丸善インテックアリーナ大阪(大阪市中央体育館)で開催されるている平成30年度全日本選手権大会。最終日は女子シングルス準決勝から行われ、伊藤(スターツSC)と木原(JOCエリートアカデミー)が決勝へ進出した。
●女子シングルス準決勝
伊藤美誠(スターツSC)7,9,7,9 早田ひな(日本生命)
昨日、圧倒的な強さで女子ダブルス優勝をかざった伊藤と早田は、頼もしいパートナーから倒すべき敵として女子シングルス準決勝で激突。事実上の決勝戦といって差し支えない注目の一戦は、伊藤がその強さをまざまざと見せつけるステージに変わった。
ラブオールの声がかかると、伊藤は早田のショートサービスを挨拶代わりにバックハンドフリック強打で先制。ここから、持ち前の相手に的をしぼらせない変化プレーと畳み掛けるような強打で第1ゲームを先制すると、続く第2、第3ゲームも奪い、あっという間に王手をかける。
簡単に負けられない早田だが、伊藤のまるで妖術のような変化と速さのあるボールについていけず、自分のスイングがまったくできない。それでも早田は第4ゲームで伊藤の強打を後ろから盛り返すなど見せ場をつくったが、終盤の競り合いで打ちミスが続き、伊藤が早田にストレート勝利。
石川(全農)、芝田(ミキハウス)に完勝した早田の攻撃をもってすれば伊藤にも...。そんな感想を持っていた人は多かっただろうし、実際に自分もそう思っていたが、そんな周囲の予想のはるか彼方を行く、女王の圧勝劇だった。
●女子シングルス準決勝
木原美悠(JOCエリートアカデミー)-6,4,12,6,-5,7 森さくら(日本生命)
昨日、ベスト4を決めた後、「ジュニア女子で負けてしまったので一般ですごい成績を出したいと思っていた」と喜びを語っていた木原が、またまたすごい成績を出した。
木原は序盤こそ、森のバックハンドドライブとそこからの回り込みに手を焼いたが、すぐさま森の球威とコース取りに対応。表ソフトラバーでの小気味よく弾くバックハンドとフォアハンドスマッシュで森の球威のある両ハンドドライブに立ち向かい、ゲームカウント4対2で勝利。男女通じて史上最年少で女子シングルスの決勝進出を果たした。
木原は決勝では同型のシェーク異質型の伊藤と対戦。木原のいう「すごい成績」のさらなる上書きはあるのか。伊藤との速攻対決に注目したい。
一方、森の調子も悪くなく、第3ゲームを取っていればどう転ぶか分からない展開だったが、要所でレシーブが思うようにいかなかったのが悔やまれる。敗れはしたが、場内に響き渡る咆哮とダイナミックな回り込みで地元である大阪での全日本開催を盛り上げた森の活躍に大きな拍手を送りたい。
(文=猪瀬健治 写真=佐藤孝弘)
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