世界ジュニア選手権オーストラリア大会3日目は、男女団体の準決勝が行われた。ロシアに3対0で勝利し、決勝進出を決めた日本。渡邉隆司監督と、出場した長﨑美柚、相馬夢乃、大藤沙月3選手に試合の感想と決勝への意気込みを聞いた。
■渡邉隆司監督のコメント
1番の長﨑が思った以上に苦戦したのでひやっとしました。相馬にも「長﨑が負けて回ってくることがあるかもしれないから、それは想定しておきなさい」と事前に伝えてありました。1番から5番までトータルで見たときには大丈夫だろうと思っていましたが、長﨑があそこまでタイラコワに追い詰められると思ってませんでした。タイラコワはストップがうまかったですね。それで長﨑は3球目が思うように攻められなくて苦しい展開が続いていて、終盤は相手のチキータまで入ってくるようになって、苦しかったですね。長﨑も効いているサービスをすぐ変えてしまったりとか、たぶん自分が何で得点しているかというのが頭から飛んでしまったような状況だったと思います。でも、絶対取れないようなネットを連発されましたが、耐えて耐えて頑張ってくれたのでよかったですね。タイラコワの出来が予想以上によかったですね。最初から長﨑のボールの威力とピッチに合っていたので。そういう相手に、もう少し外すようなボールもうまく使えるともっとよくなると思います。
相馬は1球目でバックドライブをスコーンと決められて、それを警戒しすぎて少し下がりすぎてしまって、カットがネットを越えないという展開が多かったですね。でも、1ゲーム目を取って以降は、あまり問題なく進められたのでよかったと思います。試合に入る前に「5-5になるまでに1本は反撃しておけ」と指示しました。そうしないと終盤で打てなくなってしまうので。1ゲーム目の4-5とギリギリのところでバックハンドで反撃して、しっかり指示通りやってくれたのもよかったですね。相手は相馬のカットの球質は分かっていると思いますが、それでもオーバーミスを繰り返してくれました。あれはやはり武器ですね。
大藤は、サービスのトスの高さでフォルトを取られてから、投げ上げてサービスを出すようにと伝えました。本人は回転量が落ちることを気にしていましたが、それよりも競った場面などでフォルトを取られないようにすることが大事なので。しかし、後半はそれでコントロールが甘くなってしまって、その修正がうまくいきませんでした。また、終盤はバック対バックで、相手が大藤のボールに慣れてきて主導権を握れなくなってきたので、コース取りや戦術の切り替えを早くできるようにしないといけませんね。カザンツェワはバックの懐が深く、バックミドルがフォア側よりだったので、いつも攻めるミドルよりももっとフォア側を狙うようにという話はしていましたが、途中からそれがなくなっていました。
世界ジュニアはサービスの判定が厳しいので、フォルトを取られても動揺しない、また、サービスを切り替えるなど、そうした細かい準備はこの大会では重要になってくると思います。選手には、試合中、審判に注意されたりフォルトを取られても、審判をきちんとリスペクトして、目を合わせて「わかりました」と応えるように伝えています。
4選手ともいい状態で決勝を迎えられるんじゃないかと思います。誰が出てもいい準備をしています。
■長﨑美柚選手のコメント
1ゲーム目は自分の流れでプレーできましたが、2ゲーム目から相手も組み立てを変えてきてうまく対応しきれませんでした。タイラコワ選手は最初から私のボールに合っていて、どのような戦術を立てればよいのかわかりませんでした。それと、相手のネットなどラッキーなポイントが多かったのですが、それでも気持ちの整理、切り替えができたことがよかったと思います。競った場面で消極的にならずに自分から攻めることができたのも勝因につながったと思います。(4ゲーム目でマッチポイントを2回逃して)5ゲーム目に入ったときは、正直に言ってあまり自信がありませんでしたが、1本ずつ冷静にとろうと思って臨みました。焦らずに1本ずつ冷静に戦えたことが勝利につながったと思います。
自分が打っても倍くらいのカウンターで返ってくるのと、なかなか先に打たせてもらえなかったので、そこはやりにくいところでした。
去年は2位ですごい悔しい思いをしたので、今年はその借りを返す気持ちで、自分のプレーができたら勝利につながると思うので、試合を楽しんで向かっていく気持ちで頑張りたいです。
■相馬夢乃選手のコメント
1試合目だったのですごく緊張して試合に入りました。ラブオールからの1球目で、相手に3球目でガツンと決められて、そこで少しびびってしまって、そこから少し台から下がりすぎました。でも、相手はあまり私のカットの回転を分かっていなかったので、変化をつければ大丈夫と思って落ち着いてやるようにしました。
とりあえず、1試合終えて会場の雰囲気はつかめたので、次の試合は出足からいいプレーができるようにしたいです。
中国に勝つことが目標で来ているので、応援でも中国を圧倒して戦っていきたいと思います。
■大藤沙月選手のコメント
2ゲーム目からサービスが効かなくなってきたので、少しどうしようかなと迷いがありました。(中盤以降は)相手がボールに慣れてきて、ラリーが続くようになってきたので、自分も相手より1本多く入れることを意識してプレーしました。
団体戦で優勝することが目標なので、向かっていって絶対勝てるように頑張ります。
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