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Tリーグ女子初戦 ~木下アビエル神奈川が完全勝利~


10月26日、女子のTリーグのもう一方の開幕戦が東京・アリーナ立川立飛で行われ、木下アビエル神奈川と日本ペイントマレッツが対戦。木下アビエル神奈川が日本ペイントマレッツを4対0で下し、勝ち点4を獲得した。

 
181027-tw01.jpg木下アビエル神奈川と日本ペイントマレッツが初戦を迎えた

181027-tw02.jpg木下アビエル神奈川の応援団

181027-tw03.jpgこちらは日本ペイントマレッツの応援団
 

 25日に両国国技館で行われた女子開幕戦に続き、木下アビエル神奈川と日本ペイントマレッツが開幕を飾った。大エースの石川佳純率いる木下アビエル神奈川に、馮天薇や李皓晴、加藤美優ら実力者をそろえる日本ペイントマレッツがどう挑むかが焦点になる。

 
木下アビエル神奈川 4-0 日本ペイントマレッツ
 
◯石川/木原 6,-14,9 田代/松平
◯袁雪嬌 9,2,15 馮天薇
◯石川 -8,6,3,4 李皓晴
◯浜本 3,7,-5,9 松平
※ダブルスは3ゲームスマッチ、各ゲームの最終ゲームは6対6からスタート
Tリーグの試合形式について詳しくはこちら


181027-tw04.jpg緊張の初戦、石川(左)と木原が先制点!
 
 2ゲーム先取の短期決戦を制すればより勢いが増すからだろうか、これまでの男女開幕戦2試合では1番のダブルスを制したチームがいずれも勝利している。
 試合の大勢を左右する1番のダブルス、木下アビエル神奈川はエースの石川佳純に、なんと中学生の木原美悠を組み合わせてきた。一方、日本ペイントマレッツは、田代早紀と松平志穂のペアリングで先制点を狙う。
 第1ゲームは、石川/木原がやや固さが見られる田代/松平を序盤から引き離して先制。第2ゲームも石川/木原がマッチポイントを握るが、固さが取れ、場になじんで来た田代/松平の連係がよくなり、逆転で勝利すると、勝負は6−6から始まる最終の第3ゲームへ。両者一歩もひかないシーソーゲームの末、最後は攻めの速さでわずかに上回った石川/木原が逃げ切り、木下アビエル神奈川に先制点をもたらした。
 
 この試合は、実力と経験で勝る石川のリードはもちろんだが、それにも増して木原のプレーが光る。「サービスのときに手が震えました」と本人が語るように、コートサイドから取材していても木原の緊張が伝わってきた。開幕戦でなおかつ石川がパートナーということで緊張しない方がおかしいが、それでも厳しい攻めを貫けたところに木原の非凡さ、度胸のよさが表れていた。
 


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圧巻のプレーを見せた袁雪嬌

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馮天薇は袁雪嬌の猛攻に屈す
 
 2番は木下アビエル神奈川が袁雪嬌、日本ペイントマレッツは馮天薇というオーダー。袁雪嬌は中国ナショナルチームの1軍メンバーで、中国スーパーリーグで活躍していたという以外、あまり情報がなかったが、試合が始まると圧巻の力を見せた。強烈に回転のかかったループドライブから直線的なスピードドライブで畳みかけるコントラストの利いたプレーで、実力者の馮天薇にストレート勝ち。木下アビエルに2点目をもたらした。
 
 馮天薇はこの試合の前日に日本入りし、故障の加藤美優に代わっての強攻出場ということで万全な様子ではなかったが、それでも経験と実力があり、メンタルも崩れない馮天薇を相手にストレート勝ちできる選手は世界でもそうはいない。袁雪嬌は、木下アビエル神奈川のポイントゲッターとして鮮烈なデビューを飾ったといえよう。
 

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プレーだけでなく、カスミンスマイルでも会場を魅了!
 
 早くも王手をかけた木下アビエル神奈川。3番にエース・石川佳純の名前がコールされると、千人を越える会場から大歓声が巻き起こった。対する日本ペイントマレッツは香港の李皓晴。
 これまで国際大会でたびたび接戦を繰り広げてきた両者の第1ゲームは、「気合いが入りすぎました(笑)」と試合後、本人が明かしたように、石川に思わぬミスが続き、李皓晴が先制する。しかし、第1ゲームを失ったことで肩の力が抜けた石川は、第2ゲームから本来のプレーを取り戻す。サービスからの3球目や両ハンドからの速攻が冴え、李皓晴を圧倒。石川が3ゲーム連取で李皓晴を下し、木下アビエル神奈川が勝利を決めた。
 水谷隼が男子の顔ならば、Tリーグ女子の顔は、間違いなく石川だ。石川が初戦で難敵を圧倒したプレーには、Tリーグのシンボルたらんとする彼女の矜持が満ちていた。
 

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場内がどよめくボールを放つ浜本

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松平も必死に食い下がったが及ばず
 
 完全勝利で勝ち点4を狙う木下アビエル神奈川は、4番に浜本由惟を起用。一方、一矢報いたい日本ペイントマレッツは、松平志穂をぶつけてきたが、この試合は、浜本のプレーが素晴らしかった。
 長身を生かし、上から打ち下ろすようなバックハンドと強烈なフォアハンドドライブを決める浜本のプレーに会場が何度もどよめく。松平も得意のしゃがみ込みサービスからの両ハンドで食い下がるが、浜本の強くて速い攻めに押され、なかなか活路が開けない。終始、浜本が攻撃の手を緩めず、松平に3対1で勝利。木下アビエル神奈川が4対0で完全勝利し、勝ち点4を手にした。
 
 試合前は接戦を予想していたが、終わってみれば木下アビエル神奈川の強さが際立つ試合となった。石川の活躍は想定内だったが、袁雪嬌と浜本が予想以上の強さを見せた。加えて、初戦のダブルスで見事なメンタルを披露し、これから急速に成長する可能性が高い木原の存在も、長いリーグを戦っていく上では木下アビエル神奈川にとって好材料だろう。
 一方、敗れた日本ペイントマレッツも、加藤の故障が癒え、馮天薇がTリーグになじんでくればチーム力はさらに上がってくるはずだ。
 
 これでTリーグ女子の全チームが初戦を終え、木下アビエル神奈川が勝ち点4でトップ、日本生命レッドエルフが勝ち点3で続くという結果になった。この両チームがこのまま走るのか。それとも、TOP名古屋と日本ペイントマレッツが追い上げるのか。熱い戦いは、始まったばかりだ。
 
 
 
試合の詳細な記録は下記サイトをご覧ください。
卓球 Tリーグ(T.LEAGUE):https://tleague.jp/

(写真/文=猪瀬健治)
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