の表情や息づかい、感情の揺れまでもが感じられるのはライブ観戦ならではの醍醐味だ。こうした機会が増えたことは、間違いなく日本における卓球の普及と競技レベルの向上につながるだろう。トップを目指す選手が真剣に観戦するもよし、ビールを片手にひいきのチームや選手に声援を送るもよし、いずれにしても会場に足を運んで「卓球の今」を感じてほしい。