世界ジュニア選手権オーストラリア大会3日目は、男女団体の準決勝が行われた。男子は日本対中華台北、中国対フランスの2試合が行われ、日本と中国が決勝進出を決めた。
<男子団体準決勝>
日本 3-1 中華台北
田中 -9,7,-7,10,-8 黎昕陽○
○宇田 3,8,-8,6 馮翊新
○戸上 2,-9,5,7 戴茗葦
○宇田 14,-8,-8,7,10 黎昕陽
エースの林昀儒が出場していないこともあり、ここまでの苦戦を強いられることは予想していなかったが、黎昕陽にとっては、その存在を世界に印象づけるのに十分な場となったのではないだろうか。そして、それ以上に、日本に宇田幸矢ありを知らしめた試合となった。
トップで田中は、鋭い読みと思い切った回り込み、強力なフォアハンドを武器に戦う黎昕陽に先制を許すと、バック対バックでも田中と互角の黎昕陽の猛攻に苦しみ、1対2とリードを許す。ミスの少なさでは勝る田中だが、黎昕陽の決定力の高さはそれ以上。台上で先手を取ることが出来ずに、田中はあえなくゲームオールで敗れる。
今大会エース起用の宇田は、サービス・レシーブから緻密なプレーを積み重ねて、馮翊新に3対1と快勝。1対1に戻す。
3番の戸上は初戦の緊張が嘘のような吹っ切れたプレーで1ゲーム目を奪うも、自分のペースをキープできずに苦しむ場面も。しかし、高校生随一の球速の連続攻撃で戴茗葦を退け、日本が2対1と王手。
実質のエース対決といっていいだろう。4番、前半で好プレーを見せた宇田は、ここでも粘り強い戦いを見せ、第1ゲームを16-14と先行。しかし、続く2ゲームを、黎昕陽のパンチ力のある前陣両ハンドに押されて連取を許す。後がなくなった宇田は、大きなラリーで後陣からも力強いボールを放ち優位に。最終ゲームは宇田リードで進むが、黎昕陽もあきらめない粘り強さを見せて10-10に。サービス・レシーブに関してベンチの田㔟監督から具体的な指示が飛ぶ。最後はレシーブで苦しんでいた宇田が得意のチキータを思い切って相手のバック側に振り、これを狙い打とうとして回り込んでいた黎昕陽のミスを誘い決勝点を挙げた。
昨年は、突然の世界ジュニア出場決定で、準備不足の感が否めなかった宇田だが、今大会は万全の調整を経て臨んでいる様子がうかがえる。試合運びにも大きな成長が見られるが、田㔟監督の要求はさらに高い。技術的には中国にも見劣りしないだけの実力をつけてきているだけに、戦術面でのさらなる強化に期待したい。
<男子団体準決勝>
中国 3-0 フランス
○徐瑛彬 11,8,6 ド・ノドレスト
○于何一 14,-7,4,9 ベルトラン
○向鵬 9,-11,-9,3,7 ランベール
準々決勝のアメリカ戦でジャアに敗れた徐海東をベンチに下げ、アジアジュニア王者の向鵬を3番手に起用した中国。対するフランスはサウスポーの攻撃選手3人という布陣で臨んだが、土を付けるにはいたらなかった。3番のランベールは中陣からの粘りで15歳の向鵬のミスを誘い、2対1とリードしたが、最後は攻めきられ1歩及ばず。準々決勝で新興勢力のイランを破ったものの、飛び抜けたタレントの出現はなかった。
2連覇を狙う中国から日本が王座を奪還できるか? ハイレベルな好試合となることを期待したい。
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