世界ジュニア選手権オーストラリア大会最終日、個人戦5種目の準決勝と決勝が行われた。女子シングルスは、準決勝で相馬を破った石洵瑶と、蘇珮綾(中華台北)を破った銭天一の対戦となった。同士打ち決勝はフルゲームの接戦となり、銭天一が石洵瑶の2度目の優勝を阻止して初優勝を飾った。
<女子シングルス決勝>
銭天一(中国) 8,-5,-9,5,-9,9,8 石洵瑶(中国)
中国勢の同士打ちとなった女子シングルス決勝。日本勢はベスト8に4選手が勝ち残ったが、準々決勝で長﨑、木原、大藤が敗れ、準決勝に勝ち進んだ相馬は石洵瑶に完敗。長﨑を破った中華台北の蘇珮綾も安定感と決定力でまさる銭天一に敗れた。
中国の同士打ち決勝は何度も見てきているが、手の内を知るもの同士だからか接戦になることが多い。この試合も例に漏れず、序盤から湿気のためにお互いにネットミスを多発しながらも一進一退の攻防が続いた。一発の威力では分がある石洵瑶だが、リスクを負った強打にはミスも出て、手堅くプレーする銭天一と五分五分の展開。一歩先に出たのが石洵瑶。2対2からの5ゲーム目で終盤10-6と大きくリードした石洵瑶がこのゲームを逃げ切って王手をかけた。
続く第6ゲームも石洵瑶が序盤から5-0とリード。勝負は決まったかに思われたが、勝ちを意識した石洵瑶の萎縮したプレートと開き直った銭天一のプレーでこのゲームを銭天一が逆転。
勝負の最終ゲームは第6ゲームの勢いを引き継いだ銭天一がラリー戦での高い集中力を見せて石洵瑶の2大会ぶりの優勝を阻止する価値ある初優勝をもぎ取った。銭天一はジュニア最後の年に初優勝を飾り、文句なしのジュニア卒業となった。
石洵瑶は過去2大会連続で団体戦の決勝で日本に失点するという汚点を残したが、今大会では外国人には失点することなく終幕を迎えた。銭天一、石洵瑶とも王曼昱、孫穎莎らシニアでも通用する選手と比べるといささか物足りなさは感じるが、同世代の日本選手の前には今後も立ちふさがる存在となることだろう。
<女子シングルス準決勝>
石洵瑶(中国) 3,4,2,9 相馬夢乃(日本)
銭天一(中国) 10,5.-8,7,8 蘇珮綾(中華台北)
相馬は準決勝で石洵瑶に敗れた。相馬のナックルカットに対して強烈なフォアハンドスマッシュを厳しいコースに連打してくる石洵瑶に序盤は一方的な展開。第4ゲームで強く切ったカットとナックルカットとのコンビネーションで攻撃のチャンスが生まれたが、序盤からこの戦い方ができていればチャンスは広がったかもしれない。完敗と言っていい内容ではあったが、相馬の高校1年生で世界ジュニア初出場にしてメダル獲得は立派な成績だ。今大会が今後のさらなる成長の糧になることを期待したい。
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